寿輔の客いじり

２ヶ月ぶりに 浅草へ寿輔に会いに行った。　

浅草演芸ホールの昼席、土曜日だからか１３時前に到着したのに満席。 

松旭斎八重子の手品(ＢＧＭと衣装がいつもハワイアン）に続き、幸丸が話し始めたあたりで　　　　　　　　　　　　　　　２階席に酔客が現れ、じっくり話しているところでも平気で「イエーイ」と奇声を発している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸丸は苦笑、夢太朗は途中で話を止めてしまい場内いや～な雰囲気に。

場所柄、多少の酔客は仕方ないけれど明らかに泥酔している客を入れるのはどうなの？

続いて登場したローカル岡は奇声を発生させぬ勢いでネタを続けた為、観客が爆笑し続け、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　泥酔客の奇声は若干めだたくなったが、次の雷蔵の落語になると元通り。

あーあ、これじゃ、寿輔の時も奇声出すだろうな。

と思っていたら寿輔が「しゃぼん玉飛んだ」の出囃子で登場。

自称「落語界のサリン」「落語界の谷村新司」。

私は「落語界のダメおやじ」と思っている。

　　　　

今日の羽織は蛍光色の「黄色」。　相変わらず派手。

前回（平日昼席）は、修学旅行の中学生のグループをひたすらいじっていた寿輔だが、

今日は泥酔客が気になったらしく、いつもの客いじりもそこそこに、

「あんた、そんなに話したきゃ、私の隣に座って話をしろよ。

そのくらいの態度じゃ芸人は動じないよ、あんたより１０倍は肝据わってんだからさ。」

と注意。　それでも騒ぐ泥酔客。

「うるさいよ、あんた。今日は落ちつかねーな、全く。

　　　　　　　　　　　もう１度騒いだら、あんたをつまみだすぞ。」

叱る寿輔に観客思わず拍手。　私も、あんな寿輔をみるのは初めて、と感心しながら拍手。

泥酔客は「すみません、失礼しました」とおとなしくなった。　

しかし、寿輔は、噺をする気をすっかり失ったのか、

「寄席なんてところは色々なことが起きるんだよ。前方で喧嘩する客もいれば、

最前列でコンドーム膨らませながら聞いてる高校生(修学旅行）もいたりするしさ。

まあ、高校生のコンドーム風船は注意して取り上げて舞台の袖に投げたら返ってきて

自分の頭に当たって噺じゃないとこで笑い取ったけど」といった話をひとしきり。

そして、やっとヤル気になったのか「生徒の作文」を３分くらい話して袖へ。

取り敢えず、落語は聞けたからよかったのかな。

その後、晴乃ピーチクの似顔絵漫談、円遊の与太郎噺、円丸の宗教噺、ひでや・やすこの　　　　　　　　　　　　　　　　今ひとつの夫婦漫才、可楽のイスラム噺、小円右(漫談で終わってしまった）、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小天華の手品、茶楽の間男噺、で昼席終了。

時間があったので夜席も少しだけ。

美香（前座）のたぬき噺、笑松のうなぎ噺、ぴろきのギタレレ漫談まで聞いて寄席を出る。

寿輔の客いじりが今ひとつで物足りなかったものの、真面目な寿輔の一面も見られて

ちょっと得した気分。

 

　

タグ：落語 寿輔

コメント 10

私も久しぶりに、寿輔に会いたくなりました～～
寄席は楽しいですよね～～
by ノリネコ (2005-12-06 23:38) 

ノリネコさん、コメント有難うございます。
寿輔ファンになかなか会えないのでノリネコさんのコメントが嬉しいです。
寿輔のことは４年前に円遊独演会にゲスト出演していた時に知ったのですが
あまりの強烈キャラに惹かれて以降時々寄席に会いに行ってます。
とにかく替えのきかないキャラクターですよね。
by うつぼ (2005-12-07 00:52) 

客のことを
「うどんの切れ端」
とか言っていますよね～～（ｗ
by ノリネコ (2005-12-07 07:26) 

>ノリネコさん、
「落語家は寄席にくるお客様みなさんのおかげで、ごはんが食べられる。
　だから、今日はお客様一人一人がうどん一本一本に見える。
　といっても、この位の数じゃたかがしれてるけど」　っていじりますよね。
　浅草演芸ホールの今月下席の夜の部は主任が寿輔です。
　いつもよりまともな落語が聞ける確率高いですよ。
by うつぼ (2005-12-07 21:09) 

あたしも寿輔気に入ってますよ。落語家と色物の境をフラフラって感じですが、話し振りは上等。「日本ぜんざい公社」なんかいい味出てますよ。
噺家さんは見た目が強烈なのがいいですよね。その点、寿輔はだめ親父が
派手な着物を着て見たものの、すねている様な。山藤章二さんにぜひ似顔絵を描いてもらいたいものです。
by 下町の太陽 (2005-12-07 23:11) 

＞下町の太陽さん、
　　山藤章二じゃありませんが似顔絵を「寿輔とピーチク」で載せときます。　　
　　作者は分からないのですが、いい味でてますので、見てくださいませ。
by うつぼ (2005-12-09 00:27) 

トラックバックありがとうございました。
寿輔さん、やるなぁ〜....酔客を黙らせるとは。
末広亭には酔客はいないのですが、困ってしまうのはたまに携帯電話がなることです。
それさえもいじる材料にしてしまったのはさすがでした。
お客さん平謝りでしたけど、たいがいそういう人に限って、自分は悪くないって思っているんですよねぇ〜...
by 三浦家権太郎 (2005-12-19 23:08) 

＞三浦家権太郎さん、コメント有難うございます。
　末広亭も時々出かけますが、アルコール持込み禁止で酔客はいませんが、
　やはり携帯電話は気になりますね。
　鳴らしてしまうのはマナーモードを知らなさそうな年齢層の方が多いような気がしますが、寿輔にとっては格好の標的になるんでしょうね。
by うつぼ (2005-12-21 00:52) 

初めまして。

4月に浅草演芸で「寿輔」さんの落語を拝見して
好きになりました。
　何より、落語にハマり始めてます。

先週は池袋演芸に行きました。
今週は新宿に行きます。

日程を見て「寿輔」さんの落語を聞きに行きたいと思います。

本当にあの方の間や空気が大好きです。

登場した瞬間、元気になりました。

親孝行のために浅草に行ったのですが
いまだに「寿輔」さんの話になり、家族で笑ってます。

では、
おじゃましました。
by 唄い人 (2007-07-18 11:42) 

唄い人さん、はじめまして＆こんばんは。
寿輔師匠ファンの方のコメントは大変嬉しいですヨ。。
私は今日浅草に行ってきましたよ。噺は「代書屋」で何度か聞いたことがありますが相変らず客いじりも快調で楽しんできました。寄席に通うようになって思うのはお腹の底から声を出して笑うことは健康にいいんだなあ、ということです。唄い人さんも末廣亭で沢山笑ってきてくださいね！
by うつぼ (2007-07-18 22:35)