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映画「セールスガールの考現学」を観る [映画(さ行)]

学生時代に3本立てとか名画座で観たことを思い出しながら、
昨日記事を書いた「パリタクシー」鑑賞後に移動し、違う映画館で観た3本目です。
(趣の異なる映画であれば3本観ても問題ないことを今作で確認できました!)
考現学.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

大学生のサロール(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル)は、
ケガをしたクラスメートのナモーナ(バヤルマー・フセルバータル)の代理として、
アダルトグッズショップでアルバイトをすることになる。
高い給料なのに仕事は簡単だと聞いたサロールは、1か月だけ働くことを決める。
ショップのオーナーは、カティア(エンフトール・オィドブジャムツ)という
謎の多い女性だった。

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人生初のモンゴル映画、楽しく鑑賞できました。(^-^)

モンゴルというと、

ゲル、遊牧民、羊、星空、そして旭鷲山

自分のモンゴルに対する知識が少なすぎて(しかも全く更新されていない)
この程度しかなかったのですが(朝青龍とか白鵬もいましたね(^-^;)
今作を観て未訪の土地ながら都市部(舞台はウランバートル)の様子を
垣間見ることができました。(オシャレなお店がいっぱいあるとか)
あとは、家に帰ってきたら靴を脱ぐ習慣とか親近感を感じたのですが、
顔が似ているものの使う文字はキリル文字(ロシア語と同じ)、
発音もどこかロシア語ぽいし、ロシア料理のお店も出てくるし、
地理的にはロシアに近い(交流も多いのでしょうね)という印象でした。

主人公のサロールの雰囲気がどこか不思議チャンというか、
あまり笑わず(いつも物憂げな感じ)外見もどこか野暮ったい感じ、
(同級生は髪も染めたりして結構オシャレ)
足を骨折した同級生に頼まれて引き受けた大人のお店のバイト、
引き受けるときもそんなに抵抗なく、店番している時も配達する時も
実に淡々としていて(来店者の質問にも適切にアドバイス(笑))
フェルトスリッパを作って市場で売る両親(そんなに裕福ではない)を
支えるためなのか、自分のやりたい夢を叶えるためなのか、
全然楽しくなさそうに働いていて(でも仕事ぶりは優秀)いて、
この先サロールはどうなるんだろうと見続けていると、
お店のオーナーのカティアと触れあうことによってどんどん変化していくサロール、
どんどんきれいに、どんどん明るい表情になっていく様子が微笑ましく、
そんなサロールを応援している自分がおりました。
(前髪をおろしてゲジ眉を隠していたのが前髪を上げてから明るさ加速)

親に逆らえず大学で原子工学を学ぶサロールですが、
本当にやりたいことは絵を描く事(でも親にはそれを言えない)、
カティアに対して最初は抵抗も見せたりしていましたが、
カティアのことを知って少しずつ心を開いていきて、自分のやりたいことを
親にも伝えることができたサロールの表情がなんとも言えず
明るくて楽しそうで、ハッピーな結末に温かい気持ちになりました。

お店のオーナーのカティアは過去に色々あった40代くらいの女性で
人生経験が豊富な分、サロールが後悔しないよう背中を押す存在で、
最初はサロールにどこか無理強いしているように見えてしまい
あまり共感できなかったのですが、サロールと出かけて話していくうちに
サロールが前向きに変化していく様子、それを観てホッとするカティア、
サロールも身内でない年長者のカティアと出会うことで大人の階段を上る、
人との出会いは人生のどの段階においても、特に若い時には大切だなあ、
そんな気持ちになれた(自分はそうだったかな、なんて思い返して(^-^;)
「セールスガールの考現学」でありました。


(おまけ)


The Dark Side of the Moon

The Dark Side of the Moon

  • アーティスト: Pink Floyd
  • 出版社/メーカー: Parlophone (Wea)
  • 発売日: 2011/09/26
  • メディア: CD

カティアがやっと見つけたとサロールに見せるLPがピンクフロイドの「狂気」。
サロールに匂いを嗅いでみなさいとレコードを渡しながら
「1970年代の匂いがするでしょ」と嬉しそうに言っている様子を見て、
リアルタイムの私もなんだか嬉しくなりました。

と、ピンクフロイドのLPを嬉しそうに見せるカティア、エンドロールでは大人の店で
販売されているものを使って早業を見せてくれます。(真似したサロールはできない)
こんな場面、日本の映画だったらやることを躊躇しちゃいそうだなあ、
なんて思いました。(明るい雰囲気なので全く無問題!)








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映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」を観る [映画(さ行)]

一昨日手術、と書いたままその後について書いておりませんでしたが、
2時間くらいで無事終了し(局所麻酔が覚めないまま帰宅)、
その後、傷口の痛みやら指がいまいち動かないやら、という感じですが、
担当医によれば順調らしく、今後自主練やリハビリで早い回復を目指したいと
思います。やはり健康第一ですね。実感しております。(^-^;

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予告編を観て気になっていた作品です。
聖地.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

イランの聖地マシュハドで売春婦連続殺人事件が発生する。
「街を浄化する」という信念のもと、犯行を重ねる殺人鬼“スパイダー・キラー”に
人々は恐怖を抱く一方で、犯人を英雄視する市民も少なからずいた。
そんな中、事件を覆い隠そうとする圧力を受けながらも、女性ジャーナリストの
ラヒミ(ザール・アミール=エブラヒミ)は臆することなく事件を追い始める。
ある夜、彼女は家族と暮らす平凡な男の狂気を目の当たりにする。


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2000年から2001年、実際に起きた事件に着想を得た作品です。

原題は”Holy Spider”、聖なる蜘蛛、という意味ですが、
殺人犯が”Spider Killer(蜘蛛殺し)”と呼ばれること、
イランのマシュハドという聖都が舞台であること、
中心の広場から蜘蛛の巣のように道が放射状にのびていることなどから
このタイトルがつけられているのではないかと思いました。

