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寿輔の「釣りの酒」 [落語・お笑い]

8月上席夜の部の浅草演芸ホールへ。

寿輔師匠、残暑御見舞い申し上げます。

18時半に到着し、中に入ると多くても4割くらいの入り。ちょっと少なめ。

最初に見たのはWモアモア 
寄席に行く度に見かける常連のおじさん、今回も左側の最前列に陣取り、
ペンライトを振りかざし、舞台に向かって突っ込みを入れていたのですが、
Wモアモアの2人もさすがに毎日のことで呆れている様子、
「おじさんの言うことにいちいち答えてらんないよ、黙んなさいよ」と言いながら
何とか一通り漫才をこなして終了。
このおじさん、Wモアモアが言うには豆腐屋さんらしいのですが、
私が見かけるときはいつも酔っ払い状態で同じ席に陣取り、
突っ込みがしつこいので、もう少し真面目に観てほしいもんだなあ、と思ったりして。


 続く三遊亭遊三は「青菜」。前々回聞いた噺。

植木屋が、作業していた家の主人から鯉の洗いや柳影(酒)をご馳走になる。                                                                                                                                                                                           次に青菜を出すように言う主人に「鞍馬山から牛若丸が出でまして、その名を九郎判官」と
と隠し言葉を使って食べてしまったことを伝える奥方。
それに対して主人が「義経にしておけ」と同じく隠し言葉を使って「よしとけ」と言う。                                                                                               植木屋も隠し言葉を使った会話を一間しかない自分の家で試そうとするが。。。

酒好きの私なのでお酒絡みの噺は飽きずに楽しく聞けます。

仲入り後は、
三笑亭恋生から
前回は、「鶴はなぜツルというのか」と聞かれた隠居が苦心しながら説明する噺、
今回は魚(鯛、鮫、うつぼ、鯵等)の名前の由来を必死に答える隠居の噺。
夢丸師匠のお弟子さんでまだ二つ目ですが、全身を使って話す姿に笑いました。
この恋生さん、来年5月には真打になることが決定しているとか。

松旭斎小天華の手品
三味線のお囃子をBGMに手品、というのは寄席ならでは。
スカーフやロープのネタで場内もそこそこ盛り上がり。

桂小南治は「唖しの釣り」
タイトルに放送禁止用語が入っているので最近高座にかけられなくなった噺らしい。
とはいえ、昔々亭慎太郎さんが話すのを聞いたことがあるので今回2度目。
男2人(七兵衛と与太郎)が上野寛永寺殺生禁断の池で夜中に鯉を釣りに行くが、
与太郎が夜回りの同役に捕まり、床に伏せる親の為に鯉を食べさせたくて
いけないと分かっていながら金がないので釣りをしたと謝り「今回限り」と許される。
与太郎は自分が捕まった時に遠くにいる七兵衛に合図を送る約束をしていたが
すっかり忘れたまま帰ってしまう。その後同役が何も知らない七兵衛を捕まえると、
何も知らずに釣りを続けていた七兵衛は吃驚し過ぎて声が出ない。
てっきり口がきけないと勘違いした同役に必死で身振り手振りで
与太郎と同様の言い訳を伝える七兵衛も同役に許されるのだが、
最後の最後に「ありがとうございました」と声を出してしまう。。。

40代半ばくらいの小南治さん、ちょっと話し方が爺くさいというか、
威勢のいい魚屋さんのような話しぶりで、最初は少々違和感があったのですが、
途中からは七兵衛の必死の形相を演じる姿に笑えました。

 桂歌春は「看板のピン」
若い衆達がサイコロ博打を打っている場に現れた親方、胴元となるから張れというが
親方の投げた賽は壷の外に飛び出てピン(一)の目が出ている。
親方がそれを知らないと思い財布まるごとピンに賭ける若い衆達。
と、親方は「店の外に看板が出ているように、壷の外のサイコロは看板だ、
肝心なのは店の中、つまり壷の中のサイコロだ」と外のサイコロを懐にしまい
壷の中の賽を出すと目はグ(五)。
慌てる若い衆達に「こういうことがあるんだから博打はやめろ」と賭け金を返す。
反省するかと思いきや、「これは使える手だ」と同じ手を使って一儲けしようと
若い衆達は他の賭場に行くが。。。
以前同じ噺を他の噺家さんで聞いた時ぴんとこなかった噺ですが
今回どこが面白いのかやっと分かりました。

江戸家まねき猫
まねき猫のテレフォンショッピングと称して、
ニワトリの目覚まし時計、コオロギ・鈴虫の鳴き声、犬の鳴き声による警備システム、
などなどを演じてくれたのですが、どの鳴き真似も非常に面白く、
今まで何度か観た時の不発感漂うイメージが今回吹き飛ばされた感じ。

そして、やっと寿輔師匠の出番。 「シャボン玉とんだ」のお囃子と共に、

  今回も蛍光黄緑色。。 もうそろそろ違う色が観たい。
客いじりはいつもより軽め。
「あたしも酒が好きですけど、酒で人が変わっちゃうというか、
あたしの場合は日本酒3合で目がおかしくなっちゃうって言うか、
そこの3列目の女性くらいだったら18~19才に見えちゃうだろうね、
って今は飲んでないからそれなりに見えるけど」
といいながら始めた噺が「釣りの酒」。

金がなくてずっと酒が飲めない男、「ああ、酒が飲みてぇな」と思っていると、
近所の中村さんの家に行き、中村さんの好きな釣りの話をすれば
沢山酒を飲ませてもらえると聞き、早速中村さんの家に向かう。
釣りのことはさっぱり分からない男は言われた通り相槌だけを打てば
好きなだけ酒が飲めると思っていたが、中村さんは相槌を打てないような
質問ばかりをしてくる。。。

酒を呑んだ後、船に乗って釣りに行くところまで噺が進まない内に終わってしまい
残念だった一方、魚や棹の質問を、勘違いして答え続ける男のやりとりに笑い、
酒を美味しそうに呑む姿の上手さに「やっぱり筋金入り・・・」と感心。


続いて松乃家扇鶴
おじさんなのに妙な艶っぽい声で、夏らしく、屋形船や朝顔、浅草めぐりの歌を歌い、
最後はいつもの吉原行きの歌で〆。

そして夜の主任、三笑亭夢丸で「夜鷹の松」
「初音のお松」「出世夜鷹」など呼び方が色々ある噺のようです。
吉原で人気の花魁滝川が浅草に三百両の額を上げたことが話題になると、
夜鷹(幕府未公認の街娼)のお松がその脇に自分の粗末な額をかける。
話題を聞きつけた町人達が額を見に浅草へ行くが、あまりに見た目が違う額に、
この夜鷹は何を考えているのかと思っていると、額に詠まれた句を見た武士が、
この句を詠んだ夜鷹は教養のある人だ、額は句の素晴らしさで判断しないといけない、
と町人達に言い聞かせる。
そんなことがあった後、
城に定期的に参内する男がお松の句を面白半分に持って行き殿様に見せたところ
興味を持った殿様は、この素晴らしい句を詠んだ人は誰かと男に問い、
お松が詠んだことを知った殿様はお松を城の中で働かせるようになったという、
お松の出世話。
夢丸さんはとても丁寧な話ぶりで毎回じっくり聞いてしまいます。

今回もなかなか楽しい話ばかりでした。
ここのところ、寿輔師匠が毎回ネタをやってくれるので
(以前はやる気が出ないと漫談のような話で終わってしまうことが度々あった)
来月もまた見にこようかな、と思うひと時でありました。


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