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映画「本日公休」を観る [映画(は行)]

予告編を観て気になっていた作品、シネスイッチ銀座で鑑賞しました。
本日公休.jpg
あらすじは映画.comさんより。

台中にある昔ながらの理髪店。
店主アールイは40年にわたってこの店に立ち続け、
常連客を相手にハサミの音を響かせている。
彼女がひとりで育て上げた3人の子どもたちは既に独立しており、
頼りになるのは近所で自動車修理店を営む次女の元夫チュアンだけ。
ある日、離れた町から通い続けてくれる常連客の“先生”が病に倒れたことを
知ったアールイは、店に「本日公休」の札を掲げ、
古びた 愛車に乗り込んで先生のもとへ向かう。

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自分が小さい頃に観たような風景。

実家近所にも床屋さんがあったのですが、よく父に連れられて行くと、
丁寧に髪を切り、髪を洗い(美容院と違うのは顔を下に向けるんですよね)
ドライヤーで乾かして整髪して大きな剃刀(皮バンドみたいなもので研ぐ)で
丁寧にひげを剃る。

美容院もある程度流れがあるとは思うのですが、床屋さんの一連の流れって
美容師と資格が違うというのをおおきくなってから納得した私です。

今作は3人の子供を育てながら床屋さんを営むアールイ(おそらく60代)、
独立した子供3人はどこか大人になり切れていない感じで心配しながら、
長年のお客さんの髪を毎日切り続ける日々。

この映画では、病気でお店に来ることができない歯医者さんの髪を切りに
行く時に色々起きる話で、慣れない長距離運転(カーナビなし)で迷い、
変なあんちゃんたちに絡まれ(たまたま知り合いで逆に助けてもらう幸運)
なんとか常連客のお家までたどり着けてその後はさすがプロ、丁寧なお仕事で
家族の方に感謝されますが、家族の言うことを聞いた方がいいのに、と
途中イラっとしながら観てしまったのですが(同年代なので気になり過ぎた)
自分も小さい頃から通っていたこういうお店がなくなったら困るなあ、
と思うと、常連客が来てくれる限りは仕事を続けようと考えるアールイを観て
己を振り返り「もっと真面目に働かなくちゃ」という気持ちになりました。

また、このお店の常連客の皆さん、アールイのような人に長年髪を切って
もらえて羨ましい、という気持ちにもなりました。
私自身は高校生の頃から通っている美容室、未だに婆1号と通っているのですが、
店のおばちゃんも70代半ば、そろそろ辞めたいのよねえと言われると、
いや、もうちょっとお願いしたいんです、と頼む自分がいます。
小さい頃から近眼でメガネ生活(大学生の頃は色気を出してコンタクトでした(笑))、
やはり高校生の頃から通っていた個人店のメガネやさんは高齢を理由に閉店したのが
3年前、その後遠近両用メガネをつくったもののなんだかしっくりこなくて、
やはり長らく通ったお店というのは愛着もあるし、自分の性格も分かってるし、
大事な存在なんだな、とこの映画で改めて思いました。

アールイの頑固な性格も(それが原因でトラブルも発生するのは映画の演出?)
気になったのですが、アールイの真面目な性格に対して3人の子供はちょっと
どうなのかなあ、と各々問題(若さゆえの悩みもあるのかもしれませんが)を
抱えていながらどこか甘えているようにも見えちゃったりして、
親の姿を見てもうちょっと頑張ってほしな、と自分(うつぼ)のことを棚上げして
映画館のスクリーンに向かって子供たちにツッコミを入れる自分がおりました。

と、相変わらずの邪念が入り混じりながらの鑑賞となってしまったのですが、
自分が小さい頃みたような懐かしい風景と町の歴史の流れをみながら
真面目に仕事を続けるアールイの姿に私も年を丁寧に重ねて生きていかないと、
という気持ちになった「本日公休」でありました。






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