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映画「ウィッシュ」を観る [映画(あ行)]

ディズニー100周年記念の作品ということで鑑賞しました。
wish.jpg
あらすじは映画.comさんより。

どんな願いもかなうと言われているロサス王国。
魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は、国民から慕われているが、
お城で働く17歳のアーシャは、ある秘密を知ってしまう。
それは、人々の願いがかなうかどうかを王が決めていること、
王は国のためになる願いだけをかなえており、国民が王を信じてささげた願いの
ほとんどはかなえられることがないということだった。
王国の秘密を知ってしまったアーシャは、
王を信じて託した人々の願いを救いたいと、夜空の星に祈る。
すると、空から魔法の力をもった願い星のスターが舞い降りてくる。
スターの魔法によって話すことができるようになった子ヤギのバレンティノや
スターとともに、アーシャはみんなの願いのために奮闘する。

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ワクワク感ほぼゼロ。

ディズニーに期待し過ぎちゃったかなあ。。。

前評判がよくなかったものの、まあディズニーだし、と思って鑑賞したら、
肩透かしにあったというか、これでいいの、ディズニー?みたいな気持ちに
なってしまいました。

冒頭に100周年記念のアニメが上映されるのですが
(Once Upon A Studioというタイトル)、
これは過去のディズニー作品に登場するキャラクター総動員的な感じで
観ていて非常に楽しかったので「やっぱりディズニーっていいわあ」という
気持になったのと、作品で流れていた”When You Wish Upon A Star”が
続く作品にもつながっていくのかな、なんて期待値爆上りで観てしまい、
あまりの出来映えに悲しい気持ちになってしまいました。

エンドロールに”ダイバーシティ&インクルージョン”担当として、
2人の名前がクレジットされている通り、最近のディズニー作品にあるあるな、
ポリコレ対策なのかなと言うのはある程度予想していたものの、それにしても
キャラクター設定などに魅力を感じることができませんでした。

主人公のアーシャはどこか無鉄砲、大好きなおじいちゃんやお母さんの願いが
叶わないと知った時の落胆は理解できますが、かなり短絡的な行動が多くて
観ていてもその行動に共感しづらかったというのが正直なところでした。
星に願いを(それこそWhen You Wish Upon A Star)かけると
やってきたのが星(見た目がどこかでみたような感じでディズニーぽくない)、
この星がアーシャの行動を更に無鉄砲にさせているように思えて仕方なく、
アーシャの友達(恐らく白雪姫の7人の小人をイメージしてダイバーシティも
考慮したようなキャラクター設定)もアーシャの行動をサポートするには
ちょっと弱い感じがしました。

何より一番の違和感は、今作の悪役(villan)であるマグニフィコ国王。
過去に辛い思いをしてから国の平安のために国民の願いを自分で管理する、
我欲ではなく国民のために、という点で共感していたら、
国を脅かす可能性がある願いは叶えず、差しさわりのない願いだけ叶える上に、
アーシャのお爺ちゃんとお母さんの願いはかなえてくれない、
そんな国王にアーシャが切れて反旗を翻してからの国王の姿を観ていて、
逆に気の毒になってしまいました。
これが王妃も一緒に悪役であればなんとなくまだ理解できなくもないものの、
王妃はいい人だったりして、これまで苦楽を共にしてきた国王が怒り狂ったら
「私は国王と違います!」的にアーシャ側についてしまうという展開に

なんじゃこりゃぁ(⇐松田優作風にどうぞ)

そんな気持ちのまま観終わりました。

空からやってきた星のカービィみたいな星によって言葉が話せるようになった子ヤギ、
これもアーシャの周りで騒いでいるだけのような感じで活躍どころがなく、
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  • 発売日: 2022/03/09
  • メディア: Blu-ray
人魚姫を助ける鳥とか魚みたいに活躍しなさいよ、と映画館のスクリーンに向かって
ぼやいていた私です。(笑)

これらの残念ポイントに加えて歌がミュージカルぽくないというか、
ディズニー映画を支えてきたアラン・メンケンやリン・マニュエル・ミランダとか
起承転結に合った音楽で作品を盛り上げる、みたいな感じがなかったところでした。
(音楽担当のジュリア・マイケルズの才能を否定するものではなく、
 ミュージカル音楽に慣れていなかったという印象を持ったということです。)

禁じられた魔術に手を出してしまったマグニフィコ王が国民を恐怖に陥れ、
それを星とアーシャと仲間たちが退治してめでたしめでたしとなった後、
なんだか後味の悪い気持ちで、次の映画作品にはしごしたのですが(笑)
100周年というプレッシャーの中で色々制約があったのでしょうか、
リソース不足的な感じ(あらすじから画像、音楽制作まで)で納期に合わせて
取敢えず完成したけれど中身はちょっと、、そんな感じがしてしまって
こうやって記事を書いていても(観たのは12月下旬)残念感だけが自分の中に
漂っている「ウィッシュ」でありました。


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2023年に観た映画 [映画(あ行)]

毎年恒例になってきたと思いますが、大晦日は今年観た映画のおさらい記事です。

今年も映画館でなるべく鑑賞しようと心掛けましたが、
やはり在宅勤務で定期券がないと、東京(主に日比谷と田端)に映画に行くとなると
交通費のことを考えて、ついハシゴで映画を観るという荒業での鑑賞が多めでした。

結果的には、映画館鑑賞62本、Netflix5本、Amazon Prime17本、 機内4本、
田端チュプキさんが銚子電鉄100周年記念で上演してくださったので「電止め」1回
合計86本となりました。
昨年は80本(映画館43本)、一昨年は83本(映画館47本)なので
なんとか映画館での鑑賞本数を増やせたかな、という感じです。

