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「風が強く吹いている」を読む [本・ゲーム・テレビ]

そんな訳で、酒のニオイがしない記事第二弾です。




会社先輩(50代半ば)に「よかったら読んでみて・・・・」と渡された本です。

風が強く吹いている

風が強く吹いている

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09/21
  • メディア: 単行本

思わず先輩&50代の職場のオジサン2人とも泣いてしまったそうで、
涙腺の弱い私も泣けるかしら、、、なんて読んでみました。


 

竹青荘(通称アオタケ)に住む寛政大学生10名、

 ①清瀬灰ニ(ハイジ)
   竹青荘のリーダー的存在で4年生。
   高校時代に故障してから競技から遠ざかっていたが
   メンバーを集めて箱根を目指そうと言い出した張本人。

 ②蔵原走(かける)
   高校時代陸上部で指導方法に納得できずに監督と衝突して退部、
   親に反発して陸上競技が全く強くない寛政大学に入学したての1年生。

 ③④ジョージとジョータ
   走と同じく入学したての双子1年生。

 ⑤ムサ
   理工学部で学ぶアフリカからの国費留学生。

 ⑥王子
   ボロアパートの部屋中が漫画で一杯の漫画好き。

 ⑦ニコちゃん
   留年を重ねて6年間在学しているヘビースモーカー。

 ⑧神童
   ど田舎の故郷で神童と言われていたが今や普通の大学生。

 ⑨キング
   クイズ番組が大好き。

 ⑩ユキ
   在学中に司法試験に合格した秀才。

   
この10人が箱根を目指して一生懸命練習して本選まで進み
シード権を獲得するまでの物語。


 

かいつまんで書けばこんな話です。

こうやって書くと「ありえねー!」としか思えないのですが、
なかなかどうして本選に進むまでがうまく書かれていて抵抗無く読むことができました。


万引きして逃げる走のフォームを銭湯帰りに見かけたハイジ、
そのまま走を追いかけて、竹青荘に住もうと誘ったことから話が始まるのですが、

走が竹青荘に入居 
     ↓
入居者が10名になる
     ↓
箱根駅伝の出場選手は1チーム10名
     ↓
ハイジが入居者に出場しようと提案
     ↓
一部ぐずるメンバーを抱えながら練習開始
     ↓
記録会に出ながら練習を続ける
     ↓
近所の商店街の協力の下、強化合宿を行い
     ↓
予選会に出場、ギリギリのところで通過
     ↓
本選まで練習するがメンバー同士の不協和音が発生するも和解
     ↓
緊張の中、お正月の本選
     ↓
シード権獲得!!


こんな感じのざっとした流れの中でも、
本選にいたるまでが300ページと長くて「い、いつ、正月の本選になるんだ・・・」と
心挫けそうになったのですが、本選のところからは200ページ一気読み。(^^)

途中まで上がった順位がグーンと下がり、再び上がり、、、で
各々のメンバーの走っている様子、心理の描写が面白くアッというまに読めました。

メンバー各々の性格と能力をうまく配置したハイジの作戦もよかったとはいえ、
何故苦しいのに走るのか、苦しくても走り続けたいと思う各メンバーの気持ち、
メンバーが走る様子を小さい携帯テレビで観ながら適切に指示を出すハイジ、
それを監督車に乗りながら選手に伝える監督(←陸上に知識なしの大家)。

高校最後の陸上競技大会に出られなかった原因は走の不祥事にあると
記録会などで会う度、走に対して執拗にイヤな態度で接してくる元同級生の榊、
箱根駅伝で毎年優勝している強豪校の主将、藤岡、
ハイジの指示以外にも味のあるコメントをメンバーに送り続ける大家、
商店街の八百屋の娘、葉菜子、など脇を固めるキャラクターも個性的で面白く。

私自身は走るのが苦手で(高校のマラソン大会なんてホント、イヤでした(-_-;))
この本を読んだからといって今すぐ私も走りたい!とは思えませんでしたが、
箱根をひたすら前へ前へと走り続けるメンバーの描写を読みながら
いつもテレビで観ている駅伝の風景を思い出し、相乗効果でじーんときました。。