冒頭に娼婦が殺害される場面、犯人のバイクなどが映されて、その後、
犯人ぽい男性が映るのでこの人か、、と思っていたら今度は顔が映っての
殺害場面、なので私を含めた観客は犯人のことが分かっているので、
犯人捜しでドキドキする代わりに、犯人を追う女性ジャーナリストのラヒミが
危ない目に遭いそうになる場面が多くそのドキドキ感が終盤まで続きました。

イスラム教の世界、蜘蛛にならざるを得ない女性たちの厳しい境遇もあるのだろう、
(冒頭に殺される女性はシングルマザー)と思って観始めたのですが、
ラヒミがマシュハドに到着しホテルにチェックインしようとしたところ、
予約しているにも関わらず独身であることを理由に宿泊を断られる場面、
警察の幹部にもあからさまな女性蔑視で協力してもらえない、
女性差別(今から20年前)が酷かったことは容易に想像できます。

一方で、娼婦たち(多くは薬の依存症)を殺して街を浄化するという大義の下で
殺人を繰り返す犯人、ラヒミが危険を冒して囮になることで犯人が捕まり、
その後裁判にかけられますが、元軍人(イラン・イラク戦争の前線に従事した経験あり)
の犯人は、退役軍人のコミュニティの後ろ盾があるせいか、自分のやったことは
正義であり、悪いことはしていない、罪にも問われないと余裕の表情で、
このまま終わるわけがないとみていたら最後の最後、やはり罪は罪として
犯人が裁かれ、最後は当然の報いを受ける死刑の場面、ホッとしましたが、
観ていてスッキリとか気持ちのいいものではありませんでした。

冒頭の殺害場面から最後まで(ベテラン娼婦を殺害する場面が本当にひどかった)
犯人の家族は守るが(自分は戦争にもいったし善良な市民というエゴ)、
娼婦は汚いから消してやる、という態度、更に、10代の息子が父(犯人)を尊敬し、
父の死後に受けたテレビインタビューで父の犯行の様子について語る場面、
全く共感できませんでしたが、今も女性差別や犯人の行ったことに対して
イランの情勢が変わっていないのだろうなと思いました、

(現在のイランについてちょっとだけですが調べてみたら、ヒジャブの着用が不適切と
 女性が逮捕されその後亡くなる事件も昨年発生していました)

祖国についてこういう映画を作ることに対しての葛藤もあったと思いますが、
イラン出身のアリ・アッバシ監督が描きたかったこと、イランについて
中東以外の人にも知ってもらうことも製作のきっかけだったのかと思いました。

イランでは上映禁止、デンマーク・ドイツ・スウェーデン・フランス合作、
撮影はヨルダン、というのがイランの現状を映し出しているのかもしれませんが、
私自身は観るのが辛い映画だったものの、イランへの関心を持つというきっかけを
持つことができたことは良かったと思えた「聖地には蜘蛛が巣を張る」でありました。



(おまけ)

鑑賞したヒューマントラストシネマ渋谷に飾ってありました。
映画ポスターイメージを実際織ったもの。
中東が舞台の話らしい演出ですね。
IMG_4515.JPG



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Amazon Prime「ジャネット・ジャクソン 私の全て」を観る [映画(さ行)]

ドキュメンタリー系の映像が好きなのでおススメに出てきて飛びついてしまった作品です。


ドリーム・ストリート

ドリーム・ストリート

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/08/01
  • メディア: Prime Video

Amazonで検索すると違うタイトル(おそらく原題)が出てきますが、
この作品です。 

あらすじはAmazon Primeさんより。

伝説のシンガー"ジャネット・ジャクソン"が、これまで明かしてこなかった人生を
振り返る、自身初のドキュメンタリー。
複雑な幼少期、兄姉や親との関係、成功までの道のり、そしてマイケルとの想い出や
スキャンダルによる転落まで、本人や家族、友人達が、その全てを語りつくす!



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ジャネットについて実はよく知らなかったので、
今回知ることができて良かった、と思える作品でした。

2017年のツアーを撮影するきっかけから、ジャネットが保管する大量のビデオと
インタビューを重ねること5年で公開されたドキュメンタリーだそうです。

4つのエピソードで構成されている本作ですが、
1つ目のエピソードはインディアナ州からジャクソン5が誕生したころ、
ジャネットは小さい頃からドラマに出演し、ステージパパである父の言う通り、
芸能活動を行っていた頃の話ですが、最初にジャネットを知ったきっかけが
中村雅俊と一緒に出演していたCMでした。


YouTubeって便利ですね。検索したら出てきてびっくり。
日本の歌謡番組にも登場し、マイケルの妹、可愛いなーと思っていたことを思い出しました。
ジャクソン5もそうですが、この頃のジャネットは父ジョーの強権に従っていたイメージで、
ジョーにはいい印象がなかったのですが、インディアナ州の小さな家からLAの大きな豪邸に
引っ越せたのは父のお陰と、兄と語る場面もあり、不満があっても今の自分がいるのは
父のお陰と思っているのは意外でした。
また、この頃、最初の結婚(ジェームズ・デバージ)をしているのですが、父の呪縛から
解かれたいと思っていたのかもしれませんね。

続くエピソード2では、父ジョーやジャクソン家から独立しようとしたジャネット、
コントロール

コントロール

  • アーティスト: ジャネット・ジャクソン
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2012/09/19
  • メディア: CD
リズム・ネイション1814

リズム・ネイション1814

  • アーティスト: ジャネット・ジャクソン
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2012/09/19
  • メディア: CD
この頃のジャネットです。私もリアルタイムで聴いていたのでよく覚えています。


これらのアルバムをプロデュースしたジミー・ジャム&テリー・ルイス
彼らのプロデュース作品(シュレールとかぺブルスとか)も聴いていたので、
今でも思い出深い作品ですが、「Control」では、マイケルの妹であることで注目され、
マイケルの真似と言われてご苦労されていたのも今回知ったのですが、
続く「Rhythm Nation」ではその酷評も打ち破り、 
このCMも未だに記憶に残っています。

