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「JAL崩壊」を読む [本・ゲーム・テレビ]

タイトルを見て思わず平積み状態から一冊手にとって買ってしまいました。。。

JAL崩壊 (文春新書)

JAL崩壊 (文春新書)

  • 作者: 日本航空・グループ2010
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 新書

だって、こういうタイトル、気になるじゃあーりませんか。ねぇ。。




作者の「日本航空・グループ2010」というのは、
日本航空の現役・OBを含めた、チーフパーサー、パーサー、スチュワーデスなど
複数の客室乗務員のグループ、だそうです。




本は、5つの章で構成されています。

第一章「悪夢の始まりはJASとの合併」

第二章「わがままパイロットの[金・女・組合]」

第三章「負け犬スッチーと魔女の館」

第四章「うるさいうるさいうるさい客」

第五章「労働組合は裁判がお好き」

 





結構さらさらと読めてしまいます。 



内容が薄いのか既にあちこちで報じられている内容で
新たに知ってびっくり!!!!的な情報がなかった、、と思いましたが、


一番感じたのは、

作者のグループはこの本を書くことによってどうしたかったのか、
この本を世に出すことで世間が関心を持つことだけで十分なのか、
世論の動きが大きくなって政府~会社まで動かすことを願ったのか、

意図がよく分からなかったということです。

書き方が全体的に愚痴っぽいのも、
業後に赤提灯でお酒呑みながら会社の悪口を言っている、
そういう悪口の延長線上にあるような気がしました。




私も、勤務先に何から何まで満足しているわけじゃないし、
そりゃ、時には不満もあったりします。


それは企業に勤める人なら多かれ少なかれそうではないかと思っています。


誰だって自分は正しい、他の人が間違っている、と思いがち。

この本は、自分たちは正しいのに、
経営陣、お局マネジャー達、パイロット、旧JAS、会社に楯突く組合、、、
これらがみんな諸悪の根源で間違っている、
乱暴に言ってしまえば、ただそう言いたかっただけ?と思いました。




私の勤務先には、JALの法人営業の担当が時折訪問してくるのですが
先日この本の話題を振ったら「え?うつぼさん、読まれたんですか??」と
担当の若い男性が一瞬不安そうな顔をしたので、
上に書いたような感想を伝えたらほっとされました。。。。(^_^;)

私が就職するころのJALはNTTや総合商社などと肩を並べる人気企業でしたが、
彼が入社したころは経営悪化で人気企業ランキングから脱落していたころ、
それでも、会社をどう良くするか盛り立てるか、
まだまだ微力な彼なりに一生懸命考えている姿を見ると
企業が真摯な態度で再生しなければいけないときに、
こういう本を上梓する作者の皆さんの意図はなんでしょう。。。。

会社にとってのネガティブイメージを植えつける為、ではなく、
再生の為に必要だと願ったからこそ、なのか、と推測しつつ、、、、、
でも、内容はやっぱりネガティブにしか思えないし、
読んだ人の中には「JALは危ない会社だから乗らない」なんて人、
いるんじゃないかしら、と思ったり。。。




書いている内容がウソだとは思わないのですが、
JASを積極的に合併していなければ今でもJALは安泰だったのか、といえば、
過去の驕りをそのまま続けていればいずれ傾いていったと思いますし、
だらしないパイロットやお局魔女の乗務員は全体からみてどの程度いるのか、
半分以上いたら吃驚仰天ですが、一握りだったら他の方々は気の毒だと思います。


負け犬スッチー、、、という表現もちょっと。。。それぢゃ、私も負け犬になっちゃうし。(笑)

傍若無人に振舞う客、、これもどの程度の割合で発生しているんでしょうね。

米系のように場合によっては迷惑客発生時は引き返し、降機後逮捕、、、
なんてことがなかなかない日系、日本語が通じて気が大きくなる客も多いでしょうし
しかも「私は長年JALに乗っている上客だ!」という勘違い客も多いでしょうし、
と想像はできるのですが、自分が乗っていてトンデモひどい客、遭遇したことないし
(ずーずーしい客とかうるさい子供とかは見たことあるけど)
発生の頻度が気になりました。。。。

