SSブログ

ウェンディ・ニールセンを聴く [音楽・コンサート]

ウェンディ・ニールセンのコンサートで武蔵野市民文化会館へ。
 オペラ歌手(ソプラノ)です

ウェンディ・ニールセンは、1996年にNYメトロポリタンオペラにデビューしたソプラノ歌手で
今まで「カルメン」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」などの多くの演目に出演しています。
といっても、私自身は全く彼女のことを存じ上げないのですが。。。。
今回は、同僚が「メトロポリタンオペラのソプラノ歌手だから行こうよ」と誘ってくれたので
あまり事情を把握しないまま「うん」と返事をしていました。。。

チケット代、2000円だし。(笑)

そんな訳で、仕事の後、はるばる三鷹まで足を運びました。 
大混雑でギュウギュウの中央線に乗って三鷹まで行き、そこからタクシー。

しかし、何故、武蔵野市民文化会館でコンサートなのでしょうか。

ここのホール、他にも海外のオペラ歌手のコンサートをちょくちょく開催しているみたいだし、
何か強いパイプでもあるのかしら、などと思いながら中に入ると、
小ホール474席分は完売御礼で満席。 
観客は浅草演芸ホールに来たかと見紛うほど山盛りのシルバーばかりで
私など若いカテゴリーに入ってしまいそう。。。。。

開演直前に流れるアナウンスでも、携帯は電源を切るかマナーモードで、の後に
シルバー向けの丁寧なお願いが流れました。

「補聴器をお使いの方は、正しい方法で装着なさって下さい」

要は、ちゃんと着けないと良い音楽が聴こえないよ、ということか。

更に、驚きのアナウンス。

「本日、ウェンディ・ニールセンは風邪の為、万全の体調ではございませんが、
万難を排して演奏いたしますので予めご了解下さい。」

風邪引いているの???

はるばるやってきた三鷹でガッカリして、遥か遠くの自宅にションボリ帰るのは嫌だなあ、
と思っていたところで19時過ぎに開演。

第一部は比較的軽めの感じの曲で構成されていました。

・W.A.モーツァルト : ラウラに寄せる夕べの思い K.523
             : ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K.520
             : 寂しい森の中で K.308
             : クローエに寄す K.524

・A.ドヴォルザーク : 『8つの愛の歌』 op.83
               -おお、私たちの愛は幸せではない
               -死は多くの人の心をとらえる
               -あの人の家のあたりをさまよい
               -私は甘い憧れにひたることを知っている
               -この地にさわやかな西風が吹き
               -せせらぎに沿った森で
               -お前のやさしい眼差しに魅せられ
               -おお、ただひとりの愛しい女よ

・W.A.モーツァルト : レチタティーヴォ「どうしてあなたが忘れられましょう」
              アリア「心配しないで、愛する人よ」 K.505

風邪引きと聞いて心配していましたが、全然気になりませんでした。
最後のアリアなども声量が大きくなるにつれ、私も吸い寄せられるような気分。。。。

休憩後の第二部は、ちょっとした企画的構成。

『月に寄せる歌』
 ・G.フォーレ       : 白い月影は森を照らし op.61-3
 ・R.シューマン      : 月の夜 op.39-5 
 ・F.プーランク      : 4月の月
 ・P.I.チャイコフスキー : この月夜に op.73-3
 ・A.ドヴォルザーク   : 月に寄せる歌 (歌劇「ルサカ」より)

月ひとつとっても作曲家によってイメージがこれほど変わるんだなあ、
などと感心しながら聴いた後は、現代音楽へ。

『ビートルズ・ナンバー』
 ・イエスタデイ(フォーレ風に)
 ・悲しみはぶっとばせ(パーセル風に)
 ・ミッシェル(ラヴェル風に)
 ・涙の乗車券(ヘンデル風に)

ヘンデル風というのが一番分かりやすかったのですが、
ビートルズも編曲によってオペラ風に生まれ変わるというのが非常に面白く。

そして、最後にプッチーニの歌劇『トスカ』から「歌に生き、恋に生き」を歌う予定でしたが、
風邪で多分声が出ないのでしょう(後半は少々ハスキーになっていたし)、
本人がお詫びを言いながら代わりに出身地カナダの歌(民謡?)を歌って終了。

プッチーニを聴けないのは残念でしたが、周りの観客のおばあちゃん達が
「仕方ないわよ、人間だもの」と何だか「あいだみつを」のようなことを言っていたし
休憩込みで2時間近くと非常に充実していて、とても2000円とは思えぬ内容だったし、
体調不良とはいえやはりメトロポリタンオペラに出演するほどの実力の持ち主だと実感して
三鷹まで足を運んでよかったよかった、と、思いつつ、
主催の武蔵野文化事業団には感謝感謝、誘ってくれた同僚にも感謝感謝の
ウェンディ・ニールセンコンサートでありました。


nice!(3)  コメント(8)  トラックバック(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 3

コメント 8

堀越ヨッシー

「仕方ないわよ、人間だもの」...そりゃそーだ!(爆笑)
いやー、良い事言うなー、おばあちゃん(^皿^)
 
ウェンディさんをよく存じ上げないのであれなんですが、どうやら一流どころの方のようですし、そんな方の歌を2000円で聴けたってのは、やっぱりお得だったんじゃないですかね。
by 堀越ヨッシー (2007-04-26 07:53) 

Kayoko

>「仕方ないわよ、人間だもの」
おばあちゃん、伊達に長生きしてないですね(笑)
トイレのカレンダーに書いてあるより、よほど説得力があります。
by Kayoko (2007-04-26 08:27) 

2000円で聴けるって、なかなかないですよね。
声楽家さんは、体調がまともにはね返るから大変ですね。
注射打って・・・とかいうわけにしかないですものね。
さすがプロ、聴かせられるあたりすごいです。
by (2007-04-26 13:50) 

2000円のコンサートとはリーズナブルですね。それにしてもオペラ歌手が風邪とは・・・。人間だから風邪ひくこともあるでしょうねぇ。仕方ないですね。お疲れ様でした。
by (2007-04-26 16:33) 

うつぼ

堀越ヨッシーさん、こんばんは。
>人間だもの
おばちゃん、しみじみ言ってましたよ。(笑)
同僚曰く、武蔵野市は資金も潤沢にあるから文化都市、とか。
多分、近隣の方ばかりだったからかなーなんて思いました。
それにしても2000円でこれまで堪能できることってないと思いますよ。
今回は本当にラッキーだと思いました。
by うつぼ (2007-04-26 21:48) 

うつぼ

Mimikoさん、こんばんは。
確かに、だてに長生きしている感じじゃないおばあちゃんでした。(笑)
あいだみつを、会社近くにある居酒屋のトイレにカレンダーがかけてあって入るたびに気になっているせいか、今回のおばあちゃん発言にも敏感に反応しました。。。(笑)
by うつぼ (2007-04-26 21:52) 

うつぼ

浦島太郎さん、こんばんは、
器楽と違って声楽ははっきり影響が出てしまいがちですが、さすがプロなので最後の曲以外は非常にしっかり歌っていました。
今回は本当に2000円でいいのかな、という内容でしたよ。
by うつぼ (2007-04-26 21:57) 

うつぼ

cocoa051さん、こんばんは。
今回は本当にリーズナブルに楽しめました。海外から来る方は気候の変化で体調崩されたりすることあるんでしょうね。ロックと違ってマイクが無い分(観客も百分の一って感じで少ないですし)、テキメンに観客にはねかえってきますから大変だなー、と思いましたよ。
by うつぼ (2007-04-26 21:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2