エピソード3では、2番目の結婚(映像作家のレネ・エリゾンド)の中で、
ジャネットが更に進化していく様子が映されます。
ザ・ヴェルヴェット・ロープ

ザ・ヴェルヴェット・ロープ

  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/03/31
  • メディア: CD
この作品の頃で、夫レネのプロデュース力もあったと思いますが、
ジャネットが歳を重ねて深みを増す(俳優としても活躍)のを観て、
その後、2人が離婚訴訟で分裂してしまったものの、ジャネットの前向きな変化を
感じることができました。

ただ、ジャネットが成功を積み上げていく中で、マイケルのスキャンダルが発生し、
巻き込まれるというかジャネットにもやはり影響が及んだことも描かれていました。
(コカ・コーラと契約寸前のジャネットがマイケルのスキャンダルで契約できず
 なんてエピソードもありました)

渦中の中でも契約通りにツアーを行うジャネット、

その中でマイケルと一緒に作った「Scream」の制作風景もビデオで映されていて
この歌がそういう中で作られていたことも今回初めて知りました。 



最後のエピソード4は、2004年のスーパーボウルのハーフタイムショーでのアクシデント、
これによっていろいろなところから締め出されてしまったジャネットが
ブラックコミュニティによって支えられ復活していったことが描かれていました。
ジャネット・ジャクソン in 最強の夫婦 [レンタル落ち]

ジャネット・ジャクソン in 最強の夫婦 [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2013/03/08
  • メディア: DVD
ひどい邦題ですが、この映画がヒットしたそうで(未見です)、
そこから復活していったジャネット、マイケルの死やロックの殿堂入りなども
描かれていましたが中東の富豪と結婚してお子さんを授かった話については
色々問題があるのか作品の中では述べられていませんでした。

本人のインタビューの他に色々な人達のインタビューも出てきて
ジャネットの半生について理解が深まったのですが、
ポーラ・アブドゥル(ジャネットの振付師)やジャネール・モネイ(ジャネットを尊敬)は
まあわかるとして、なぜマライア・キャリーが出てくるの?と最初不思議に思いました。
デビュー時期は違うものの同年代、マライアもアフリカ系の血を受けていることで
(デビュー当時はソウルトレインにも出演していたのは記憶にあります)
ジャネットに共感する部分があるのだろうとインタビューを観て理解できました。

先日観たボウイ様の作品(1990年代以降が描かれていなかった)と異なり、
小さい頃から今に至るまでが描かれている分、親近感が更に増して、
過去の作品も聴きなおしたいし、今のジャネットをもっと知りたいと思えた、
「ジャネット・ジャクソン 私の全て」でありました。



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映画「劇場版 センキョナンデス」を観る [映画(さ行)]

田端のChupkiさんの上映スケジュールの中に
面白いタイトルの映画を観つけたので観に行きました。
センキョナンデス.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

YouTubeの番組「ヒルカラナンデス」で時事問題をテーマに掛け合いを繰り広げる、
ロンドン育ちのラッパー・ダースレイダーと時事芸人のプチ鹿島。
二人が2021年の衆議院議員総選挙で香川県を、2022年の参議院議員総選挙では
大阪府と京都府を訪ね、十数人の候補者に突撃取材を行い質問をぶつける。
2022年の取材時には、安倍晋三元首相の銃撃事件の報道が飛び込んでくる。

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選挙の見方が変わる映画でした。(◎_◎;)

前半、既視感があると思ったら、
香川1区 [DVD]

香川1区 [DVD]

  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2022/09/30
  • メディア: DVD
立憲民主党の小川さんが小選挙区での当選を目指す(一昨年)様子を
映し出したドキュメンタリー、と同じ時期の香川県で、
地元の四国新聞はじめ地元メディアを牛耳る一族の平井さん(初代デジタル大臣)、
一方、地盤、看板、カバン無し、パーマ屋の息子、小川さん、
そこに割って入るように立候補した町川さん(日本維新の会)、
今回観た映画のプロデューサーが「香川1区」監督の大島新さんとはいえ、
小川さんに変に偏ることなく、3者3様の選挙活動の様子を
時事芸人のプチ鹿島さんとラッパーのダースレーダーさんが追いかけます。

演出とか編集はあるとはいえ、比較的中立の立場から追いかけている2人、
特に面白かったのは、四国新聞(平井一族経営)が小川さんに取材せず
批判記事を書いたこと、それに対して2人が取材を申し込むと、
FAXで質問を送ってくださいという四国新聞の総務担当。
(イマドキFAXで質問するの?デジタル大臣のメディアなのにと苦笑)
プチ鹿島&ダースレーダーが期限として指定した(送って3日後)日時の
1分前に送り返してきた四国新聞の返事がこれまたひどくて、
(取材しないで記事を書いたのに取材方法は間違っていないと数行で開き直り)
その場面に、ミニシアター内、爆笑に包まれていました。

今の日本、大手メディア(新聞やテレビ)が忖度ばかりで偏向報道、
最近、私自身はテレビを殆ど見なくなったのですが
(ニュースは最低限ネットでテレ東Bizと日経新聞を観るくらい)
日頃から新聞を10数紙読むプチ鹿島さんが地方に行くと嬉々として
その土地の新聞を買って読むのですが、四国新聞の偏りぶりは凄くて、
平井さんの選挙のために四国新聞があるのかと思ってしまいました。

なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD]

なぜ君は総理大臣になれないのか [DVD]

  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2021/04/30
  • メディア: DVD
小川さんを追いかけたこの作品でも、政治家として選挙で当選したとしても、
与党で当選回数が多くないと意見もいえず、要職(大臣)にもつけない、
一票の重みがないがしろにされるような国会の構図が炙りだされるのですが
当選回数が多くて大臣になった人が適材適所ではない上に勉強不足で失言多発、
それで大臣がころころ変わるようなそんな日本ってなんだろうと思うわけで、
初代デジタル大臣の持つメディアが「取材はFAX」で、というのもずれていて、
蓮舫を「れんぽーさん」と呼んだ某大臣が改正サイバーセキュリティ基本法を
担当しながら「スマホは操作するがパソコンは触らない」みたいなことを言って
いたのをふと思い出しました。(千葉県の議員だと知ってショックでした(笑))