というわけで、2023年に観た映画の中でよかったと思う10本です。
(とくに順位はありません)

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない


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  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2023/04/28
  • メディア: Blu-ray

今年初めに観たタイムループものですが、同じ1週間の繰り返し、
狭い雑居ビルで起こる人間模様に笑いながら、
早くタイムループから脱出できますように、と願ってしまった作品です。

RRR
RRR.jpg
インド映画はたまに観るので3時間の長尺も平気なのですが(笑)、
ビームとラーマの友情をムネアツな気持ちで観た作品です。
ありえねー的展開がインド映画のいいところ、再認識しました。

私のはなし 部落のはなし
私のはなし部落のはなし.jfif
自分の知らない日本があると最近あちこち旅しておりますが、
自分の知らない日本の一面を知ることが出来た作品です。

劇場版 センキョナンデス
劇場版 センキョナンデス [DVD]

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  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2023/11/30
  • メディア: DVD
選挙について今までと見方が変わるきっかけになった映画、
関心を持つこと、自分の1票を大切に、日本を託せる人に投票しないとという
気持になれた作品です。

パリタクシー
パリタクシー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹
  • 発売日: 2023/10/25
  • メディア: DVD
タクシーの運転手が老婆を送り届けるだけの話になるはずが、
老婆の語りから彼女の人生が炙りだされるというか、
人生は一期一会だなと改めて思った作品です。

BLUE GIANT
BLUE GIANT DVDスタンダード・エディション

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: DVD
ジャズは好きなジャンルですが、18歳の若者3人が集まり粗削りであっても
ジャズに対する熱い気持ちで演奏する、迫力のあるアニメに、上原ひろみさんの
演奏が昇華していくような、熱い熱い作品です。

福田村事件
`fukudamurajiken.jpg
今の時代にも通じる群集心理の怖さ、今の時代はネットで玉石混交の情報に溢れ、
ガセ情報に惑わされず真実は何なのか、周りに踊らされず落ち着いて判断が
できるようにならないといけないなと思った作品です。

妖怪の孫
妖怪の孫

妖怪の孫

  • 出版社/メーカー: アシスト
  • 発売日: 2023/12/26
  • メディア: DVD
選挙に勝てば何をやってもいいのかと改めて思ったのですが、
昨今のパーティ券問題を見ていると、たった1票しか持たないといっても
その1票を大切に投じないといけないなと思った作品です。

リバー、流れないでよ
「リバー、流れないでよ」Blu-ray

「リバー、流れないでよ」Blu-ray

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2023/12/20
  • メディア: Blu-ray
今年の映画、タイムループものにはまった感ありなのですが、
今作のお陰でヨーロッパ企画さんの存在を知り、過去作品を見て
舞台も鑑賞し、自分の広がりが出来たきっかけになった作品です。

春の画 SHUNGA
shunga.jpg
最近アップした作品ですが、春画について学ぶというか知るというか、
西洋画にはない芸術的な作品が日本にはあるということを知る機会を
もらった作品です。

告白、あるいは完全な弁護
告白、あるいは完璧な弁護 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2023/12/08
  • メディア: Blu-ray
自分の先入観と思い込みの怖さ、二転三転の展開、
今年一番ドキドキしたかもしれない作品です。

と、ここまでが今年観た映画10本ですが、次点というか、
その他に面白かった映画です。

AIR/エア
Air (DVD)

Air (DVD)

  • 出版社/メーカー: Unbranded
  • メディア: DVD
結末が分かっているので、そこに至るまでの展開を楽しむというか、
ベン・アフレックとマット・デイモンの仲良しコンビが本当に楽しく
演じているので痛快に観られた作品です。

インディ・ジョーンズ 運命のダイヤル
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2023/12/15
  • メディア: Blu-ray
シリーズ最終作品でもうこの先はないのかという寂しさはありますが、
老体に鞭打って演じたハリソン・フォードには感謝しかない作品です。


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昨年に続いて今年も骨折という、何かに呪われているのではないかと思ってしまった、
そんな1年ですが、昨年ほど重篤ではなかったのでリハビリも短期間で終了し
(そのあたりは来年記事にしようと思います)
コロナ明けというのもあって旅の回数も増えて充実した一年だったと思います。

来年はもう骨折したくありませんが。(笑)

仕事は、在宅勤務が4年目に入り、よほどのことがなければ出社しないのが当たり前、
みたいな感じになったので、1年のトータル出社日数も20日未満という、
毎日電車通勤していたのが遠い昔のこととなりました。(^^;

まだ記事にはしておりませんが、転ばないように体力をつけようとカーブスに通うように
なったりと自分の生活にも少し変化が出たりしていますが、人生も折り返した訳ですし
自分の人生に後悔がないように、と思うようになりました。

今年は骨折したものの昨年ほどではなかったのもあって(とはいえタイピング痛かった)
予約投稿を使いながら毎日投稿することができました。
それもこれも、ブログを訪れてくださる皆さんのお陰です。感謝感謝です。

来年もあまりイラつかずにブログ記事を書ければと思っていますので、
懲りずに訪れていただければ嬉しいです。

皆さまも良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします!<m(__)m>




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Netflix「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」を観る [映画(あ行)]

なぜかおススメに出てきたので取敢えず見てみました。
赤ずきん.jpg
あらすじは映画.comさんより。

赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中で灰だらけの少女・シンデレラと出会う。
魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらった2人は舞踏会へと向かう途中で
カボチャの馬車で男をひき殺してしまう。
バレることを恐れ、なんとか死体を隠した2人はお城の舞踏会に無事到着し、
シンデレラは王子様と恋に落ちる。
そんな中、男の死体が発見されたことで舞踏会は中断。赤ずきんとシンデレラは
最大のピンチに直面するが……。


