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「会社をつぶす経営者の一言」 [本・ゲーム・テレビ]

本屋をぶらぶらしていた時、タイトルを見て買ってしまった本です。 

会社をつぶす経営者の一言 「失言」考現学 (中公新書ラクレ)

会社をつぶす経営者の一言 「失言」考現学 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 村上 信夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: 新書

 

本って装丁もあるでしょうが(これは新書だけど(^_^.))
やはりタイトルで読みたいと思わせる本は凄いですね。
私のような素人さんが見事に引っかかっちゃうわけですから。(笑)





様々な企業の不正・失態の際に経営者が発した「失言」を集めた本で、
全体では6つの章に分かれています。


第一章 「部下、従業員に責任を押しつける経営者」
      
雪印食品(牛肉偽装事件)、船場吉兆(賞味期限と産地偽装事件)
      栗本鐵工所(型枠偽装事件)、赤福(偽装表示事件)

第二章 「世論を敵にまわす『KY』発言」
      
長崎屋尼崎店(火災事件)、京都教育大学(集団女性暴行事件)
      伊藤ハム(シアン化合物検出)、渋谷温泉施設シエスパ(爆発事件)

第三章 「『殿』を守って会社をつぶす」
      
パロマ(ガス瞬間湯沸かし器中毒事故)、日本ハム(牛肉偽装事件)
      三菱自動車(欠陥車隠し事件)、西武鉄道(利益供与、虚偽記載事件)

第四章 「『本音』むき出しの、居直り会見」
      
船場吉兆(食品偽装事件)、丸明(飛騨牛偽装事件)
      東横イン(不正改造問題)、三笠フーズ(事故米転売事件)
      東京福祉大学(総長強制わいせつ事件)

第五章 「火に油を注ぐ、あんまりな一言」
      
雪印乳業(集団中毒事件)、JR西日本(福知山線脱線事故)
      不二家(期限切れ原材料使用問題)

第六章 「あっぱれ見事な記者会見」
      
石屋製菓(「白い恋人」賞味期限偽装事件)
      石原プロ(『西部警察2003』ロケ車暴走事故)
      野村證券(社員インサイダー取引事件)、旭化成(レオナ工場火災)


 

本の序章に出てくるのが「私は寝てないんだ」というフレーズなのですが、
これは随分時間が経った事件とはいえ、私も覚えているので思わず苦笑。

人間、窮地に陥ると正常な思考が出来なくなる上に、
しつこいマスコミを何とかしようとして発してしまった言葉だと思いますが、
この一言で一気に地に堕ちてしまった感もありますね。



殆どの事例を「あー、それねー、覚えてる覚えてる」と思いながら読みましたが
マスコミもこれらの事例の殆どを正義感たっぷりに叩きまくっていたというかで
私の記憶にも残っているんだろうな、なんて思いました。


昨今のマスコミの騒ぎ方はどうも好きではありませんが、
(持ち上げたかと思ったら手のひらを返したように叩いたり、、、とか)
モチロン企業の不祥事はよろしくないわけで、
こういう時こそ経営トップの力量が問われるのかもしれません。

取り上げられていた事例で、なるほどなあ、と思ったのは第六章に出てくる旭化成で、
事故発生から間もなくして記者会見を開いて分かる範囲で情報公開したり、
その後も頻繁にマスコミへ情報を発表しながら近隣住民にも配慮したことが
企業の真摯な姿勢として評価されたこと、火災を発生させた当事者ではあるもの、
その非を長々問われることがなかった、というのは経営者の判断とか企業としての
社会的責任についての考え方とか、至極真っ当なことをしたまでなのでしょうが、
緊急時に意外とそういうことが出来ない企業の方が多いのかもしれませんね。


自分の非を問われたくない、何とか隠し通せると思って保身に走る余り、
嘘をついてしまう、、これは一番よくないことですが、
自分の勤務先で、もし企業として責任を問われるようなことが起きてしまった場合、
どうやって経営者は世間に対して説明するのか、そんなことも考えさせられた本でした。


