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オリンパスシンクル寄席で寿輔&白鳥 [落語・お笑い]

ちょっと古いのですが。。。。 久しぶりに落語記事です。 


台風20号関東上陸か、と言われた10/27の夜、
ラジオデイズ主催の「オリンパスシンクル寄席」に行ってまいりました。
モチロンお目当ては、

 

  

夕方自宅を出ると台風直撃の暴風雨。傘を差してもあまり役に立ちません。
何とか電車で江戸川&中川&荒川を渡り、
三越前から徒歩数分のお江戸日本橋亭へ。

木戸銭を支払い、台風の中やってきたという来場証明書なるものを主催者から頂戴し、
中に入って前から2列目左寄りに座席を確保し座るものの、「ビショビショで冷たい」(;O;)
とはいえ、周りの皆さんも殆ど同じ境遇なので仕方ないのですが。寄席全体が湿っています。(笑)

因みに寄席の入りは6割程度。
ちょっと残念な入りですが、この台風でここまで集まったことがスゴイと思う。。。

開演後、最初に出てきたのは一つ目の柳亭市朗。噺は「たらちね」。
以前、東京オーガニックボーイズの開口一番で出てきたときに見た事がありますが、
その時よりはちょっと上手くなっていたような、、、気がします。 今後に期待ということで。。。

次に出てきたのが、
 三遊亭白鳥
出囃子は「白鳥の湖」なんですが、三味線で奏でられる白鳥の湖、、、結構いけてました。
そして登場した白鳥さんは、上のような地味な出で立ちではなく、
水色で肩から袖口まで二本線の入ったジャージというかサッカーのユニフォームというか
左胸に「2」のワッペンまで貼った状態で(背中にはSWA2の文字が。。。。)

何だこの人は、、、と驚いたのですが、後で調べてみると
白鳥さんは、「SWA」という若手噺家&講談家5人で構成されるグループの№2だそうで、
場内のお客さんも殆どが寿輔師匠よりは白鳥さんお目当て、、、という雰囲気でしたから
人気もすごいんでしょうね。

それにしても、、、、、、、
この世の中に寿輔師匠と同じような方が存在していることに驚きを隠せませんでした。。

更に、寿輔師匠と昔昔亭桃太郎師匠を初めて観た時驚いた話などを話していましたが、
私からみると、「白鳥さんも十分、寿輔師匠に近いニオイがする。。」 そんな感じでした。(笑)

噺は「恋するヘビ女」。 白鳥さんの創作落語ですが凄いタイトルです。。。

主人公は青森に住む11歳のタカシ君。
ある日、久しぶりに叔母さんがやってきた。
といっても、この叔母さん、ヘビ年生まれの42歳で独身、身なりはヘビ柄の服と靴とド派手なお方。
恋に破れる度に青森の実家に帰ってくる叔母さんに、タカシ君は何故か『恋の方程式』を教わり、
(屋上で♪夜明けのスキャット♪を歌っている子は狙える、などと訳の分からないことを教わる)
クラスで大好きなまゆみちゃんに叔母さんの指南どおりにアタックしようとするが、
逆にまゆみちゃんに東京から転校してきた男の子にどうアタックしたらよいか相談されてしまい。。

この作品、元々はSWAの会で新作落語として披露したネタで、
タカシ君が子供から大人になっていく過程を、
三遊亭白鳥「恋するヘビ女」~春風亭昇太「夫婦に乾杯」~、
林家彦いち「臼親父」、柳家喬太郎「明日に架ける橋」 と各々が創作した作品でつないでいく
一連の作品の内の一つとか。

驚いたのは白鳥さんの弾丸のような早口と激しい身振り手振り。

あまりに勢いが凄くて、初めてみる私は唖然としてしまいました。。。

また、年齢が近いせいか、懐かしいネタがチョコチョコ出てくるのがもう可笑しくて、
「チャールズブロンソン(マンダム)」の真似をしようとしたらアニメが思い浮かんでしまい、
思わず「うーん、ガンダム」なんて言ってしまうタカシ君を演じる姿に、
私も含めて場内大爆笑の渦でございました。。。