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テレビドラマならいいけれど映画館だとなあ、、、というのが正直な感想でした。

監督の福田雄一さんの作品や世界観が好きな人には物凄く面白いのだと思いますが、
小ネタを重ねて笑いをとる感じが嫌いではないものの
赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

  • 作者: 青柳碧人
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Kindle版
この原作を映像化したものだそうですが、この手の小ネタ満載の話であれば、
おそらく本で読んで自分で想像している方が楽しそうかな、と思ってしまいました。

橋本環奈をはじめ、(私の)好ききらいは別として、綺麗どころといわれる俳優が
たくさん出ているなあと思いつつ、美醜に価値基準をもっていく感覚には若干ですが
違和感がありました。

最後の最後に顔に傷を負った女性が登場することでその価値基準が覆る展開なので
救われましたが、美人だったらそれでよいのか、というツッコミを入れてしまいがち、
(決して妬んでいるわけではありませんから!(笑))
かといって「シンデレラ」という物語自体が美醜に基準があるような話なので
仕方ないのかもしれませんね。

小ネタで盛り上げるベテラン俳優さんたち、
キムラ緑子(魔女のバーバラ)、真矢みき(シンデレラの継母)、
ムロツヨシ(ねずみ⇐御者に変身)、佐藤二朗(王様)が若い俳優さんたちを
笑いで支えていたので皆さんのクセが強めとはいえ、この小ネタの笑いの連続で
飽きずに最後まで見ることができたような気がします。

継母役の真矢みきがなぜチャン・ドンゴンの物真似をしたのか、
ここは勢いで笑ったものの、基になったCMを見返すとかなりデフォルメされて
いることをいまさらながら知りました。(笑)

カテゴリーはミステリーというよりはコメディぽく、
赤ずきんの推理が(ぼんやりした)私でさえなんとなくそうなるかなあと
思っている範囲内というのが物足りなさを感じた理由なのかもしれませんが、
かといって、「そうだったのか!」と思うようなびっくり推理だと、
自分が疲れてしまうので(笑)このくらいでよかったかもしれません。

というわけで、なぜNetflixが私に勧めてきたのか理由が分からないまま
ぼんやり見終わったのですが、たまにはこうやって深く考えずに
ゆるゆる見るのもいいかもしれないな、と思った、
「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」でありました。

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映画「RRR(日本語吹替版)」を観る [映画(あ行)]

今年初めてに観て衝撃を受けたインド映画、日本語吹替版が上映されるように
なったのは知っていましたが、田端のチュプキさんでも上映されると知り、
心躍らせながら観に行きました。

(1回目の鑑賞記事)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2023-01-07
RRR.jpg
あらすじは映画.comさんより。

1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、
大義のため英国政府の警察となったラーマ。
それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、
互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。

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今回も胸熱!

1回目の鑑賞が今年初めだったので半年以上たっていますが、
観始めるとその時の胸熱テンションがあっと言う間に蘇りました。

2回目の鑑賞なのであらすじや展開、分かっているのに折々の場面で目頭が熱くなり
ラーマとビームが出会う場面(あり得ないCG満載の場面ですが無問題)から
2人が兄弟のように打ち解けていく様子(ビームがラーマを肩車する場面とか)、
ビームの仲間が投げつけた毒蛇に噛まれてラーマが生死の境をさまよっているのを
薬草などを使ってビームが助けながら、朦朧としているラーマに自分の目的を語ると、
(英国総督に連れ去られた村の娘を助け出す)
自分の大義のために生け捕りにする目標がビームだと知るラーマ、
兄弟のように仲良くなったビームを捕まえなければならないと葛藤するのですが、
毒蛇の毒が(ビームのお陰)解毒された途端に物凄い勢いで体力が回復し(笑)
英国総督の宮殿(というの?)に猛獣たちと共に乱入したビームと格闘し、
捕まえてしまう。。。

Interval。

前回の鑑賞と違い、ラーマがなぜそういう行動に出たのか理由は分かっていますが、
分かっているだけに、この時点で、

( ノД`)シクシク…

目が潤んでいる己がおりました。

後半、ラーマがなぜビームを捕まえたのか、その理由が明かされますが、
捕まえたビームを助けようとして今度はラーマが英国総督にとらえられる、
それを再びビームが助けに行く。

友情合体。
(ビームがラーマを肩車しながら敵と戦うのですが無敵過ぎ)

独房に入れられ足を傷めつけられたラーマの回復力が凄まじく
(毒蛇にかまれて解毒してからの回復力以上に凄かった)
ボーボーに伸びた髪の毛が逆に雄々しく(萌)勝利に向かって突き進むビームとラーマ、
2人を画面越しに応援して涙ぐんでいる自分がおりました。

細かいツッコミどころは今回もありましたが深く考えずにスルーして楽しめました。
(多分気にしているとこの映画は全く楽しめないと思います)
今回の日本語吹替版、違和感ないのかなあ、どうかなあと思っていたものの、
ヒンズー語のあの独特のイントネーションが雰囲気を醸し出しているものの、
そのイントネーションに気持ちを引っ張られがちだったのを考えると、
日本語の吹替になっていた方が物語に集中して入れるような気がしました。

田端のチュプキさんなので音声ガイドも楽しめましたが
当日は平日夜だったので鑑賞していたのは6人と少なかったものの
「RRR」のリピーターで田端のチュプキさんにもよく通われる方々なのか、
全員、持参したイヤホンを上映前から耳に当てていました。
そういう私もイヤホンで音声ガイドを楽しみましたが、セリフの間に情景も説明、
非常にわかりやすくて渋い声の吹替と併せて楽しむことができました。

3時間の長尺ですが今回もあっという間、序盤から目頭熱い状態で見続け、
最後にはハッピーエンドでめでたしめでたし、思わず拍手したくなってしまった
「RRR」でありました。

時間が合えば、もう一度は吹替え版で観たいです!