後半は、昨年夏の選挙、辻元さんも出てきて「うわー」と正直思ったのですが、
話すのは上手だし(でも好きになれないけれど)真面目な部分もあるのだろう、
自分が思っていなかった部分も描かれていたのはちょっと新鮮でした。
その取材途中で、安倍さんの事件があって、それまでお祭り気分で選挙活動を
取材していた2人も色々考える、という流れに変わっていくのですが、
(事故直後「言論弾圧は決してあってはならない」と言っていましたが、
 実際はそのために犯人が事件を起こしたのではないのですよね)

久しぶりの菅直人さんも登場していましたが、「闘うリベラル」が暴走したのか、
日本維新の会に挑むため、大阪に足を運んで選挙活動をサポートする姿、
それが立憲民主党の上層部には困ったなあ、みたいに思われていたのか、
その後、2つの党が歩みより(共闘)みたいなニュースもあったので、
今の状況と昨年夏の様子を照らし合わせてみると面白いなとも思えました。

選挙というと、必ず投票には行くものの行かなければといった義務感で
自らすすんでという感じではなかったのですが、この作品を見ると、
もうちょっと真面目に自分の1票について考えて大切に投票しないと、
そんな気持ちになりました。

といっても、全編通して、クスっと笑えて時に爆笑できたりする、
「選挙」を通して今まで見えていなかった(見ようとしなかった)風景を
見せてもらった気持ちになれた「劇場版 センキョナンデス」でありました。


(お二人のYouTube)肩ひじ張らずに見られます(^-^;


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映画「すべてうまくいきますように」を観る [映画(さ行)]

ソフィー・マルソー主演の映画、映画館で観ることができました。
すべてうまく.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

人生を謳歌(おうか)していた85歳のアンドレ(アンドレ・デュソリエ)は
脳卒中で倒れて体が不自由になり、娘のエマニュエル(ソフィー・マルソー)に
人生を終わらせる手助けをしてほしいと頼む。
戸惑う彼女は父の考えが変わることを期待しつつも、合法的な安楽死を支援する
スイスの協会と連絡を取り合う。
一方、リハビリによって順調に回復するアンドレは積極的に日々を楽しみ、
生きる希望を取り戻したかのようだった。
しかし、彼は自ら定めた最期の日を娘たちに告げ、娘たちは葛藤しながらも
父の決断を尊重しようとする。


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ソフィー・マルソーが美しく年を重ねている姿に見惚れてしまいました。
ソフィー・マルソー 「ラ・ブーム」 [DVD]

ソフィー・マルソー 「ラ・ブーム」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/11/24
  • メディア: DVD
1、2と映画館で観た世代です。(パンフレットも持ってます(笑))

と、美しい中年女性になった(あちこち疲れる世代を好演しつつも美しい)姿を
羨望の眼差しで観ていたのは本筋の感想ではないのですが、
自分の人生は自分で決める、出来そうで出来ないような、でも自分で決められれば
そこに後悔はないのかな、という気持で観終わりました。

原題は”Everything went fine”、と過去形の文章なので、
原題を先に知っていると先が見えてしまいますね。(^-^;

尊厳死がテーマになっている作品ですが、
世界一キライなあなたに [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

世界一キライなあなたに [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2018/01/17
  • メディア: Blu-ray
不慮の事故で半身不随になってしまった富豪が尊厳死を選ぶ、という映画と
どこか重なってしまったのですが、今作では脳卒中で思うように動けない自分の人生を
終わらせたいと願う実業家のアンドレの様子が丁寧に描かれていたと思います。
自分の体が思うように動かないことによる自暴自棄、私自身も昨年の骨折で
(いずれこの件については備忘録として記事を書こうと思っています)
思うように動けないことへのイライラがありました。
(当然ですが歩いたりは出来たので、今作ほど辛い状況ではありませんでしたが)

アンドレの人生を終わらせたいという言葉に娘のエマニュエル(ソフィー・マルソー)が
葛藤しながらも願いを叶えてあげよう(翻意する可能性にも期待しながら)と
そのために必要なことはなにか、調べて行動する姿を見ていると、老いた親を持つ自分も
どこか姿を重ねてみていました。

実業家で裕福なアンドレ、長らく別居中の妻(シャーロット・ランプリング!)、
妻の親にゲイと昔罵られたことをずっと恨んでいるのですが、
付き合っていた男性(ジェラール)がまたクズ(DVでアンドレのお金目当てみたいな)で
エマニュエルも遠ざけておきたかったものの父が最期を迎える前にと対面の機会を作る、
自分の気持ちより父の気持ちを慮る姿には自分が母のやりたいことを葛藤しながらでも
叶えてあげられるだろうかという気持ちになりました。

スイスに移動して安楽死の手続きを行う日を決めた後、色々な人に話してしまったが故に
話を聞いた誰か(父の交際相手のジェラールではないかと暗示されますが真相不明)が通報、
実行寸前で警察に呼ばれるエマニュエルと妹パスカル、弁護士に相談するものの
(本人の安楽死の意思表示の動画も撮って公証人に提出していたからなのかもしれませんが)
正直に話すように言われて計画について一通り説明したら帰ってよいと言われ、
その後、アンドレをスイスに向かう車に乗せて見送る、そんなにスムーズにいくわけも
ないと思いながら見ていましたが、エマニュエルの準備に漏れがなかったお陰で警察も
違法だと手出しできなかったのかな、と推測しました。

スイスの尊厳死協会の担当女性(演じていたのはハンナ・シグラ)が、
定年までは司法官として働いていたこと、退職後は友人の活動(尊厳死協会)を手伝って
いることをエマニュエルに説明した後、スイスまで行って計画中止をした人もいる、という
事例を聞くのですが、ここでエマニュエルがこの女性や団体の支援活動について理解できた
ような(信頼を持てるような)表情になったように観えました。