続いて、お馴染みの♪しゃぼん玉とんだ♪の出囃子とともに
 師匠が登場

白鳥さんの怒涛の勢いに師匠も少々押され気味なのか
「白鳥さんにダメオヤジに似てる、って言われちゃったよ」と苦笑いしながら、
客いじりはいつもよりマイルドでした。 
それでも場内はドッカンドッカン湧いておりましたが私はちょと物足りず。。

今回創作落語、、というテーマだそうで、噺は「地獄めぐり」。                                                                                                  今まで何度か聴いたことのある噺ですが結構好きな噺です。。

 

三途の川を渡って地獄の六道の辻に到着すると、目の前に案内所。   
(船で渡るとき出囃子がオドロオドロシク演奏してくれるのがまた良いのです)                                         「初めてでよく分からないんですが」と尋ねると「何度も来る人はいないね」と案内係。
そして、地獄には様々な施設があるよ、と案内してくれるのですが、それがさすが地獄。

ホテルは、ホテルオークライ、部屋がいつも暗いです。
また、グランドホテル香典返しは部屋に線香の香りが漂っています。
ペンション御通夜はオーナー夫婦がいつも泣いてばかりで、
プラザホテル賽の河原では幽霊のキックボクシングと骸骨ストリップが見られます。
おかまバー、マスターは沖雅也です。                                                                                                ペットショップ、店主は犬神家の一族(犬がミケ(三毛))、                                                                                                       大人のおもちゃ、店主は阿部定。
パンツ専門店、店主は勝新太郎。何でも隠せるパンツがおススメです。
ピーナツ屋、店主は田中角栄、黒ピーナツは一粒1億円でございます。
歯医者の先生は宮田輝。(司会=しかい=歯科医)
寄席、歌丸?近日来演って看板に書いてあるでしょ?

白鳥さんの怒涛の勢いと違ってボソボソネッチリと話す姿に、
白鳥さんファンも大爆笑でワタクシ何故か一安心。(笑)

仲入り後は、またまた
 白鳥さんから

古典が苦手、、と言いながら、

永代橋のたもとで十六文という手頃な値段の五郎八茶碗(一合一尺)に入った酒と、                                                                                                   菜のお浸しや芋の煮ころがしといった簡単なつまみを出している居酒屋に、、、、

と苦手そうにつっかえつっかえ話し始めた白鳥さん。 

「ちょっとたどたどしく話すから古典は苦手なんだろうけど、
ちゃんと“もう半分”なんて古典もやるんじゃないの。」と感心しながら聞いていると、、、

私の考えが甘かったことにスグ気付かされました。

本当の“もう半分”だと、この居酒屋にやってくるのは白髪老人。                                                            ある日、一人でやってきて「お酒を半分ください」と注文します。                                                          お酒を飲み干すと、「もう半分ください」 「もう半分ください」 と半分ずつお代わりし、                                                                                                                   たらふく飲んで機嫌よく帰っていった老人が座っていた席に置かれていた風呂敷包み。                                                                                                                            閉店後に包みに気づいた居酒屋の夫婦、一体何かと中を開けると出てきたのは五十両の大金。                                                                                                                          驚いて老人に返しに行こうとする主人を止めてネコババしようという女房。                                                                                                                          と、さきほどの老人が包みを返してほしいと店に戻ってくる。                                                                                                                                                                                                                                                            あのお金は、商売もうまくいかず女房も亡くして生活に困っていたら                                                                                                                                                                      「これでもう一度商売ができるように」と娘が吉原に行って作ってくれたお金、                                                                                                                     「商売が上手くいって年が明けて私が戻ってくるまでお酒は飲まないで」と                                                                                                                                                                                                                              娘に言われていたのに、この店の前を通ったらどうしても飲みたくなって                                                                                                                                   「半分」「もう半分」と言いながら杯を重ねてしまった、このままだと娘に会わす顔がない、
お願いですから包みを返して下さい、と一生懸命頼む老人だったが、女房は追い返してしまう。                                                                                                                                               亭主は老人を追いかける恨めしそうな顔を亭主に向けながら永代橋から身を投げてしまった。   