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映画「エドワード・ヤンの恋愛時代」を観る [映画(あ行)]

台湾のクラシック映画、という宣伝を観て映画館へ観に行きました。
エドワード・ヤンの恋愛時代 [DVD]

エドワード・ヤンの恋愛時代 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アップリンク
  • 発売日: 2002/01/25
  • メディア: DVD
あらすじは映画.comさんより。

急速な西洋化と経済発展が進む1990年代前半の台北。
企業を経営するモーリーは、自分の会社の経営状況も、
婚約者アキンとの仲も上手くいかずにいる。
モーリーの会社で働く親友チチは、モーリーの仕事ぶりに振り回され、
恋人ミンとはケンカが絶えない。
そんなモーリーとチチの2人を中心に、同級生・恋人・同僚など10人の男女が
2日半という時間の中で織りなす人間模様を描き、心に空虚感を抱える彼らが
自らの求めるものを見いだしていく姿を映し出す。
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共感しづらかったかなあ。。。( 一一)

30年前、日本がバブルの頃の映画なので、台北もそんな感じだったのかなあ、と思いつつ、
リアルタイムに観ていたら年代の近い登場人物にもうちょっと感情移入できたかな、
そんな気持ちで観終わりました。

恋愛、友情、人との感情の交流を通した成長譚を描いた群像的にも見えましたが、
どこかウディ・アレンぽい雰囲気も感じるような作品というか、
日本のトレンディドラマ(石田純一が巨大な携帯電話を持っている頃(^-^;)を
連想するような舞台設定、大量の会話で繰り広げられるドラマ、四捨五入すると60代の
私が初見で観るには理解がなかなか及ばないというのが正直な感想でした。

まだ夢を観ていたような20代ではなく、この先への不安などが渦巻く中年(私)、
実家が資産家で会社を設立、好きなことをやっているものの
(モーリー自身はクリエイターとしての才能はあるみたいですが)
経営者としての才能がなく会社経営に苦戦するモーリー、
その主人公のペースに巻き込まれて悶々としながらも言えない友人のチチ、
この2人の関係性をメインの軸にして様々な人が登場しては色々問題が起きる、
その問題もちょっと冷めた目で見てしまった自分がいたのですが、
おそらく日本とは違う環境である台湾にいるからこそ存在する問題もあるのだろう、
と思います。

リアルタイムで観た方(同年代)と思しき方々も多かったようで、ところどころで
笑いが起きるのもなぜ?と理解できなかったのは、おそらくエドワード・ヤン監督の
作品に触れたことがなかったからかもしれません。
(監督の作風が分かっていれば理解できることもあったりするので)

色々な人が出てくるものの、混線してこんがらがってまとまらない感じもして、
このまま終わるのかと思いきや、最後の最後はホッとする終わり方でしたが、
エドワード・ヤン監督の作品も鑑賞してもうちょっと理解してみたい、と思った
「エドワード・ヤンの恋愛時代」でありました。







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映画「アステロイド・シティ」を観る [映画(あ行)]

予告編を観て気になっていたウェス・アンダーソン監督作品です。
アステロイド.jpg

あらすじは映画.comさんより。

1955年、アメリカ南西部の砂漠の街アステロイド・シティ。
隕石が落下して出来た巨大なクレーターが観光名所となっているこの街に、
科学賞を受賞した5人の少年少女とその家族が招待される。
子どもたちに母親が亡くなったことを言い出せない父親、
映画スターのシングルマザーなど、参加者たちがそれぞれの思いを抱える中で
授賞式が始まるが、突如として宇宙人が現れ人々は大混乱に陥ってしまう。
街は封鎖され、軍が宇宙人到来の事実を隠蔽する中、子どもたちは外部へ情報を
伝えようとするが……。
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タッパウェア!

ウェス・アンダーソンワールド全開みたいな感じの不思議な映画(大人の絵本ぽい)、
毎回色々なツボにはまるのですが、今回一番はまったのはタッパウェアでした。

Tupperware CrystalWave Plus 電子レンジ再加熱可能な容器4点セット

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  • 出版社/メーカー: New Tupperware
  • メディア: Tools & Hardware
まだ売ってると知り驚きましたがそのお値段を観て更にびっくり。(◎_◎;)

1950年代にもうタッパウェアってあったんですね。
うつぼ家にもご近所さんでタッパウェア販売個人代理店、みたいな人がいて
誰かの家に行って近所の奥さんたちを集めて実演して販売する、というのが
1970年代くらいには結構あったと思うのですが、婆1号も実演を観て感激し、
タッパウェアを買って使っていました。
サランラップも貴重な時代、何度も洗って使える夢のような容器、
うつぼ家でも30年くらい使い続けていたような、その後ジップロックなど
もっと廉価なものが出て買い替えたので既に実家からは消えていますが、
(40年以上経っているのでさすがに捨てますよね(笑))
ジェイソン・シュワルツマン演じるオーギーが亡くなった妻の遺灰の一部を
タッパウェアに入れて中学生の息子と幼い娘3人と車で移動しながら、
息子が表彰されるアステロイドシティにやってきてやっと母の死を伝えると、
娘たちが町のロッジにある公共シャワーの横にこのタッパを埋めて母を弔おうとする、
穴をほってタッパを入れて花をのせて祈る、別に映画の主流となる場面でもなんでも
ないのですが、埋葬を引き留める祖父(演じているのはトム・ハンクス)の提案を
拒否する孫娘3人の絵面がおかしくて、懐かしいタッパウェアをめぐるしょうもない
やりとりが一番のツボでした。