 

 




こんなことをつらつら書いてますが、実は明日からJALに乗って遠くへ出張です。


JAL大好きの上司と違って私自身はそこまでJALに思い入れはないし、
別に外資系で移動でもかまわないのですが
この本を読んだからといってJALには乗らない!というつもりもないし、
必要に応じては利用させてもらおうという気持ちには変わりがなく、
なるべく乗りながら企業再生のお手伝いができれば、、
なんて気持ちにもなった「JAL崩壊」でありました。。

買ってまで読むほどじゃないのですが、
ご興味のある方は図書館などでどうぞ~。(^^)


タグ:JAL
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ばん

安全性を高めてくれる様な本であれば
買ってみたいと思いますが、
多分買わないし読まないでしょう。
by ばん (2010-06-22 21:54) 

おろ・おろし

JAL関係者にとっては、傷口に塩をすり込むような感じですね。

姪っ子が、JALウェイズのCAをしているので、なんとか再生してほしいと
思ってます。

以前読んだ、こちらの記事は、なるほどと思いました。
 ↓
河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学
ANA客室乗務員は見た! JAL全盛期の“光”と“影”
(日経ビジネスオンライン, 2010/01/28)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100126/212433/
by おろ・おろし (2010-06-22 22:09) 

うつぼ

ばんさん、おはようございます。
安全一番なのですが、身内の悪い点を暴露して終わってしまった
感がありました。
現場で一生懸命働く人もいる一方で、こういう本に携わる人もいて
残念です。。
by うつぼ (2010-06-23 06:38) 

うつぼ

おろ・おろしさん、おはようございます。
これを書いたことで作者の皆さんはすっきり、かもしれませんが
それ以外の人はもやもやしてしまうのでは?なんて思いました。
リンクを張っていただいた記事、ちょっと読んでみましたが
こういう書き方であれば、なるほどね、、と思いますねぇ。。
by うつぼ (2010-06-23 06:42) 

空のたび

はじめまして。
私も機会があり、本を読みましたが、
うつぼさん同様の意見です。

本を書いた方々は自分はズレていないと思っているのでしょうが、
ある意味ズレている、と感じました。

また、出版社の品格を疑いました。
売れればいいや、という意識なのでしょう。
がっかりでした。

by 空のたび (2010-06-23 23:26) 

うつぼ

空のたびさん、こんばんは&はじめまして。
発売元が文春なので、新書とはいえわからないでもないのですが
仰るとおり、作者の方々のズレ加減にはびっくりですが、
タイトルの割にさほど話題にもならなかったことを考えると、
それでよかったなあなんて思います。
by うつぼ (2010-06-24 03:19) 

krause

ちょっぴり残念な内容の本ですね。トヨタにしてもJALにしても、これらの会社に反省点がまったくなかったかというと、それはナゾですが、これから良くしていくという気持ちがあれば、微力ながら応援したいと思います。
by krause (2010-06-24 04:55) 

うつぼ

krauseさん、こんばんは。
こういう内容を暴露したいなら、今後に光が見えるような書き方にして
ほしいものですね。。それが残念で。。。。
昨日乗ったJL便、サービス内容の低下は否めませんでしたが、
乗務員の方々は一生懸命働いていらっしゃいましたし、微力ながら
私も応援したいと思っています。。。
by うつぼ (2010-06-24 21:40) 

lovin

大会社の中にいると、
なんか、勘違い?
自分もその会社の一員だろ?ってことを忘れて会社の悪口を言いがち。。かも。(汗)
そんな感じの本だったのですね。


by lovin (2010-06-26 19:01) 

うつぼ

lovin姐さん、こんにちは。
確かに会社が大きいと勘違いする人、いるかもしれませんね。
私も会社の悪口、、、たまに言いたくなりますが、こういう形で書くのは
よろしくありませんよねぇ。。。。
by うつぼ (2010-06-27 18:38) 

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