老人の金で店を拡げ使用人も雇って店は大繁盛、悠々自適の生活を送る夫婦に子供が産まれ、                                                                 これが玉のような男の子だったらメデタシメデタシとなるところを、                                                                   産まれたのは二目と見られぬような不器量な女の子、頬骨が出て、鼻がツーンと高く、                                                                      生まれたばかりで乱杭歯が生えていて、あの白髪老人に似た赤ん坊だった。
赤ん坊を見たショックで女房は亡くなり、残った亭主は乳母を雇うが、                                                                    雇った乳母全てが一日で「お暇をいただきます」と辞めていってしまう。                                                                                    長く勤めてくれることを条件に雇った乳母でさえ一日で音を上げたので理由を聞くと                                                                                                                                                                                                                                                                                「夜中に赤ん坊が何をするか見れば分かる」と言われ、                                                                                                                                                                                    亭主は夜中に赤ん坊を見張っていると、、、、赤ん坊が行灯の油をすする姿を見た亭主。
吃驚仰天していると、赤ん坊が振り返って「もう半分」と言ってサゲ、、、なのですが、

白鳥さんの落語は、この白髪老人が、何故か ムーミン、という設定。

そして、居酒屋の亭主がスナフキンで女房がミィ。
2人は夫婦という設定で白鳥さんが創作したところ「2人は異父姉弟だからおかしい」と
ミクシイに書き込みされそうで、でも設定は変えません!!と白鳥さんは言っていました。(笑)

金を盗んだスナフキンとミイを恨んで大川(隅田川)に身を落とすムーミン。
そして2人の間に生まれた子供はムーミンそっくりで。。。

という設定にまたもや場内ドッカンドッカン大爆笑の渦。

途中、「今日、ラジオの収録だからこんなことやってても音声じゃ伝わらないのに」と言いながら
ムーミンやフローレンのイラストを懐から出して見せて更に笑いをとっていました。。

創作落語といっても、古典をこうやってアレンジするのも面白いものだなあ、と
余韻に浸っていると、
 再び、ジメジメと師匠の登場です。。

白鳥さんの勢いに圧されて調子が狂ったのか(笑)、前列のオバちゃん1人を軽~くいじったのみで
創作落語の「自殺狂」を始めてしまいました。

主人公はかつてのベストセラー作家、マダラメヤスオ。
今では出す本が全く売れず、返本の山を抱えている。
今や石原真理子にも負けている自分、どうやったら売れる本が書けるんだろうか。

そうだ、昔の作家を真似して自殺すればきっと本は売れるだろう。
自殺のない作家なんて、「クリープのないコーヒー」のようなものだ。
そうだそうだ、じゃ、自殺しちゃおう。
そう思ったマダラメはどうやって自殺するか考える。

肺がんで死ぬのはどーかな、タバコ1本で15秒寿命が縮むというし、
1分で4本、1時間で240本、1ヶ月で・・・、
ダメだ、早死にするほどタバコ買ってたら破産する。
首吊り、、、そうだ、有名な噺家も首吊りが多いな、
じゃ、この一度も読んでない百科事典ブリタニカエンサイクロペディアの上に乗って
首を吊ろう、、、(百科事典を踏み外すと)、、ああ、鴨居が崩れてしまった。。
ガス自殺か、じゃ、栓を開けて、、、ああ苦しくなってきた、何だ外が騒がしいな、
『本日終日工事の為、ガスは止めておりまーす』、なんだってガス出てないの?
飛び降り自殺は、高所恐怖症だから怖いしなあ。
焼身自殺はヤケドの痕が死ぬまで残るからいやだしなあ。