著書自体は過去の事例を分類羅列、、、という感もありますし、
企業の危機管理の為の指南本、、、ともいえるほどではありませんが
随所に笑いどころもあったりするので(船場吉兆のササヤキ女将とか)
あまり肩肘張らずにさらっと読めるという点では、通勤時などの一冊にはよさそうな
「会社をつぶす経営者の一言」でありました。


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コメント 12

おろ・おろし

追補版には、
某元国営航空会社を・・・。

続編として、
「落選した候補者の一言」を・・・。
by おろ・おろし (2010-07-09 19:22) 

wakame

タイトルを見て、思わず手にとってしまう本って、私も凄いと思います。
そしてコレ、面白そうですね(^^*)

うつぼさんの説明に目を通した感じでは、あー、こんなのあったあった。。
と思い出しましたが、もう殆ど忘れかけて今でも普通に買っているものが沢山。。汗


by wakame (2010-07-10 03:04) 

ベアトラック

ありましたねぇ、いろんな事件にまつわる暴言、失言の数々・・・
経営者の資質や考え方、人間性がよく出るものだと痛感しましたよ。
by ベアトラック (2010-07-10 10:25) 

krause

この本は、私も気に掛かっていました。
「それを言っちゃあ、おしまいよ。」、言葉には気をつけなければなりませんね^^。
by krause (2010-07-10 17:31) 

lovin

言葉ってほんと、気をつけないといけないですね~~。
思わず口走って。。。
気をつけよう。。
by lovin (2010-07-11 17:03) 

うつぼ

おろ・おろしさん、こんにちは。
こういう内容なら続編も作れそうですね。
失敗しても、その後どうやってリカバリーするか、その対処の
仕方で好意的に思われるか叩かれるか、、、分かれますね。
経営者は保身に回ってはいけない、と思いました。。
by うつぼ (2010-07-11 18:57) 

うつぼ

wakameさん、こんにちは。
日本のマスコミって持ち上げたかと思えば突き落とし、
騒ぐだけ騒いで結局どうなったのか尻切れトンボ、なんて
こともありますよね。
熱しやすくさめやすい日本人気質に合っているのかも
しれませんが、今これらの会社も心機一転でしょうから
商品を買っても問題はないと思いますよ。
私は手に取りながらしつこく思い出しそうですが。(笑)
by うつぼ (2010-07-11 19:00) 

うつぼ

ベアトラック兄さん、こんにちは。
世間から叩かれるケースって、経営者が自分の身を
守ろうとしてウソをついたり隠蔽しようとしたりすることが
多いですよね。
自分はさておき、周囲の方々へのお詫びから始めないと
こうやって後々まで本にされちゃうんですよね。(^_^;)
by うつぼ (2010-07-11 19:03) 

うつぼ

krauseさん、こんにちは。
確かに、テレビなどで記者会見を見ると
それをいっちゃあ、おしまいよ。私も思います。(笑)
企業の経営者としての責任、よいときだけでなく、
緊急事態の時も忘れないでほしいものですね。
by うつぼ (2010-07-11 19:05) 

うつぼ

lovin姐さん、こんにちは。
経営者になると電波に乗るのでなおさら気をつけないと、
ですが、私たちも気をつけないと、、、ですね。(^_^;)
by うつぼ (2010-07-11 19:08) 

へろーめ

私も社長運は良くないようでw

かつて「給料を上げてくださいよ!」と言ったら

「お前らの給料を上げる位なら税金を払う!」
と社長に返された事があります。
おかげで逃げられた時に覚悟が出来てましたw
「有ると思いました!」
by へろーめ (2010-07-13 16:46) 

うつぼ

へろーめ兄さん、こんばんは。
税金払うなら給料上げたほうが社員のモチベーションが
高くなっていいと思うけどなー。。。
でも逃げられちゃったんだ。。。合掌。。。。
by うつぼ (2010-07-16 21:09) 

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