SSブログ

末廣亭で寿輔とアロハマンダラーズ [落語・お笑い]

本当はぽつぽつとシカゴ出張記を書き始めようと思ったのですが、
その前に、、アップするタイミングを逸していた落語記事を。。。
というのも、昨日は待ちに待った寿輔師匠の独演会だったので。
(独演会に行った後、それ以前の記事をアップするのもどうかと思ったのですがつい。。。)
独演会も非常に満足でしたが、その記事はまた後日。(いつも先送り)


 


独演会の前に一度寄席で師匠の御姿を拝みたい、と久しぶりに新宿末廣亭に足を運びました。
行ったのはちょっと前の話ですが8月中席昼の部。 
日曜日だったので昼席を最初から見ることにしました。
 まだまだお暑うございます

夏休み中に末廣亭に行った友人が「噺家さん達によるハワイアン演奏があったよ」というので
それも楽しみだなあと思いながら新宿3丁目駅に到着、11時半に末廣亭に到着すると、、
ものすごい長蛇の列。既に50人くらいは並んでいる模様です。 しかもご高齢の方が殆ど。
 末廣亭の入口
 本日の番組表です
開場は11:40なので炎天下の中、並び続け、場内に入れたのは11:45。
怒涛の勢いで場内に雪崩れ込むオジオバに混じって前から3列目のど真ん中に着席。
ど真ん中がちょっと困りますがこれで師匠のお顔が近くで拝めます。。。

11:50開演の開口一番は前座の昔昔亭A太郎さん。噺は「元犬」。 
深川の白犬が八幡様へ願掛けをして人間になるものの行動は犬のまま、
それを見た上総屋が白犬を変わった人間を捜している隠居のところへ連れて行くが
見かけは人間になっても行動はやっぱり犬のままで、、、という噺。
近くで観ているとドキドキしながら話している感じが初々しく応援したくなりました。

 お次は三笑亭可女次(←カメジと読みます)
以前、三遊亭圓遊さんの独演会で前座時代に「薬缶(ヤカン)」を話したのを聞いて以来ですが
最近二つ目に上がったので上手くなっているかなあ、と期待しつつ聴いたのが「雑俳」。
隠居の家へやって来た八五郎が、隠居の趣味が俳句だと聞いて自分も、と挑戦してみたものの
当然うまくいくはずがなく詠む俳句が駄句ばかり、、、という噺。
話し方は大分スムーズになっていて客席を笑わせるのも上手くなっていた感じですね。 

 次は瀧川鯉之助 もう一息で真打になれるかなという二つ目さん
噺は「金明竹」。
与太郎が伯父さんの家で店番をしていると中橋の加賀屋佐吉の使いの男がやって来て
仲買の弥市が取り次いだ道具七品のことについて話し始めるものの
早口な上方弁でまくしたてるので与太郎には全く理解できないので
伯母さんを呼び出し助けてもらおうとするが伯母さんにもさっぱり分からない、、という噺。
話し手によって上方弁の男の様子が微妙に違うようですが、
鯉之助さんの話し方はちょっと優しすぎるかな、、、、という感じでちょっと物足りませんでした。

 結構お気に入りの桂南なん 噺は「真田小僧」。
父親に遊びに行けと言われた金坊は小遣いをくれと父親に頼むがもらえないので
悪知恵を働かせ「おとっつぁんの留守中、おっかさんの所に男が来てた」と父親を動揺させ、
詳しい話は小遣いくれないと話さないよ、と小遣いをせびる。
男が一体誰なのか気になって仕方ない父親は金坊に小遣いを渡して話を聞くと、、、という噺。
女房と一緒にいた男が誰なのかさんざん心配したというのに、
男の正体が分かって「なーんだ」とガッカリする父親に対して、
まんまと小遣いをせしめた金坊の悪知恵の働かせぶりが対照的で大変面白い噺でした。

 東 京丸・京平の漫才 今ひとつだったかなぁ。。。。。。

 春風亭柏枝 噺は「子ほめ」。
人に奢ってもらってタダの酒を飲もうとするなら世辞愛嬌が必要だと隠居に言われた八五郎、
隠居から褒め方を教わった通りに道端で会った人に試してみるもののうまくいかない。
それならば、と赤ん坊が生まれたばかりの竹の家に行って褒めようと行ってみるが
これまたうまくいかない、、、という噺。 
年より若く見えると褒めればいいと隠居に教わってもうまく言えない八五郎の様子が
非常に面白い噺でした。。。

そしてそして、「シャボン玉とんだ」の出囃子と共に、お待ちかねの
 寿輔師匠  今回もお召し物は黄色でした
出てきた時点で周囲のオジチャンオバチャンがどよめいているのが可笑しくて。。。

「あぁー、突然熱帯魚が現れて、さぞや皆さんお力落としのことと思います。
 寄席ってところは4時間はやっているから
 必ず皆さんをガッカリさせる芸人が江戸時代からでることに決まっております。」

「3番4番バッターばかりの巨人がここ何年もダメだったように
 8番9番バッターも必要なわけで私の後には錚々たるクリーンアップが楽屋入りしております。
 だから、私の持ち時間は(着物の袖を扇子で指しながら)、ま、目の保養ってことで」