なかなか死ねないマダラメヤスオ。

そうだ、踏み切りに飛び込んで死ねばいいんだ。
最近、中央線が人気あるから行ってみよう、とトンネルに入ると。。。。

ここで舞台の照明が一斉に落ちて真っ暗の中に佇む寿輔師匠。

そして、「あ、これ、セコイ演出だからねと、ぼそり。

線路の枕木の間に横になると向こうから走ってくる電車。

ピィィィーーーーーーーーーーーッツ。

いつの間にか手にしていた笛を吹く寿輔師匠。

これね、ペコちゃんのおまけについていた笛ね」と、再びぼそり。 

電車がくる、あぁー電車に轢かれるー、と思っていたら、
電車はマダラメが横になっていた線路の隣を通過していった。。。。

ああ、やっぱり死ねないなあ。
だめだ死ねないよ、と止む無く帰宅すると口から赤いものを吐いてしまう。
「結核で死ぬのか、、、」と思って病院に行くと。。。。

オチは相変わらずトホホですが、場内大盛り上がりでございました。

白鳥さんという新たなターゲットを見つけたことは喜ばしいこと、
更に、白鳥さんファンにも寿輔師匠を受け容れていただけたのは喜ばしいこと、
と、最初から最後までずっと抱腹絶倒という寄席は初体験だし、
台風の中、お江戸日本橋亭まで足を運んでよかったよ、、、(:_;)と思った
オリンパスシンクル寄席でありました。

 

※因みに今回の寄席での音源がラジオデイズさんのサイトで会員登録すると購入できます。
 ipodに入れて聞くことが出来るので、私も早速購入いたしました。(笑) 
 一席700円でちょっと高いのですが聴き応えがあってオススメです。 


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kikuzou

師匠の客いじりが物足りないとは・・・
ドMなのか、ドSなのか判断迷いますね(笑)
by kikuzou (2007-12-17 05:23) 

>寄席、歌丸?近日来演って・・・

うわっ!ちょっww(笑)
いいねぇ。日本古来の笑いというのは(^^)
そうか。iPodは音楽専用ってわけじゃないものね。寄席を聴くというのもアリか!
by (2007-12-17 12:31) 

うつぼ

kikuzouさん、こんばんは。
ipodの音源を買って(寄席で聞いた四席全て、、奮発しました)改めて聴いたのですが、白鳥さんの怒涛の勢いに少々あっけにとられてしまった感じもしました。そのくらい白鳥さんの喋りが凄いのですが、私自身は師匠を至近距離で観られて、それだけでも満足だったかな。(笑)
by うつぼ (2007-12-17 20:53) 

うつぼ

うたにさん、またまたこんばんは。
歌丸が米丸に変わるときもあるのですが、どちらでも、かもしれません。(笑)
普段は落語用に別の音楽プレーヤーを買ったのでそれで聴いているのですが、今回はipodにしか落とせない音源だったので洋楽とクラシックに混じって寿輔師匠と白鳥さんの落語が聴ける状態です。ちょっと面白いですよ。
by うつぼ (2007-12-17 20:55) 

ta-bo

お久しゅうございます。
いつこのネタが出るかと楽しみにしておりました(笑)
これ行きたかったんだけど、体調が悪くて断念したんです〜。
6割しか入ってなかったのかー。無理しても行けばよかったな。
しかも「地獄めぐり」だなんて。キーッ(笑)
by ta-bo (2007-12-18 00:49) 

うつぼ

ta-boさん、どうもお久しゅう。。。。
落語ネタは書くのに時間がかかってしまい、、いつの間にかこんな時期にアップとなりました。諦めようかと思いつつ師匠のネタは大事にアップしないと、、、と思ったのですが、今回は師匠にウットリ白鳥さんにアゼン、、、という感じでずっと笑いっぱなしでした。地獄めぐりもよございましたよ。
この寄席の音源は4つとも購入して、ipodに入れて通勤時に聞いていますが、車内で不審な笑いを浮かべている危ない状態です。。。
今度また一緒に師匠のご尊顔を拝しにまいりましょう。。
by うつぼ (2007-12-18 21:19) 

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