彼らの順位が上がったり下がったりに一喜一憂、
メンバー同士の心の交流にほんわかした気持ちになり、
陸上馬鹿の走が走ることへの喜びを感じながら同じ区間を走った藤岡に競り勝ち
アンカーのハイジが痛む古傷を抱えながら、全力を出し切って走る姿を思い浮かべて
涙腺が緩む私でございました。。。。


現実的に有り得ないんだろうな、と心のどこかで思いつつも、
こういう世界が現実にあったら素敵だろうな、と読み終わった後に
ほんわかした気持ちになれた「風が強く吹いている」でありました。


風が強く吹いている 1 (ヤングジャンプコミックス)

風が強く吹いている 1 (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/03/19
  • メディア: コミック

この著書、漫画にもなってるんですねぇ。。 
ま、これは多分読まないと思いますが。。。

風が強く吹いている スペシャルエディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD


これはレンタルで観ようと思いまっす。(^^)


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コメント 11

krause

題名も素敵ですし、内容も面白そうですね^^。
by krause (2010-03-13 18:15) 

かうぞう

三浦しをんさんは、文楽の世界を舞台にした「仏果を得ず」と、林業の
世界に飛び込まされてしまった若者の「神去なあなあ日常」と2冊
読んだのですが、どちらもその独特の世界がうまく描かれていて
おもしろかったので、この一筋縄ではいかない駅伝モノのこの本も
やっぱり読んでみようっと。

by かうぞう (2010-03-13 19:32) 

lovin

姐さん、酒飲んでばかりでなく、
ちゃーんと本も読まれていて、さすがです。。
読んでる途中の本がぁ~~、今止まってます。。(泣)
by lovin (2010-03-14 08:59) 

うつぼ

krauseさん、こんにちは。
どうして駅伝で風なんだろう、、と思ったのですが、本選のところでやっと
分かりました。。読んだ後の爽快感、おススメですよ。(^^)
by うつぼ (2010-03-14 11:19) 

うつぼ

かうぞう姐さん、こんにちは。
駅伝はテレビで観るだけの私でも分かりやすく書いてあって
本選まで長くても飽きずに読めました。おススメです。(^^)
私も姐さんが挙げた2冊、既に読んでいる先輩に借りてみようかと思います。
by うつぼ (2010-03-14 11:24) 

うつぼ

lovin姐さん、こんにちは。
ええ、酒びたりはいけないので最近本も読むようになりました。
とはいえ、何冊かの本を並行して読む性格なので、読んで途中の本は
まだいろいろとございます。(^_^;)
by うつぼ (2010-03-14 11:25) 

satokot

この本おもしろそう!いきいきとした個性的なキャラクターが飛び跳ねているような印象をもちました。
現実にある話ではないでしょうけど、私はきっちりと練られたフィクションが好きなタイプなので合いそうな気がします。でもこの頃本を読むヒマがないのが悩ましいです・・・。
by satokot (2010-03-17 12:57) 

うつぼ

satokotさん、こんばんは。
私の書き方がイマイチなんですが、各々のキャラクターを想像しながら
楽しく読める本です。なかなかお時間ないかもしれませんが、ゼヒ。(^^)
by うつぼ (2010-03-17 22:36) 

へろーめ

これ映画になってますよねぇ。
私もレンタルで見よう!
by へろーめ (2010-03-17 23:05) 

うつぼ

へろーめ兄さん、おはようございます。
レンタルは4月初旬くらいからのようです。。。
原作読んですぐ映画が見られないもどかしさもありますが楽しみです。(^^)
by うつぼ (2010-03-18 06:49) 

うっしい

この本は私の大好きな本の1つです。箱根駅伝も地元茅ヶ崎で毎年観戦してますし、先日は予選会の行われる立川の同じコースでハーフマラソンを走って来ました。
by うっしい (2010-03-20 23:14) 

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