話自体は、最初にネタバレ(これは劇場舞台であるという説明)があって
入れ子構造みたいになっているのが分かっているのですが、
それでも私も一度見たくらいですべてわかっているわけではなく
(だからといってもう一度は観ないかな)
登場する俳優が役柄を演じているのと役者本人としてふるまっている境目が
どのあたりにあるのか時々分からなくなってしまったりと、
ウェス・アンダーソンが好きでない人には不可解な場面も多い映画して
なじめないまま観終わる可能性が多い(好き嫌いがはっきりしやすい)と思います。

個人的には、
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ [DVD]

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  • 発売日: 2007/09/19
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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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以前の作品の方が好きだったりするので今作も本筋でないタッパがツボだったのかも
(私の理解力が低いのもあると思いますが最近の作品は一度では分かりづらい)
しれませんが、ウェス・アンダーソン作品の常連さんたちは相変わらず楽しそうで
その姿を確認するという楽しみは今回も満喫できました。

ウィレム・デフォーは今回全く怖くない&地味な役柄というのが驚きでしたが、
007でCIAのフェリックス・ライターを演じていたジェフリー・ライトも
今回は軍のお偉いさん(を演じている俳優)の役をクスっと笑える演技でした。
また、イーサン・ホークとユマ・サーマンの娘、マヤ・ホークも出演していて、
こんなに大きくなって、、なんだか親戚のおばさん気分で見てしまいました。(^-^;

あとは、久しぶりのマット・ディロン、渋いおじさんで登場して、
かつて見た映画、
ランブルフィッシュ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/05/09
  • メディア: DVD
このあたりの作品をリアルタイムにみていた世代としては懐かしい気持ちになりました。

舞台となっているのは1955年、テレビの普及が進んでいく時代、
そのテレビ番組で、アステロイドシティが舞台であると説明し、ドラマが展開する、
一方、第二次世界大戦後の米ソ冷戦時代で核開発、宇宙開発が競って行われていた
ことから、劇中に登場する天才たち(子供)が開発した技術についても特許は全て
軍が所有し軍事転用しようと考えているのがうかがえました。
青空、砂漠、非常に長閑な光景の中で行われているのは核実験、という場面も
盛り込まれているのは、監督なりに伝えたいことがあったのかなとも思いましたが、
テレビが普及し人々の生活の中に入り込んでいった末に今はネットなどにおされて
テレビだけが情報入手の手段ではなく砂漠のようになっていったようにも見えて
時代の流れのようなものも感じるようなちょっと寂しい一面もありました。

というわけで、全体的に理解しきれていないもののタッパウェアの登場がツボで
そんなところでは楽しめた「アステロイド・シティ」でありました。


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共通テーマ:旅行

映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」を観る [映画(あ行)]

ハリソン・フォード主演の続編、逃したらだめだ!と
気合を入れて映画館へ観に行きました。
インディジョーンズ.jfif
あらすじはYahoo!映画さんより。


第2次世界大戦末期。
考古学者のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)らは手にした者が
神になるほどの力を秘めるダイヤル“アンティキティラ”をめぐり、
ナチス・ドイツの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と格闘する。
そして1969年、インディの前にかつての仲間であるバジル・ショーの娘、
ヘレナ・ショー(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)と、フォラーが現れる。
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インディ、ありがとう!

最後の場面に思わずウルっとしながら素直に楽しめた映画でした。(^-^)

リアルタイムに3作までは見ておりましたが、
インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク(聖櫃) [Blu-ray]

インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク(聖櫃) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2016/07/22
  • メディア: Blu-ray
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray]

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2023/06/07
  • メディア: Blu-ray
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 [Blu-ray]

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2016/07/22
  • メディア: Blu-ray
それなのに、4作目の、
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 [Blu-ray]

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2016/07/22
  • メディア: Blu-ray
これは見ないまま今作に挑みました。
(インディの息子役を演じたシャイア・ラブーフが苦手だったからかもしれませんが
 なぜ見ていないのか、理由が分からなかったりします。(^^;)

とはいえ、いきなり5作目を観るのもブランクありすぎるかと思って、
最近よく見る映画系ユーチューバーのあっきーさんの動画でおさらいし、
「ああ、この場面あったよねえ」と記憶を頭の奥底から引っ張り出してきて
映画館に今作を観に行きました。

あっきーさんの動画でそうだったのかあと今更気づいたのが、
スティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが007のようなテイストを入れて
インディ・ジョーンズシリーズを作っていたということでした。

1作目の「レイダース 失われたアーク」(1984年)を観たときに気付かなかったのは、
007シリーズを最初に観たのがその後だったからなのですが(笑)
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最初にインディ・ジョーンズを観た翌年の作品。
それでも似ていると全く気付かなかった私です。(^^;

今作は007のような目線でも(世界のあちこちを巡る)楽しめました。
唯一、ヘレナ(友人のバジルの娘)のキャラクターというか身勝手な行動に
イラッとしてしまう場面もあったのですが、最後の場面にもっていくときに
ヘレナの行動力がインディを救う格好になるので結果オーライな感じでした。

2作目の子供(キー・ホイ・クアン)のように、今作ではモロッコからテディという
少年がインディやヘレナと共に行動するようになりますが元々スリを行い
お金で動くような(信じているのはヘレナだけのように見える)計算高い子供だと思って
あまり好感が持てなかったのですが、最後にはいい子になる(元々いい子なんだろう)、
そのもっていきかたも無理がないように見えて温かい気持ちになれました。

