NY滞在中5本目に鑑賞したのが 
 “LOVE MUSIK
 場所は47丁目のBILTOMORE劇場。
 正式オープン(5/3)の前日、プレビュー公演を鑑賞です。
プレビュー公演というのは正式オープン前の「有料公開リハーサル」というか、
この期間で直せるところは直す、という意味合いのようです。
といっても正式オープンの直前で変わらない内容で観られると思いますが。。。。

BILTOMORE劇場には初めて入りましたが、大変綺麗。
あまり公演がないのかもしれませんが、こじんまりしていてトイレも綺麗。(←大事なポイント)

 座席は2階の左寄り。
この作品はディスカウントで買ったのですがあまり良い席ではないものの、
トニー賞を受賞している主演の2人、
マイケル・セルヴェリス&ドナ・マーフィ
この2人をどうしても観たくて今ひとつの席ですがチケットを購入しました。

特にマイケル・セルヴェリスは、初めてブロードウェイで観たミュージカル

The Who's Tommy: Original Cast Recording - Highlights (1992 Broadway Revival)

The Who's Tommy: Original Cast Recording - Highlights (1992 Broadway Revival)

  • アーティスト: Original Cast Recording Highlights
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1994/03/15
  • メディア: CD

“The WHO'S TOMMY”(昨年日本公演も観ました)で主役を演じていた方なので
あれから15年経ってどう変わったのか観たかったのもありまして。。。

というわけで作品の内容もよく知らずに買ってしまったのですが、
観客は殆どが白人、しかもかなりご高齢な感じの人が多い。。。。。
水曜日のマチネ(昼)公演とはいえ、今まで見かけたことのないこの客層の雰囲気。 
一体どんな話なの?と思って開演前にPLAYBILLを必死で読んで
取敢えず多少の知識は頭に入れないと、と予習予習。。。

舞台は1900年代前半のドイツ。
ユダヤ人の作曲家カート・ワイル(ドイツ語読みだとクルト・ワイル)は、
ドイツ人の歌手ロッテ・レニヤと出会い
 恋に落ちる。
カート・ワイルの作品を舞台で演じるロッテ、私生活でも結婚し、
詩人で劇作家のベルトルト・ブレヒトに出会い、
ブレヒトは妻に愛人と女好きで(笑)
創作活動もうまくいっていたが、時は第二次世界大戦の頃。
ユダヤ人への迫害が強まって創作(舞台)活動に支障を来たすようになった為、
カートとロッテはパリに亡命し、その後アメリカ(NY)へ移住する。
カートは「三文オペラ」の作曲家として活躍し、
ロッテはナイトクラブで歌いながら共に過ごしていたが、

いつの間にか2人の間にすれ違いが多くなり、
カートが愛人を作ったことから別れてしまう。
別れてからは互いに各々の道を歩んでいた2人だったが
カートが50歳の若さで亡くなったのを知り悲しむロッテ。
その後舞台からすっかり離れてしまったロッテだったが、
13年ぶりに「三文オペラ」の舞台に立ち拍手喝采を浴びる。。。。
 カーテンコールの様子

PLAYBILLに書いてあったのですが、1981年ロッテが83年の生涯に幕を閉じた後、
カート・ワイルの隣に埋葬されたというのを開演前に読んで、
生きている間に別れた2人が最後には一緒になったというのは
互いに一番大切な人だったのね、なんて思ったら
最後の場面(ロッテが舞台に立って喝采されるところ)で何だかジーンとしてしまいました。


舞台の様子は、下のサイトから“View Show Video”をクリックしてくださいね。 http://www.newyorkcitytheatre.com/theaters/biltmoretheater/theater.html


史実に基づいて(2人の手紙のやりとりから脚本をおこしたとか)
作られたミュージカルということですが、
それまでカート・ワイルもロッテ・レニヤも殆ど知らない私にも深くジンとくるような話でした。

 マイケル・セルヴェリスも好演だし
 ←この人が本当のカート・ワイル
ドナ・マーフィも好演。

ただ、2人ともトニー賞の最優秀主演男優・女優賞にノミネートされたのは良いのですが
作品賞にはノミネートされず残念。

確かに、歌もそこそこ多いのですが、セリフが非常に多くて踊りは殆どなく、
(セリフは半分も聞き取れていない私。。。)
更に題材が万人受けするような内容でもないと思われるので観客層も偏りそうな雰囲気だし。

ブロードウェイで1本か2本しかミュージカルを観ないという人にはおススメできませんが、
大人がじっくり観る作品としては推薦したい“LOVE MUSIK”でありました。

ミュージカル編も残すところあと1本、次回は“BLUEMAN GROUP”です。


(2007.6.17追記)
残念ながら6/24が最終公演日のようです。。。
こういう作品はロングランにはなりにくいのかもしれませんが、残念。

NY