フランソワ・オゾン監督作品でこれまで観たいくつかの作品は、
自分にしっくりくるようなこないような、という感じの作品が多かったのですが、
今作は悲壮感漂うつくりにはなっておらず、どこかクスっとしてしまう場面もあって
内容が内容なのですが、陰鬱な気持ちになることなく観ることができました。

尊厳死を希望してスイスまでいって実行できるのはそれなりに裕福でないと難しそうで、
一般庶民がそう思っても簡単にできる話ではないとは思いますが、
1人の人間としての尊厳をもって死を迎えられるのは幸せなことなのかもしれない、
そう思いながら自分もいつか迎えるときどうしたいのか考えた方がいいのだろうな、
と思った「すべてうまくいきますように」でありました。

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Amazon Prime「サウンド・オブ・007」を観る [映画(さ行)]

アマゾンプライムで観つけたドキュメンタリーです。


サウンド・オブ・007

サウンド・オブ・007

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/10/05
  • メディア: Prime Video

内容はAmazon Primeさんより。

マット・ホワイトクロス製作の新ドキュメンタリー。
象徴的なテーマソングの1962年製作「007/ドクター・ノオ」の誕生から、
ビリー・アイリッシュがアカデミー賞(R)を受賞した2021製作、
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで、ボンド音楽の歴史を紐解く。



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1作目から改めて観たくなりました。(^O^)/

007シリーズの音楽(ここまで長くシリーズが続いている映画も他にありませんが)、
テーマ曲のフレーズがバックに聞こえる主題歌(初期の作品はそうでないのもありますが)、
映画の中で特にジェームズ・ボンドの内面を表すのにアレンジされて流れるテーマ曲、
私自身、テーマ曲がすっかり刷り込まれている独特の世界だと思っていますが、
携わった方々によるインタビューで説明してもらうと合点することが多く、
今回見たことを映画で見て作品を観ながら確認してみたい気持ちになりました。

007/ドクター・ノオ [Blu-ray]

007/ドクター・ノオ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray
1作目は主題歌がなかった、というか成功するかもまだ未知の007作品1作目、
ミュージカル音楽を制作するモンティ・ノーマンがシタールで演奏していた
"House of Biswas”をエレキギターで奏で、更に力強さが足りないという指摘に
新たに参加したジョン・バリーがアレンジしてあのテーマ曲が誕生したことも
今回初めて知りました。

(時代と共にテーマ曲のアレンジも進化しているんですね)



ロシアより愛をこめて [Blu-ray]

ロシアより愛をこめて [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2015/10/07
  • メディア: Blu-ray
2作目からは主題歌も登場(トム・ジョーンズの熱唱)しますが、
主題歌に盛り込む要素がたくさんあり(殺人、セッ〇ス、キス、などなど)、
禁断の魅惑、そして切ない気持ちになる、謎と陰謀渦巻く世界に導く役割の主題歌、
その後、シャーリー・バッシーによる「ゴールド・フィンガー」から
最新作のビリー・アイリッシュによる「ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで、
時代の流れとともに変わっていくのを興味深く観られました。
映画の中で主題歌のメロディがアレンジされて流れるのが007シリーズらしく、
特に、最新作ではアレンジせずにビリー・アイリッシュの歌声が流れますが、
それがもう(後半)泣きのツボにはまったことを思い出しました。(:_;)

主題歌も熱唱からポール・マッカートニーやデュラン・デュランなどの
(インタビューに登場するジョン・テイラーのおでこ皺に時の流れを感じました)
ミュージシャンが自分で作って自分で歌うというスタイルに変わっていき、
007シリーズ50周年の作品、
007/スカイフォール [Blu-ray]

007/スカイフォール [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2020/11/11
  • メディア: Blu-ray
「スカイフォール」では、シャーリー・バッシーのファンでもあるアデルが、
脚本をお風呂でお湯が冷えるまで読み込み作った作品が一切の手直しが要らない
完璧な作品であったと音楽プロデューサーのハンス・ジマーから語られる、
ああ、そのくらいアデルの思いが入った歌なんだなあと熱い気持ちになりました。

一方で、
007/ゴールデンアイ [Blu-ray]

007/ゴールデンアイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray
U2のボノとエッジがつくった主題歌ですが、雑につくられたデモテープが
ティナ・ターナーの手元に届き、彼女が一体どう歌えばよいのか困惑した、
というエピソードに、実際のデモテープが流れると、ああこれじゃあ確かに(笑)、
と思いつつ、スタジオでティナとボノ、エッジがあの主題歌まで仕上げていった、
さすがプロ、という気持にもなりました。

また、レディオヘッドの曲(Man of War)が未公開曲でなかったために
作り直している間に、サム・スミスの曲が選ばれてしまった「Spectre」、
プロデューサーのバーバラ・ブロッコリが主題歌を依頼したエイミー・ワインハウス、
薬とアルコール漬けでとても歌を作れる精神状態ではなく、結果的には
ジャック・ホワイトと、アリシア・キースによる「Another Way to Die」が
採用された話、ブロンディ、エイスオブベイスなども主題歌を歌う候補だったなど、
個人的にはエイミー・ハインハウスの主題歌、聴いて観たかったなあ。。。。

007/女王陛下の007 [Blu-ray]

007/女王陛下の007 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray
観た当時、個人的には響かなかったこの作品、
主題歌を歌うルイ・アームストロングのエピソード(闘病中に録音)や
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ブルーレイ+DVD (ボーナスブルーレイ付) [Blu-ray]

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ブルーレイ+DVD (ボーナスブルーレイ付) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2022/03/02
  • メディア: Blu-ray
ボンドがマドレーヌとドライブしている場面で、ボンドが「時間はたっぷりある」と
いうのですが、女王陛下の007での場面を最新作でも演出し、そこに流れていたのが
ルイ・アームストロングの主題歌(のメロディ)、こんな演出ができるのも長らく続く
007シリーズならではだと思いますが、音楽を分解して蓄積を足して組みなおす、
とハンス・ジマーが語るのを聞いて、他のシリーズでは不可能なことであり、
長年の蓄積があってこそなのだと思いました。