4作までの時代から数十年経って、大学の教授もリタイアのヨボヨボ爺のインディ、
時代は月面着陸、ビートルズ、明るい未来に向かって変化していく中で、
過去の時代にしか興味の持てないインディ(考古学の先生ですし)の対比から始まり、
映画冒頭(第二次世界大戦中)に出てくるアルキメデスのアンティキティラを巡って
NYからモロッコ、シチリア島、と移動していく中でヨボヨボ爺インディが生き生きと
表情を変えていく様子を見るとやはりワクワクするものですね。(^-^)

ヘレナも父バジルから学んだ考古学の知識がたっぷり頭に入っているので、
アルキメデスのアンティキティラを巡って更に謎を解きに果敢に挑むインディ、
メタンガス、大量の多足虫(虫嫌いの人には厳しそうな場面あり)、様々な困難を
乗り越えてたどり着いて見つけたお宝も敵役フォラーに強奪されてしまい、
そこからアンティキティラを使って時空を超えて第二次世界大戦に戻ろうとする
ファラーを止めようとするインディ、最終作なので粗いかなあと思うような展開や
特殊効果もありますが、ハリソン・フォードの花道なのでなんでもありOKです。

(そもそも第二次世界大戦中のインディVSフォラ―の場面で、あの状況(列車)で
 フォラ―が生き残っていたことが超ミラクル(笑)ですし、トゥクトゥクみたいな乗り物で
 モロッコを爆走する場面で乗り物が空中分解せずに走り続けられることもミラクル、
 殺人疑惑をかけられたインディが出国できてしまうのもミラクルですが、
 そこを気にし過ぎると感動のエンディングに至らないですもんね。(^-^))

冒頭に出てくるCIAにアフリカ系女性、インディの友人にアラブ系が出てくるのも
昨今のポリコレ要素なのかと思いましたが(あれ、アジア系って出てましたっけ)
敵のフォラ―を演じていたのがマッツ・ミケルセンというのも萌えポイントで、
可哀想な最期になってしまうアントニオ・バンデラスが気の毒に思えたりしたものの
キャスティングもインディを盛り上げる要素たっぷりで楽しく見られました。

今のCG技術で第二次世界大戦中のインディも再現できるということが作品を盛り上げて
くれた一因だと思いますが、なんといってもハリソン・フォード自身の演技が素晴らしく、
ハッピーな結末とともにインディの人生を観ることができたのは自分が歳をとったのを
感じたりもしつつ、インディ・ジョーンズの集大成というか総仕上げとして楽しめた
「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」でありました。









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映画「あゝひめゆりの塔」 [映画(あ行)]

以前、田端のチュプキさんで見た柴田昌平監督の「ひめゆり」のお陰で
昨年、沖縄を四半世紀ぶりに訪れ、ひめゆりの塔と平和記念館を見学しましたが、
吉永小百合さんの映画を見ていなかったので、チュプキさんで鑑賞しました。
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あらすじは映画.comさんより。

昭和18年。まだ戦争の影の薄い沖縄で級友たちと運動会を楽しんでいた
沖縄師範女子部の与那嶺和子は、師範男子の西里順一郎と出会う。
翌19年になると戦局は悪化。ついに沖縄も戦場になろうとする中、
陣地構築の作業に従事するようになった和子と順一郎は、
互いに愛情を抱き始める。やがてサイパン島が陥落。
小学校教員である和子の母ハツは、内地への疎開が決まった学童たちに同行するため
輸送船に乗るが、船を撃沈され帰らぬ人となってしまう。
10月、ついに空襲が始まる。全島に非常戦時体制が敷かれ、
女子学生は臨時看護師として南風原陸軍病院へ、男子学生は鉄血勤皇隊として
陸軍と行動を共にすることになる。


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私が見た初めての吉永小百合作品となりました。
(なぜか今まで一本も彼女の出演作品を観たことがありませんでした)

昨年、30年ぶりくらいで沖縄を訪れるきっかけになった映画「ひめゆり」

ひめゆり.jpg柴田昌平監督とトークショーでお話できました
生き残ったひめゆり学徒隊の方々によるインタビューの映像を
当時の野戦病院だった防空壕の様子や青い空、青い海をまじえて描く、
今は自然豊かな沖縄の地でかつて何があったのか、戦後80年近く経った今でも
凄まじとしかいえない光景を思い浮かべながら沖縄の地を訪れたのですが、
ひめゆり平和祈念館で映画でも見た方々の映像を再び見ることが出来て、
今自分が平和の中で過ごせることに感謝しました。

今作は公開当時と今とでは見る立場や時代背景が異なるので、
当時みたら(公開当時、産まれていましたがまだ映画を観る年頃でなかった)
どう思ったかな、と考えたものの、戦争未体験な立場だと、やはり柴田監督の
「ひめゆり」の方がその場面がなくてもよりリアルに想像することが出来た、
と思いました。

決して今作が悪い訳ではないのですが、
戦後(60年代)のゴーゴーバーで踊る若者たちが映るところから始まり、
そこでインタビューに答える男(渡哲也)が内田裕也の歌う「相思樹」の流れる中、
沖縄で起きたことを知ってほしいと答えた後に、戦時中の沖縄に舞台が変わる、
おそらく、当時の若者に対して戦争のことを忘れないでほしいという気持から
冒頭の場面をつくったのか思ったのですが、今の時代に見るとこの場面は逆の効果、
この場面なしで沖縄の舞台から始まってもよいかなと思えました。