「今日は沢山入っているけど、このくらいの人が歌舞伎座にいてもガラガラだよね」

「あたしたち噺家ってのは、こうやって寄席に来てくれる人のお陰でご飯が食べられる。
 だから、今日は皆さんの顔がうどん1本1本に見えます。
 でも、うどんは炭水化物で消化が早いから、これ以上大きな声は出せない」

「既にここに上がって1分経ちましたが早くもメマイがしてまいりました。
 (前列に座るおばさんを指して)オクサン、あなたの方がずっと顔色がいい。
 あたしの代わりにここに来て落語やってちょうだいよ」

いつもの客いじりで笑いをとった後の噺は「地獄めぐり」。                                                                                                  今まで2度聴いたことのある噺ですが結構好きなネタです。

 

三途の川を渡って地獄の六道の辻に到着すると、目の前に案内所。                                            「初めてでよく分からないんですが」と尋ねると「何度も来る人はいないね」と案内係。
そして、地獄には様々な施設があるよ、と案内してくれるのですが、それがさすが地獄。

ホテルは、ホテルオークライ、部屋がいつも暗いです。
また、グランドホテル香典返しは部屋に線香の香りが漂っています。
ペンション御通夜はオーナー夫婦がいつも泣いてばかりで、
プラザホテル賽の河原では幽霊のキックボクシングと骸骨ストリップが見られます。
おかまバー、マスターは沖雅也です。                                                                                                ペットショップ、店主は犬神家の一族(犬が三毛)、                                                                                                       大人のおもちゃ、店主は阿部定。
パンツ専門店、店主は勝新太郎。何でも隠せるパンツがおススメです。
ピーナツ屋、店主は田中角栄、黒ピーナツは一粒1億円でございます。
歯医者の先生は宮田輝。(司会=しかい=歯科医)
寄席、米丸?近日来演って看板に書いてあるでしょ?

ネチネチとしゃべる寿輔師匠の姿に場内大爆笑、
ネタは古めなので理解できるということはそれなりの年齢(笑)ということですが、
私も腹の底から笑わせていただきました。。。。。
                                                                                                                                                                                           
 東京ボーイズ 3人なのに出てきたのは2人。。。。
リーダーでアコーディオン担当の旭五郎さん(中央)が入院しているとかで
三味線担当の菅六郎さん(左)、ウクレレ担当の仲八郎さん(右)の2人のみ。
最近、寄席で拝見する五郎さんの様子があまり体調良さそうには見えなかったのですが
入院されたとは非常に心配です。
残りの2人で一生懸命観客を笑わせてくれたのですが、
2人をいつも叱る五郎さんがいないとやはり寂しいです。。。

神田紫 講談です
山内一豊の一席を軽くやったあとは「かっぽれ」を踊ってくれました。

 久しぶりの三遊亭圓遊 噺は「目薬」。
結膜炎で医者から目薬を処方された男、
効能書きを読もうとするが字がちゃんと読めない為に
「このくすりは、みみかきいっぱいほど、めじりにつけてつかうべし」の意味が分からない。
一生懸命女房と一緒に読んでみるが、「めじり」の「め」を銭湯で見かける「女」の字と勘違い。
そうかそうか、この薬は「めじり=女尻」につけろということか、
と己の目が悪いにも関わらず女房の尻に薬をつけようとする男、
嫌がる女房の尻に薬をつけようとすると、朝食べたサツマイモのせいでプーッと一発。
そして薬(当時は粉薬)は飛んで亭主の目の中へ。。。
「なるほど、こうやって使うのか」でサゲ。
この噺は初めて聴きましたが、圓遊さんの嫌がる女房の表情が面白く大爆笑でした。

 ボンボンブラザーズ
久しぶりに観ましたが、少し出し物が変わっていたような。。。
神楽とジャグリングのミックスという他では観られない人たちですが、
以前から気になっているコンビ仲が今回も気になってしまったというか何というか。
もう少し良いコンビネーションを取り戻してほしいですねえ。。。。。

 三遊亭右紋 
何度か観た事があるのですが、一度もネタを聴いたことがありません。。。
今回も団塊世代の話をひとしきりして終わってしまいました。。。。

 桂米丸 近くで見るとかなり皺皺。。。
いつもの身近な話をひとしきり。。。
タクシーに乗ったときの話とか、以前も聞いたよなーという内容。
ま、高座で観られるだけでも御利益ありそうだから、ま、いいか。

ここで仲入り。 と、後ろのオジサン3人組が
「久しぶりに来たけど何でこんなに混んでるんだよ、ったく。
 落語にこんなに人が集まるなんてオカシイよなあ。」とぶつぶつ。
オジサン達、あなた達が来ないうちに落語ブームが来ているのですよ。
そんなに文句言うならこなくてよろしくってよ、と心中思う私でありました。。。