と主題歌について楽しく観ていたのですが、一方で失敗作として取り上げられたのが
007/オクトパシー [Blu-ray]

007/オクトパシー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray
007/ムーンレイカー [Blu-ray]

007/ムーンレイカー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray
この2作品。私は別にそう思っていないのですが、どうしても他と比較されますし、
シャーリー・バッシーはこの歌はもう歌いたくないと言っているくらいなので、
製作側としては不満足、なのでしょうね。
(マドンナとかアハの主題歌は映画の中で取り上げられることもなく残念)

米ソ冷戦の頃から50年以上経って想定する敵国も変わり、ピアース・ブロスナンが
ボンドを演じていたころの敵はメディア王だったりと世の中が大きく変化する中で
それでもシリーズを制作し続けられるのは物語の設定だけでなく音楽によるところも
大きいのだと思うと、やっぱりドクター・ノオから見直して音楽も楽しみたいと
思った「サウンド・オブ・007」でありました。








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映画「世界で一番ゴッホを描いた男」を観る [映画(さ行)]

アマゾンプライムで見つけたドキュメンタリーです。

世界で一番ゴッホを描いた男(字幕版)

世界で一番ゴッホを描いた男(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2019/05/10
  • メディア: Prime Video
内容はYahoo!映画さんより。

中国の湖南省出身のチャオ・シャオヨンさんは、
1996年、大芬(ダーフェン)に出稼ぎにやって来る。
そこではゴッホなど有名画家の複製画を作ることが産業として成り立っていた。
彼は、初めてゴッホの絵画と出会い、独学で油絵の描き方を勉強して、
およそ20年にわたって狭い工房でゴッホの複製画を描き続けてきたが、
本物を目にしたことは一度もなかった。

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ゴッホの複製画を10万点描いた男。

絵心のない私には、絵画(しかも油彩)が描ける人は尊敬の対象ですが、
しかも10万点も描いてきたということにただ驚きました。

深圳の大芬(ダーフェン)に絵画村と呼ばれる複製画を描く職人が集まるエリアが
あることを今作で初めて知ったのですが、注文を受けて奧さんや兄弟、弟子と手分け
しながら描く(家内制工業のような、工房というよりは小さな工場のような場所)
ゴッホの実際の作品を観たことがないシャオヨンさんが画集やテレビからの情報のみで
筆遣いを研究して次から次へと絵を完成させて注文主の元(オランダ)へ送る繰り返し。

大量の複製画注文を低価格で請け負い、描いても描いても貧しい生活は変わらない中、
(深圳が急速な経済発展を遂げる中、シャオヨンさんの零細企業は請負金額が上がらず)
ゴッホの描いた本物の作品を観にオランダに行きたいと奧さんに言うのですが、
お金がないのにどうやっていくのか、と、奧さんには当然反対されます。
オランダに行って学ぶことで作品の質が上がって収益向上につながるなどと
繰り返し説明してやっと承諾してもらいますが、渡航するまでの道のりも長く、
農民戸籍のシャオヨンさんは故郷の湖南省まで行ってパスポートを取得し、
オランダ渡航のビザが下り、お金も工面できてやっとアムステルダムを訪れることに。

念願のアムステルダム、意気揚々と模造画の注文主に会うのですが、
自分の描いたゴッホの複製画が飾られているのを見て誇らしげな気分になった後、
そこがギャラリーではなく土産物店で請負額の10倍の値段で売られていることを知り、
シャオヤンさんはショックを受け落胆します。

映画の前半で描かれる姿は複製画を描く職人であって芸術家ではない、
シャオヤンさんは都市戸籍がなく地方の貧しい土地で育ち、学歴も小学校卒業、
職を探して深圳にやってきて見つけたのがゴッホの複製画制作だったわけですが、
(母一人に育てられた環境では仕方なく、苦しい中育ててくれた母には感謝している
というシャオヨンさんの姿に思わずウルっとしてしまいました)
自分が一生懸命研究して描いた絵の行先を目の当たりして、また、ゴッホの実際の作品を
直に観ることでシャオヨンさんの気持ちにはゴッホへの更なる尊敬の気持ちと、
自分の描きたいを描いてみたいという気持ちに変化していきます。

生活の糧を得るために複製画を描き続けながら、
50年、100年先に評価されるかもしれない自分の作品を描きたい、と、
最初に描いたのが辛く貧しい思い出のある湖南省の故郷に住む大好きな祖母、
深い皺が刻まれたおばあちゃんを描くシャオヨンさんの姿はとても楽しそうでした。
アムステルダムでゴッホの作品を観たことでゴッホへの尊敬が更に強まって
自分のやりたいことが見つかったこと、シャオヤンさんがとても真面目な人なんだろうな
と画面越しに伝わってきましたが、ゴッホと出会ったことで前向きな気持ちになれた
シャオヤンさんが自分の描きたいものを心の思うままに描けることの幸せを感じている
のではないかと思った「世界で一番ゴッホを描いた男」でありました。











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映画「すずめの戸締り」を観る [映画(さ行)]

新海誠監督の最新作、やっぱり見ておこうかな、と映画館で鑑賞しました。
すずめ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、
”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。
草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、
そこにあった古い扉に手を伸ばす。
やがて、日本各地で扉が開き始めるが、
それらの扉は向こう側から災いをもたらすのだという。
鈴芽は、災いの元となる扉を閉めるために旅立つ。


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ダイジン。。。(;_:)

恐らく多くの方がダイジン(という名前の猫)が主人公の鈴芽(すずめ)のために
とった行動に最後ウルっとしたと思いますが、私もウルウルでした。

これまで新海監督作品というと、「君の名は。」「天気の子」を観ましたが、
毎回予習せずにぶっつけで観ているせいか、前の2作品はちょっと分かりづらい部分が
あったものの、今作はすんなり入ってくるような感覚で観ることができました。
話の展開もあまり違和感や疑問がなく入ってきたのですが、
音楽(前2作品はRADWIMPSの耳に残るメロディがここぞといいう場面で流れる)も
劇中には流れなかったのも音楽に集中力を持っていかれなくて済んだのかもしれません。