「ひめゆり」と異なるのは、ひめゆり学徒隊で動員される前の平和な様子が
かなり長めに描かれていたことで、そこで先生を目指す生徒たち真剣な姿、が、
政府(軍)の命令によって一転、野戦病院(壕)での負傷兵の手当てに従事、
そして解散命令を受けて逃げるときに大勢の生徒たちが命を落とす、
この展開は、「ひめゆり」を観ていたせいか、この先どうなるのか理解しながら
観ていたので吉永小百合演じる和子が助かるのかなと思って観ていたら、
手りゅう弾で自害するという選択をしたので驚いたまま映画が終っていました。

見る順番が逆であったらもうちょっと違う印象だったかもしれませんが、
先にドキュメンタリーを観てしまうとやはり今作は心打たれるものの
フィクション(史実に基づく映画ではありますが)なんだなあというのが
正直な感想でした。

冒頭に出演者が映ったところに「野呂圭介」の名前を発見し、
「え、ドッキリカメラ!のおじさん、どこに出るんだろう」と
不謹慎ながら全然違う視点で見ている自分がいたのも原因かもしれません。
(野呂圭介、野戦病院の衛生兵としてちょびっと登場していました)

あと、南極に行ったり銀座をママチャリで爆走する姿しか知らなかった和泉雅子、
今作では悲しい最期だったトミを好演していて、若いときは可愛かったんだ、
新たな発見となりました。

と、ずれた感想を書いてしまいましたが、今作で思ったのは今と違う時代、
先生と生徒の信頼関係がとてもつよいこと(「ひめゆり」でも感じましたが)、
先生が生徒のために命をかけることを厭わないこと
(東野英治郎の校長先生や乙羽信子の先生の姿に泣いてしまった)
今の荒れた教育環境(⇐ニュースでその一端を観るとそう思う)と比べると、
学ぶことに真剣な生徒とその生徒と真摯に向き合う教師、という図式が
羨ましく思えました。

先生だけでなく当時は政治家ももっとまともだったのだろうな、なんて
見ながらふと思ってしまったのですが(^-^;
今こうやって(不平不満は山盛り状態ですが)平和で過ごせることに
感謝しないといけませんね。

私としてはどちらか一本だったら「ひめゆり」をお勧めしますが、
できれば両方見て戦争のない世界を作ってこうと気持ちをまず持つこと、
そのために自分でもできることはないか探すことが大事なのだろうと思った
「あゝひめゆりの塔」でありました。






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映画「エンドロールのつづき」を観る [映画(あ行)]

見そびれていた映画が田端のチュプキさんで上映されているのを知り
観に行きました。
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あらすじはYahoo!映画さんより。

インドの小さな町に住む9歳のサマイ(バヴィン・ラバリ)は、
学業のかたわら父親のチャイ店を手伝っていた。
ある日、家族と映画館を初めて訪れた彼は、すっかり映画に魅了される。
ある日、映画館に忍び込んだのがバレて放り出されるサマイを見た映写技師のファザルが、
サマイの母親の手作り弁当と引き換えに、映写室から映画を観ることを彼に提案する。

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自分も映画が好きでよかったなあと思えた作品でした。

原題は”The Last Film Show”。
通っていた映画館GALAXYでのフィルム映写がデジタルに置き換わること、
サマイが廃材を活用して映写機を手作りしそこでフィルム映画を投影すること、
そんなところからつけらた題なのかと思うと、エンドロールのつづきって?
サマイが観た映画のエンドロールの続きに彼がどうするのか、という意味で
つけたのかと思うのですが、いまいちしっくりこない邦題です。
(と毎度のことながら邦題に軽くツッコミを入れてしまいました。(^^;)

予告編を観ると、
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どこかこの映画に寄せているのかなと思ったもののそういう感じもあるかなと思いつつ、
今作のパン・ナリン監督が映画で多くの監督名を掲げ称えているところからも
監督が敬愛する映画の世界の人たちに捧げたいという気持を感じるような作品でした。

インドの映画だなと思ったのはカーストについての話が出てくるのですが、
カーストが下の人が成功する、とか、カーストが異なる男女が恋に落ちる、というのは
過去に観たことがあったのですが、今作では、バラモンというカーストでは上に属する
サマイの父が、多くの資産を親戚に騙しとられたしまったことでチャイを売る仕事を
つましく続けている、でも、バラモンであることのプライドは時折表面に出てきて、
という描き方がこれまでになかったので新鮮に思えました。

この父親はサマイが学校をさぼってくだらない映画を観ていることを快く思わない、
それに対して、サマイが出会う映画技師のファザル、と学校の先生から多くのことを
学びます。

ファザルは、映画は物語が全てであること、どう語るかが大事であることをサマイに
伝え、それを聞いたサマイは、線路端で拾った様々なデザインのマッチ箱を使って、
物語を作って友達に聞かせる、その時の輝くようなキラキラした目がなんともいえず、
たくさんの映画を観ること、ファザルからの教えによってたくさんのことを学びます。
そのファザルは映画館のデジタル化への切り替えによって職を解かれてしまいますが、
ファザルに対して感謝の念をもつサマイの機転のお陰で新たに職を得ることができて
見ている私もホッとしました。

サマイにとってもう一人の恩人は、学校の先生で、学校をさぽって映画館に行くサマイの
ことは知っていったと思いますが黙認していたように思えて、そんなサマイに対して、
何かやりたいのであれば、そのために大事なことは2つ、英語を学ぶこと、そして、
この町を出ることとサマイに伝えます。
(先生が「インドには2つの層しかない、英語が出来る層と出来ない層」という言葉が
 カースト制度が現存するインドにおいても大事なことだとしみじみ思いました)

