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「よってたかってらくご秋 もぐもぐぐびぐびスペシャル」を観る [落語・お笑い]

落語記事というと寿輔師匠の話が多くなりがちな私のブログですが、
最近、友人に連れられていった一之輔さんの落語会が面白くて、

(ゲストを呼ぶとギャラが減るからと、一人で話しまくっていた落語会) → http://utsubohan.blog.so-net.ne.jp/2017-07-09


今回も友人がガンバってチケットを取ってくれて、よみうりホールへ。
チケット完売なので場内人だらけ、最近は若い人が多いなあって実感します。

最近の新しいホールだと前列同じ番号の席の人と左右にずれていて見やすいのですが、
よみうりホールはかなり古くて、前列と左右位置が同じ、今回は前の人がでかくて
見づらかったのが残念でした。。
(その人の頭が動く度に反対方向に頭を動かして鑑賞(^_^;))

13時開演し、開口一番で登場したのが柳亭市若さん。
(前座さんは所属協会のホームページに写真掲載されていないので、ここも写真無し)
ネタは「小町」だったのですが、今回3時間で前座を入れて10人登場するので、
話に聞き入る前に、たった5分の持ち時間であっという間に終了。


神田 松之丞 次に登場したのが神田松之丞さん。
(写真は落語芸術協会HPより拝借)


まだ二つ目なんですね。すごく人気があると聞いていたのですが、
私はお初です。この後もお仕事があったようで早々に登場されたのか、
二つ目だからこの順番だったのか、、謎です。

松之丞さんの師匠の鯉昇さんは何度か聞いたことがありますが、
かなり枯れた渋い声に強面、男性講談師だと鯉昇さんか田辺一鶴あたりしか知らず、
最近は女性講談師の方が多いので、こういう若い男子がいたなんて、ちょっと萌え。(^-^)
ネタは「鹿島の棒祭り」。 剣豪だけれど酒乱、というのが笑える話です。
とはいえ持ち時間15分なので途中で終了。。。
かなりテンポよく釈棒を叩いて話すのでキレが非常によい講談でした。


続いて、三遊亭兼好が登場。
円楽一門はホームページがないので写真無し、です。
ネタは「時そば」。

今回の落語会、副題に「もぐもぐぐびぐび」とついているとおり、
食べたり飲んだりするネタを各自演じるルールのようで、
兼好さんも年末でもないのに(寒い時期でもないし)時そばをやったみたいです。
屋号で当矢(あたりや)に対して、ハズレ矢、というのが初めて聞くパターンでしたが、
まあ、普通に面白い、、という感じでした。



 桃月庵白酒さん
(写真は落語協会HPより拝借)

以前、白鳥さんが故郷高田で開催した落語会にゲスト参加されて、
古典が上手な噺家さんというイメージでしたが、
かなり毒舌も利いている方なので、今回も。(笑)

松之丞さんの講談で使われる釈台と釈棒?について、
バンバンたたくと大したこと言ってないのに凄いように聞こえる、と
前に出ていた兼好さんの時そばを講談風にアレンジして笑いを取った後、
ネタにやったのが「茗荷宿」。これも初めて聞くネタです。

(泊まった宿で出てきた料理が茗荷ばっかり)→ http://ginjo.fc2web.com/246myougayado/myouga_yado.htm


飛脚が悪天候の中、予定通りに移動できずやむなく泊まった宿で、
茗荷ばかり料理で出されてしまう、というネタで極端すぎて笑えました。

ここでちょうど1時間、そして仲入り。。。
よみうりホールって落語会が多いからなのか、売店が結構渋くて、
エスキモーのアイス、手作りクッキー、淹れたてコーヒー、、
店員さんもここでナン十年も働き続けている感じのおじちゃんおばちゃん。
特に何も買いませんでしたが、どこかほっとする雰囲気の売店です。

と、15分の仲入り後に登場したのが、
三遊亭 粋歌 三遊亭粋歌さん 
(写真は落語協会HPより拝借)

すいすいというニックネームを持つ噺家さんで、
以前、馬るこさんを見にいった落語会で一度聞いたことがあります。
創作落語が得意な噺家さんで、今回のネタもちょっとしたことで
男女の間に溝が入る、、なんて話で、
「とんがりコーン、そのまま食べるか?指にはめてから食べるか?」
というタイトルの創作落語でした。
内容はタイトルのまんまです。(笑)
とんがりコーン、きのこの山、じゃがりこ、、どうやって食べるか、
その違いで互いに譲らず喧嘩してしまう、本当にどうでもいい話ながら、
食べ方の特徴が描かれるたびに場内大爆笑。
子どものころにつけられるひどいあだ名ネタも織り交ぜながら
テンポよい話しぶりで、私もあるある!と唸りながら爆笑しました。