仲入り後は、
 春風亭小柳枝から 噺は「がまの油」
うまい口上でがまの油を売っていた男が儲けた金で飲んだ暮れ、
酔っ払った状態でがまの油を売ろうとしたら本当に自分の腕を切ってしまい
血が止まらないのでがまの油を塗るものの一向に血が止まらない。
仕舞いに「誰か血止めを・・」と観ていた客に助けを求めてしまう噺。
小学生の遠足で筑波山に行った時、がまの油売りのオジサンの口上に騙され(笑)、
クラスの友達とがまの油を買ったものの、やっぱり血は止まらなかったので
そんなことも思い出しながら笑ってしまいました。。。

 新山真理は定番の独身中年女の自虐ネタ漫談。
毎度ながら自分のことを言われているんじゃないかと身につまされた気分。(笑)
また、珍しく「梅は咲いたか、桜はまだかいな」と踊ってくれました。

 そして昼の部主任の三笑亭可楽
今までにネタは一度しか聞いたことがないのですが、
さすがに主任だったらネタをやってくれるだろうと期待した噺は「短命」。
伊勢屋の娘に養子にやってきた男が3人続けて若死にしたのは
ものすごい美貌の娘が原因ではないかと噂した八五郎が家に帰り
自分の女房を見て「大丈夫、俺は長命だ」と言ってサゲ。
ネタはやってくれたのですが、主任にしては短めでアレレ?という感じでした。

そして、(ここから撮影可だったので一杯撮りました)
 新山真理さんの挨拶に続いて
年に一度夏に披露しているアロハマンダラーズの演奏です。
 高座が微妙にハワイアン
メンバーは、
 春風亭小柳枝さん
 波の音も演出します
 三笑亭可楽さん フルートに加え
 三線も披露 (これがナゼハワイアンかという気もしますが)
 滝川鯉之助さん 二つ目なのでバンド内での地位は一番下
 三遊亭右紋さん 
 春風亭柏枝さん
 神田紫さん と 新山さんの7人。
「椰子の木陰」「カイマナヒラ」などのハワイアンも演奏しながら、
「涙そうそう」と沖縄の雰囲気たっぷりの曲も演奏し、
 マヒナスターズの「泣かないで」も演奏
 カルチャースクールのような
 オバチャンダンサー達が登場し
オリジナルのハワイアンも演奏したりと、
バラエティに富んでいるといえば富んでいるし節操ないといえば節操ないし(笑)ですが
噺家さんたちがこういう姿を披露してくれるというのもまた一興で、
お目当ての寿輔師匠の元気なお姿を間近で拝見できたし、と、
ちょっとお得な気分になれた末廣亭昼席でありました。


nice!(3)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:お笑い

nice! 3

コメント 6

うつぼさん、こんにちは!
「ぐびぐび」のコメントに、「激しい」客いじり、とあったので、毒蝮三太夫のような、攻撃的な発言がお客さんに対してぶちまけられるのか?とちょっとドキドキしたのですが、そういう点では、ソフトだったのでしょうかね。
それにしても、たくさんの方のお話が聞けるのですね~。落語はTVでしか見たことがないですが、寄席に足を運んでみようかしら、と思いました。
by (2007-09-15 14:19) 

kikuzou

寄席の雰囲気が伝わってきますね~
って、読むだけでも楽しいですね。
独演会の記事も楽しみにまってまーす。
by kikuzou (2007-09-15 14:22) 

ひさびさの“うつぼ姉さん節”に酔いしれました。
ただ“うつぼ姉さん”には申し訳ないのですが、寿輔師匠以外のところは流し読みでして、寿輔師匠のところは4回も5回も読んでしまいました。
まだ寿輔師匠の高座は数回しか聴いていなくて、「地獄めぐり」は初めてでした。おもしろいですねぇ。これは生で聴かなくっちゃと思ったしだいです。
by (2007-09-15 20:23) 

うつぼ

bonheurさん、こんばんは!
寿輔師匠の客いじりは毒蝮三太夫とは全く性質が違いますね。
一見静かで丁寧なんですがよく聴くとネチネチって感じで激しさはありません。
寄席は普段は昼の部と夜の部の入れ替えがないので、12時前から夜の9時までずっと続けてみることもできるんですよ。そうすると漫才やマジック、神楽なども合わせて40組弱出てきますから(そんなにいたらお尻痛くなっちゃいますけど)、一度足を運んでみてください。楽しいと思いますよ。
by うつぼ (2007-09-17 00:14) 

うつぼ

kikuzouさん、こんばんは。
つい観たもの全て書きたくなる性分なので長くなってしまいますが、雰囲気だけでも楽しんでいただければ何よりです。。
>独演会の記事も楽しみにまってまーす。
何とかアップしました。長いのですがどうぞご一読を。
by うつぼ (2007-09-17 00:15) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
>ひさびさの“うつぼ姉さん節”に酔いしれました。
有難うございます。。(涙)
>寿輔師匠以外のところは流し読みでして、
いいんですいいんです。私が全部書きたいだけで途中ダレている部分もありますし。(笑)
地獄めぐりは中年以上の人には笑えますが、若人には出てくるものが古いかな、という感じです。勿論私は確実に笑える年代ですが。(笑)
by うつぼ (2007-09-17 00:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0