映画の中で一点ひっかかったのは、倉庫に保管されていた映画フィルムを盗んでは
隣の廃駅に運んでは廃材で作った映写機で投影する(友達もサマイに協力)、
という場面で、投影していること自体は楽しそうでよかったものの、犯罪だしなあ、
とここはお国柄なのかさほど深刻には扱われていなかったのがひっかかりました。

という引っかかりがあったものの、ファザルと学校の先生の言葉のお陰で映画をつくる、
やりたいことが見つかったサマイに対し、それまで映画は低俗といっていた父親も
(自身は英語ができないためにチャイの店の経営もあきらめざるを得ない状況になる)
サマイにはやりたいことをやってほしいと親戚や知人にかけあってサマイの背中を
ぐっと押す姿に思わず目頭が熱くなってしまいました。

ずっとサマイを応援してくれた母親のお弁当がなければファザルも映画を見せてくれるか
わからなかったので、サマイの好奇心と行動力が惹きつけたご縁の中には、母親のお弁当が
大きな意味を持っていたと思いますし、その流れをぐっと強くしたのは父親のサマイに
対する応援の気持ちだったのだろうと思います。

サマイが列車に乗って旅経つところで映画は終わりますが、きっとサマイはこの後、
一生懸命英語を学び映画を学び映画監督になるのだろう(そのはず)と思いながら
どこかハレバレした気持ちで観終わりましたが、書きながら調べてみたら、
サマイは今作の監督の幼いころ、殆どが実話、ということが分かりました。

読んで納得。

と思うと、監督自身の話だと理解した上でもう一度見てみたいと思った、
「エンドロールのつづき」でありました。





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映画「EO イーオー」を観る [映画(あ行)]

ここのところまめに映画館に通うようになったのですが
(行かなくなったりやたら行ったり、の繰り返しです)
昨日の映画と同じく映画館で予告編を何度もみて気になっていた作品です。
EO.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

好奇心あふれる灰色のロバ・EOは、サーカス団で暮らしていたが、
ある日そこから連れ出される。
以来放浪の旅を続ける中で、善良な人間だけでなく、悪意を持った人間とも出会うが、
何があろうともEOが持ち前の無邪気さを失うことはなかった。


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EOといってもマイケルじゃないのね。(笑)
00s/deadstock限定マイケルジャクソン キャプテンEO Tee

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  • 出版社/メーカー: ノーブランド品
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どうしてもこれを思い出してしまうのは、ハッピー5Yearsの頃(昭和の終わり)、
ちゅーちゅーねずみーランドでバイトしていたのですが、
働いていたお店の斜め向かいの建物でこれがオープンしたからです。
って、今作は全然マイケル関係なし、ロバのEOのお話です。

(EO イーオーって、ロバの鳴き声?と思ったのですが、
 プーさんに出てくるロバのイーヨも鳴き声からつけられたのか思いました)

リアルでこんなに演技できるの?CG?と思ったのですが、6頭のロバが演じていたのを
エンドロールで知りました。
毛並みがさっきと違う、って思った私の目の錯覚ではなかったようです。(笑)

人間の愚かさと不条理さをロバの視線から描いた作品のように見えたのですが、
ロバという動物が馬ほど重宝されず、でも人荷運搬にも使う動物、
サーカスでも花形というほどではないイメージで、サーカス団が破産し、
動物愛護団体によって(サーカスは動物虐待という理由)保護され、
転々としていきます。

途中、サーカス団でEOと一緒にパフォーマンスを行っていたカサンドラが
EOのところにやってくるので、連れていくのかな、と思ったら、
「俺とロバとどっちが大事なんだ」と恋人に聞かれて、
迷うことなくさっさと恋人と去っていきます。
それきりカサンドラは出てこないのですが、一緒にサーカス団で仲良く暮らして
いたのに、サーカス団がなくなったらEOを懐かしく思うものの一緒に暮らそう、
という頭にはならないところが人間って身勝手だなと思いました。

その後、ポーランドからイタリアまで、歩いたり車に乗ったりしながら移動するEO。
EO.pngワルシャワからローマまでだとこんな感じ
歩いたら14日かかるみたいです。(Googleマップ調べ)

馬牧場からロバ牧場(ここでカサンドラと再会)、その後逃げ出して、捕獲されて
途中、毛皮工場(狐が電気ショックで殺される音が結構怖いです)に連れていかれ
狐を殺す人間に対して怒りを覚えたのか、蹴りを入れて逃げたり、
捕獲した消防署のおじさんが出場したサッカーの試合で大きな声で鳴いて
それが原因で消防署のおじさんのチームが勝ったものの、相手チームは納得せず
そのうち暴動が起きてしまったり、、、EOを載せたトラック運転手が暴漢に殺され、
代わりに司祭(若い)がEOを連れてイタリアまで車で移動し、
(この場面でフランス人女優のイザベル・ユペールが出てきてびっくり)
更にそこから場面が変わって牛の牧場で牛と一緒に移動している場面で
映画は終わります。

放牧から牛舎に戻る牛の群れの中にいるEOを観ていると、
この先EOが幸せに暮らせるのか、そう思えなくて悲しい気持ちになって
見終わりました。

EOのつぶらな、でもどこか寂しげな瞳、もふもふした毛並み、
走ることなく寂しげにのろのろ歩く姿、そして時々大きな声で悲しげに鳴く姿、
観ていて楽しいかと言われると、EOが人間の都合や愚かさに振り回されっぱなしで
EOが可哀想というか不憫に思えて仕方なかったのですが、動物映画≠可愛い、
と思いがちな私も人間の身勝手さや愚かさをロバの目線で観ることができて、
自分の振る舞いは大丈夫だろうか?他人に迷惑をかけない生き方をしていかねば、
そんなことを考えた、「EO イーオー」でありました。


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