地震を引き起こすと言われた鯰を押さえるために要石を東西に置いたという話から
今作も作られていて(要石が鹿島神宮や香取神宮にあると今回初めて知りました)
鯰の代わりにミミズとして描かれていました。

かつて人々が楽しい時間を過ごした場所(廃園になった遊園地など)にある後ろ戸、
その扉を開けると常世(死後の世界)につながるという設定になっていて、
地震で被災した4歳のすずめが後ろ戸を開けて亡くなった母親を見つけた思い出が
高校生になってからも続いていることが最初に描かれるので、
その後、後ろ戸を閉じる閉じ師の草太と共に開いた後ろ戸を探していく、という展開も
さほど違和感なく観られました。

ただ、イマドキなんだろうなと思ったのがスマホだけ持って飛び出したすずめ、
電子マネーで決済して移動していくのが凄いなあと思ってしまいました。
充電大丈夫かな、バッテリーなくなったりしないかな、本筋とは違うところでも
すずめの行動が心配になってしまいました。(笑)

更に次々に親切な人に出会って難を逃れるのですが、後ろ戸を閉めることによって、
その土地が災いから守られて助けた人たちに幸運をもたらしていったので、
性善説の気持ちで見続けていると非常に楽しい展開でした。

鑑賞後に色々レビューを観ていると、ジブリ作品へのオマージュもあったそうですが
ジブリ作品はトトロと千尋しか見たことがないのでその場面が全く分からず、
知っていればそういう点でも楽しめたのかもしれなかったというのが残念ですが、
知らなくても楽しめると思います。

あらゆるところに神様が宿っているのかな、と今作をみて改めて思ったのですが
(トイレにも神様がいますもんね)
すずめの勇気ある行動、それを受けての最後のダイジンのとった行動、
(序盤から中盤以降までダイジンのことを悪いやつだと思い込んでいて
 終盤に申し訳ない気持ちになりました)
私も面倒とかやりたくないとかネガティブなことばかり言わずに、
やってみようという気持を思い出して行動に移さないとな、という気持になりました。

小説版もあるそうなので読んでみたいですね。
すずめの戸締まり (角川つばさ文庫)

すずめの戸締まり (角川つばさ文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/10/13
  • メディア: 新書
新海監督作品というと空や水の描き方が特徴的で好きなのですが、
今作でも常世の空、現世の空の対比が印象的でした。

1回では分からない場面もあったのであと1回は観てみようと思いますが、
「いってきます」「いってらっしゃい」
「ただいま」「おかえりなさい」
当たり前に思えるやりとりが実はとても大切なものなのだと思いながら
新海監督の世界観に浸って楽しめた「すずめの戸締り」でありました。






要石を取り除いたことからミミズが暴れ出し、地震が起きる、
それを

3.11のことも含まれていて、地震の警報音も頻繁に出てくるので、被害に遭われた方は
観て辛いお気持ちになるかもしれません。







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映画「SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー」を観る [映画(さ行)]

Amazonプライムで「間もなく見放題終了」に表示されていた映画というだけで
観てしまいました。
SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー [DVD]

SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー [DVD]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2018/03/21
  • メディア: DVD
あらすじはYahoo!映画さんより。

Sex Pistols のベーシストとして活躍し、薬物の過剰摂取で若くして亡くなった後も
パンクロックの伝説的な存在として圧倒的な人気を誇るシド・ヴィシャス。
そして彼の恋人で、不可解な死を遂げたナンシー・スパンゲン。
二人の幼少期、関係を終わらせることになった1978年にニューヨークにあるホテルで
起きた事件、いまだ完全に解明されていないナンシーの死にまつわる謎に迫る。

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切ない。(:_;)

Sex Pistolsというと、


この曲や、ブルーマンの舞台で流れる"Anarchy in the U.K.”くらいしか知らず、
パンクブームの火付け役とはいえ、当時の私と言えば、
News of the World [12 inch Analog]

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  • アーティスト: Queen
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2015/10/02
  • メディア: LP Record
お小遣いで買った初めてのレコードがクイーンの「愛にすべてを」で、
パンクとは真逆の世界にいたので高校生くらいになって買ったananで
ロンドンのパンク(失業率が高かった頃のイギリス)について知った程度、
あとは、マネージャーだったマルコム・マクラーレンがその後、
Duck Rock

Duck Rock

  • アーティスト: Mclaren, Malcolm
  • 出版社/メーカー: EMI Import
  • 発売日: 1993/05/19
  • メディア: CD
”ダブルダッチ”という曲でヒットしていたという記憶くらいだったので、
今回の映画を観てもジャンキー沼に落ちていったカップルの話程度で
観始めたものの、才能があってこの先も期待されていたシド・ヴィシャスが
グルーピーからのし上がっていったナンシー・スパンゲンとの出会いによって
薬漬けになり、果てはナンシー殺しで収監され、出所した後、薬物過剰摂取で
21歳でこの世を去るという、ドラマチックすぎる人生、今回wikiで観たら、
21年という短い人生、非常に濃くて切なくて悲しいと思ってしまいました。
(Sex Pistols加入前はドラマーとしてスージー&ザ・バンシーズにいたという
 説明に個人的にびっくりしました)

ミュージシャンが薬物中毒、というのは他でも色々見ましたが、
AMY エイミー [Blu-ray]

AMY エイミー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2017/01/11
  • メディア: Blu-ray
時代が違うとはいえエイミー・ワインハウスと同じような、
とても優しくて真面目な人が周囲(恋人や配偶者)によって薬漬けにされ、
心身ぼろぼろになっていき最後には命を落とす、エイミー・ワインハウスの場合は
クズ夫が原因ですが、シド・ヴィシャスは恋人ナンシーとの出会いによって
その人生を短いものにしてしまったように見えました。
(長生きするだけがよいことではないとは思いますが、短すぎます)

様々な証言を元に2人の関係を炙り出すようなドキュメンタリー作品ですが、
当時交友のあった方々の年齢のとりかたをみると、ずいぶん昔のことだったんだな、
なんて思いつつ、
シド・アンド・ナンシー [DVD]

