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映画「ガザの美容室」を観る [映画(か行)]

タイトルが気になって新宿のシネマカリテで鑑賞しました。


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あらすじはYahoo!映画さんより。

パレスチナ自治区、ガザの美容室は、離婚調停中の主婦やヒジャブをかぶった女性、
結婚を控えた若い娘や出産間近の妊婦らでにぎわっていた。
ところが通りの向こうで発砲騒ぎがあり、美容院は孤立してしまう。
極限状態で女性たちは平静を装っていたが、いつしかトラブルになり……。




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面白いか面白くないか、と聞かれたら、正直いって面白いとは思えない映画でした。

自分が客だからと傲慢な態度の中年女性、
ドラッグが手放せず下ネタばかり話す中年女性、
結婚式を控えた娘の髪型を勝手に決めようとする母と義母、
オーナーに雇われている立場でありながら男との別れ話で仕事をしない女、
お客さんがたくさん待っているのに仕事が遅いオーナーの女性、
そのオーナーの言うことを聞きたがらない娘。

その他、敬虔なイスラム教徒の女性、臨月の女性などなど、
女性ばかりが狭い店内に13人、という舞台のような群像劇が繰り広げられます。

自分の主張ばかりする登場人物に途中イラッとしたのですが、
途中から、銃撃戦がお店のドア一枚隔てたところで繰り広げられるという、
私にとっては完全に非日常の世界を感じさせられて、
ニュースで見るものの、詳しく知っているかといわれれば、
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パレスチナからエジプトに偽造パスポートで移動して、、、
という映画をみたので、多少なりとはわかっていたつもりでしたが、
いつ何時何が起きるかわからない、イスラエルの監視で行動も制限される彼らが
そんな環境の中でも、美容室の中では普通におしゃべりしてお化粧して、という
ごく普通の空間が生まれるんだな、と思いました。

外ではヒジャブをかぶらなければいけない彼女たちが、お店の中という空間では、
(脱毛するからなんですが)下着姿だったり、カジュアルな服装だったり、と
そんな光景が少し意外にも思えました。

イスラム政府のほかに、ハマスなどのグループでさらに抑圧された世界に住む彼女たち、
ストレスのたまる中、せめてヒジャブを脱いだときにおしゃれしたいと思う気持ちもわかります。

と、女性たちの身勝手さなどにはちょっとイラつきましたが、
戦争が日常の中で繰り広げられる世界を垣間見られるような作品としては
ほかにない面白さを感じた「ガザの美容室」でありました。


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