木村大のコンサートに行く [音楽・コンサート]
久しぶりに木村大のギター・リサイタルを聴きに紀尾井ホールへ。
(といっても12月7日の話でちょっと古いのですが・・・)
お会いするのは1年ぶり
通常、ホール入口でチケットを切ってもらうとプログラムが手渡されるのに
今回はプログラムが無い。
あれ?
と、ホール奥のCD販売コーナーで
「木村大、デビュー7周年記念のプログラムです。
プライベート写真も沢山掲載されていますので、この機会に是非お求め下さい」
と係の方が大きな声で宣伝していました。
観客は既にチケット代(伍阡圓也)を支払っているのだし、
ガリ版刷りのペラ1枚でもいいから、演奏曲目くらい無料で配ればいいのに。
と思いながら、仕方ないので購入。
これ。 壱阡圓也。
うーん。
熱烈ファンというわけでもないし写真とかあまり興味ないんだけどなあ。
ロックやミュージカルなら分からなくもないのですが、
クラシックでこういうプログラムを販売するというのがどうも解せない。。。
そんな気持ちのままホール内に入って着席すると、7~8割くらいの入り。
今まで行ったコンサートでは毎回(ほぼ)満席だったのに空席が気になります。
19時ちょっと過ぎに開演。 第一部はイギリスに関連する曲で構成されていて、
1.ユア・ソング~僕の歌は君の歌(エルトン・ジョン)
2.アメイジング・グレイス(スコットランド民謡)
3.グリーン・スリーブス(イングランド民謡)
4.ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
5.カヴァティーナ~映画「ディアハンター」のテーマ(スタンリー・マイヤーズ)
6.エリザベス女王のガリアード(宮廷舞踊)(ジョン・ダウランド)
7.イギリス組曲(ジョン・デュアード)
トークを挟みつつ約50分。
休憩後の第二部は、イギリス以外の様々な国に関連する曲で、
8.レッティング・ゴー(アンドリュー・ヨーク)
9.薄曇の日曜の朝に(アンドリュー・ヨーク)
10.ムーンタン(アンドリュー・ヨーク)
11.コユンババ(カルロ・ドメニコーニ)
アンコールは、イギリスの民謡と「サンバースト(アンドリュー・ヨーク)」の2曲。アンドリュー・ヨークと家族ぐるみの付き合いが長いせいか、後半は殆どが彼の作品。
ヨーク作品の演奏は↓のCDで聴けます。
- アーティスト: 木村大, ヴィラ=ロボス, ヨーク(アンドリュー), イルマル(イルジー), ディアンス(ローラン)
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2000/10/18
- メディア: CD
第二部の途中から爪が割れて大変だったようですが、
何とか最後まで弾ききった感じでした。
いつも曲の間にトークを挟む木村さんですが、今回は思ったよりトークが長く、
にも関わらずトーク、アンコール含めて2時間というのは
一般的なギターリサイタルにしては短め。
もう少しじっくりギターの音に集中してほしいような、少々残念な気分です。
また、第一部のポップス、イギリス民謡はゆったり弾きつつも、
じっくり「聴かせる」というには少々物足りず、聴いていて今ひとつピンと来ませんでした。
第二部は、お馴染みの曲も多かったのですが、
これも今まで聴いていた感じと異なり何となくしっくり来なかったような。。。。
どこがどう違うというと明確にはいえないのですが、
17歳デビュー当時の若さ溢れるひたすら早弾きというスタンスから、
2年間のイギリス留学を経て大人になった分、
情感も込めてしっとり弾こうとしているようにも見える一方で、
過渡期とでもいうのでしょうか、若干どっちつかずの印象も否めませんでした。
このままの演奏(状態)が続くのであれば、
彼のコンサートにはもう足を運ばなくなるかも、、、という懸念もあったりして。
とはいえ、トルコ南西部の入り江(コユンババ)にまつわる伝説や題材をもとに
作曲された「コユンババ」だけは、目を閉じて不思議な旋律を聴いていると
遥か遠くの地に自分が立っているような感覚になるほど素晴らしい演奏だったので
ほっとしましたが。。。。
ギタリストの中で私が一番好きな山下和仁さんも、
年と共に円熟味が増し、音色が更に更に味わい深くなっていったので、
デビュー当時から木村さんのコンサートでの演奏を聴いているだけに
年を重ねるにつれてもっと深い音色を奏でてほしいものだな、
と今後に期待したいとしみじみ思ったうリサイタルでありました。
天才ギターリストと呼んだ方もいらしたのですが、うつぼさん評を読んで、あれっ、どうしたんだろうと思ってしまいました。過渡期なのでしょうか。
by (2006-12-22 20:01)
cocoa051さん、おはようございます。
私も今回はあれあれ?という感じでした。ギターの調弦の問題なのかとも思ったのですが、やはり過渡期なのかもしれませんね。
長い目で見たほうがよいのかな、とも思ったりして。
同じように若い頃から村治佳織さんも見ているんですが堅実で着実に成長しているだけに、木村さんにも頑張ってほしいものです。
by うつぼ (2006-12-23 09:33)