シド・アンド・ナンシー [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/08/25
  • メディア: DVD
未見のこの作品(ゲイリー・オールドマンが演じているんですよね)も
観てみようかなという気持になった、
「SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー」でありました。









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映画「さかなのこ」」を観る [映画(さ行)]

テレビチャンピオンの頃から見ているさかなクンをのんが演じる、
どんな感じなのかな、と思って観に行きました。
さかな.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

魚類学者でタレントのさかなクンが、幼いころから魚に夢中だった自身の半生を
つづった著書を映画化。魚が大好きな少年がさまざまな出会いを経ながら、
好きなことを究めようとまい進していく。『子供はわかってあげない』などの
沖田修一が監督・脚本を務め、同監督作『横道世之介』で組んだ前田司郎が共同で
脚本を担当。子供のように真っすぐに大好きな魚を追い続ける主人公を、
『私をくいとめて』などののんが演じる。

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コタツ会長!!

(本筋の感想そこじゃない)


俺の家の話 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2021/08/13
  • メディア: DVD
昨年初めに私がどっぷりはまり、骨折入院中もAmazonプライムで観返して
笑って泣いたドラマですが、主人公の寿一(長瀬智也)が所属していたプロレス団体の
掘コタツ会長(試合ではレフリー兼務)がこのドラマの中で結構いい役回りで、
セリフをやっとこなす長州力をサポートしていたのですが、
この役を演じていた三宅弘城さんがミー坊(のん)の父親役ジロウを演じていて、
最初の頃に登場して、コタツ会長がお父さん、なのにあまり目立たないかと思ったら、
海でミー坊がつかまえた巨大タコを(ミー坊は家で飼いたかった)の頭をぐりっと外し、
足を全力でコンクリートにたたきつける荒業を見せる、という衝撃的な場面を演じ
観客を驚かせ笑わせてくれて、そこからすっかり映画の世界に入り込めました。

のん演じるミー坊(幼少期を演じた西村瑞季ちゃんもよかった)をとりまく同級生、
大きくなって大人になってもその関係性が続いていく、
(ももちゃんは離れていったけれど遠くでつながっていたように見えた)
年月が経っても変わらないさかなクン(ご本人もギョギョおじさんとして登場)、
のんとさかなクンを重ねてみても違和感がないのが不思議というか面白いというか、
冒頭で「女か男かはどっちだっていい(記憶曖昧ですがこんな感じ)」という言葉が
描かれた後に、ミー坊が女のコっぽかったり、学ランを着て男の子ぽかったり、
それがのんが演じていると全く違和感なく、逆に彼女以外が演じたら、この世界観は
描けなかったのではないかと思いました。
この冒頭の言葉、さかなクンが男であっても女であってもさかなクンはさかなクン、
さかなクンという一人の人間を描く中で語られた言葉だと思いました。

で、この映画、ミー坊を演じたのん本人も当然よいのですが、
ミー坊を取り巻く人たちもとても好演されていて、お母さん役の井川遥、
総長役の磯村勇斗(この人は作品によって物凄く変わりますね)、
幼馴染のヒヨ役の柳楽優弥(高校生時代の狂犬と呼ばれる不良姿に爆笑)、
高校の理科の先生(さかなクンと同級生の鈴木拓也⇐ドランクドラゴン)、
のんを中心に周囲との相乗効果というか化学反応というかで2時間あっと言う間で
観終わりました。

個人的には高校の総長グループ、敵対する他校のヤンキーたちのやりとりが
かなりツボに入ったのですが、ヤンキーホーンをつけた魔改造の原付(笑)、
強がっているけれど(短ランに時代を感じました)実は優しい人たち、
ミー坊が釣ったばかりの鯵を総長の子分で気が弱そうな青鬼からナイフを借りて
えらの下にナイフを入れて〆ると、総長が何やってんだよというのですが、
「〆てるんだよ、総長だってシメタことあるでしょ?」とミー坊が切り返し、
総長が答えに窮する場面、両隣が同年代おじさんたちだったのですが、
この場面、3人でほぼ同時に噴いてしまいました。
(アオリイカの件も後日に続いて笑ったりじんわりしたり)

また、先日記事にした「サバカン」とおそらく同時代を描いているので、
家の中にある掃除機や麦茶ポット、コップの再現力にも驚いたのですが、
ミー坊が履く上履き(青と灰色を混ぜたような色、私も履いていた)、
大学時代まで実家で使っていたオレンジ色のデスクライトに思わず目が
釘付けになってしまった私です。(昔を懐かしむ世代にはドンピシャ)

冒頭から音楽を聴いていて、え、パスカルズ?と思ったらやはりそうだったのですが、
昨日記事にした「川っぺりのムコリッタ」と同様、のんの魚が大好きでひたむきな姿、
海、たくさんの自然、優しいひとたち、音楽がそれをまとめていく効果も大きかったと
思います。さかなクンも本編でバスクラリネットを演奏していますが、本当に温かい、
聴いていてほんわかする音楽でした。

ひとつだけ残念だったのが、エンドロールで流れた曲が急にアップテンポで
(違うアーティストだったみたいです)
それまでの世界観にふわふわ浸っていたところから急に現実に引き戻された感じで、
ここだけが本当に残念でした。(:_;)

テレビチャンピオンに出ていたころのさかなクンが高校生だということを
今更知ったのですが、好きなことをやりなさいといつも見守ってくれたお母さんのお陰で
大学には行けなかったけれどその後、唯一無二な魚博士となっている姿を見ると、
反対ばかりしないで本人の気持ちを尊重することの大切さを学んだ気分です。

さかなクンの魚愛(魚を愛でるだけでなく、美味しく食べることで更に魚を愛する)は
観ていて凄すぎて想像が及ばないときもありますが、これだけ長い間さかなクンと呼ばれて
親しまれている人って他にはいないな、と思いながらたくさん笑って見ることができた
「さかなのこ」でありました。


 

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