と、持ち時間が15分しかないので(笑)、あっという間に終了し、


春風亭 百栄 春風亭百栄さん
(写真は落語協会HPから拝借)

何度か見たことありますが、独特の見た目と芸風。
ねっとりした口調が不気味なのになんだか気になります。

ネタは「弟子の強飯」。創作落語らしいです。

高校2年生の男子に落語協会の師匠がスカウトに行くという噺なのですが、
この高校生が妙に練れた感じの名人みたいな立ち振る舞いで、
スカウトと高校生との間の会話とか空気感がなんとも言えないというか、
いつまで続くんだよ、と思いながらぐふ、ぐふふ、、って感じで笑いながら
聴けました。

そしてお待ちかねの一之輔さん。
(写真は落語協会HPより拝借)

年に一度家族サービスでカレーを作るマクラだったのですが、
(大人はジャワカレー、子供はバーモントと分けるこだわり)
それがうまくなくて、、、みたいなところで軽く笑わせた後に
始めたネタが「蝦蟇の油」。
講談でも落語でも聞いたことがありますが、そんなに面白いのかな、
と思ってきいていたら、もうこれが一之輔ワールド全開。

血止めの蝦蟇の油を売るはずが、口上の途中で本当に腕を切ってしまい、
血止めはありませんか、、と見物客にいうという矛盾を笑う噺ながら、
そんなところはどうでもよくて(笑)、今回の副題、もぐもぐぐびぐびを
なんとか盛り込もうとするあまり、途中で、蝦蟇の油売りが、

蝦蟇を食っちまう。

そんな暴挙に出てしまう展開にアレンジ。
口上を言いながら四六の蝦蟇を見せて、、、というはずが、
まさかの蝦蟇を食う展開に場内大爆笑。 
蝦蟇が大きいので一口で入りきらず、口の外に、後ろ足がぴろっと飛び出て、
そんな表現と表情にまさか蝦蟇を食うのか、と腹の底から笑いました。
とはいえ、持ち時間15分なので、その後はお約束通りの展開で終了。


三遊亭 白鳥 次にジャージデザインの着物で登場した白鳥さん。
(写真は落語協会HPより拝借)

腸内ポリープで入院した時、点滴棒をもって屋上までタバコを吸いに行ったら、
点滴が逆流して大変だった、という話で笑わせた後のネタは「アジアそば」。
前の日呑み過ぎたサラリーマンが昼はお蕎麦でさっぱりと、、と思っていたら、
声をかけてきたのはインド人。いや、カレーじゃなくて、、と断ると、
インド人がやっているのは日本蕎麦店。(笑)
修業したことあるの?と聞くと、修行先で挙げたのが、
富士そば上野店、富士そば、池袋店、富士そば新宿店、と全部富士そば。
もりそばを注文するサラリーマンに、売切れだからと店で一番高い天せいろを勧め、
食べ終わって会計、、の段になると、18万、、、ルピア、、というインド人、という
いかにも白鳥さんらしい噺でした。

インド人が以前は牛丼屋をやっていたという件で、ヒンズー教は牛肉ダメでしょ、と
サラリーマンがいうと、いやいや、うちの牛丼、牛肉使ってないから、と断言する
インド人、というのがいやはや白鳥ワールドだわ、、、と大爆笑しました。

林家 きく麿 続いて登場したのが林家きく麿さん。
(写真は落語協会HPより拝借)

林家と名の付く噺家に普段近づかないようにしているのですが(特にKぶ平)
ああ、この人林家なんだ、、と思ったものの、出囃子がオースザンナ(笑)で、
最初に小林旭の赤いトラクターを歌ったりして、面白いのかな、、と思ったら
結構面白くて。ネタは「餅」。
老人同士の会話がずっと続くネタですが、
五郎さんというお爺ちゃんが餅を喉につまらせてくれたお陰で、
気を付けないといけないね、、って思い出す2人、どこでオチがつくのかと思ったら、
意外なところで笑わせて終了。


 主任は柳亭市馬さん。
(写真は落語協会HPより拝借)

他の演者と比べると年長だしキャリア長いし、やっぱり主任なんだな、と
思いながら聴いたネタは「百川」。

(訛りのある百兵衛さんの噺)→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%B7%9D_(%E8%90%BD%E8%AA%9E)

食べ物で出てきたのがクワイ(慈姑)。
久しぶりに食べたくなりました。


終演16時。

10人も出てくると集中力が続かないかと思ったのですが、
テンポよく入れ替わる分、ずっと笑い続けて観られました。
個人的には一之輔さんの蝦蟇食い、と、白鳥さんの18万ルピアが
完全にツボでしたが、知らない噺家さんのネタもいろいろ聞けて満足の、
「よってたかってらくご秋 もぐもぐぐびぐびスペシャル」でありました。



(終演後に貼りだされた当日の演目)

よってたかってらくご秋.png


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