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映画「2度目のはなればなれ」を観る [映画(な行)]

マイケル・ケイン主演&イギリス映画というだけで観に行った作品です。はなればなれ.jfif

あらすじは映画.com

2014年、夏。
イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、
互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。
ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、
彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、
世界中で大きなニュースとなってしまう。
バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。
決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、
ある理由があった。
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ノルマンディー上陸作戦70周年の記念式典に参加するために老人ホームを脱走し
ドーバー海峡を渡った男性の実話だそうです。

妻のレネの体調が思わしくないことから老人ホームに入居するのに同行したバーニー、
イギリス海軍で第二次世界大戦に出兵したバーニーが戦争から戻ってきた後、
戦争のトラウマに悩まされたこと、戦地でともに過ごした戦友との別れとともに
バーニーがずっと抱えてきた思い、それを後押しするレネ、現在と過去の映像が
交互に映し出されることで、戦争での体験とバーニーとレネの固い絆、そこから
バーニーがやり残したことを遂げるためにフランスまで行かなければいけないことを
理解しながら観終わりました。

原題は”The Great Escaper”、偉大なる脱走者とでもいうのでしょうか、
SNSにこのハッシュタグで拡散されたことで一躍有名になってしまうのですが、
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若い頃に迷惑をかけたお詫びにイギリスの南部から北東部まで歩くおじいちゃん

君を想い.jpg
死別した奥さんとの約束を果たすために、イギリス北部から南部に
バスで移動するおじいちゃん、とか、

そっと移動しているつもりが現代の文明の利器によって一躍有名人になり、
それがよいのかわるいのか(迷惑なことの方が多そうだなと思いましたが)
今作でも老人ホームにメディアが押し掛け図々しい報道姿勢に腹が立ちました。

と、SNSの話を書いてしまいましたが、バーニーは大変な思いをしながらも
ずっと心に抱えていたやり残したことをやるために、記念式典には参加せず、
船で出会った空軍出身の老人を連れて戦友のお墓に向かいます。
(この空軍出身の老人今は裕福で成功者に見えますが戦争のトラウマを抱えて
 アルコール依存症ということがみていて分かってきます)

戦争での回顧シーンがその墓参につながるのですが、
自分の人生がもう長くないことが分かっているバーニーにとって胸のつかえが
とれた気分になれたのではないかなと思えました。

印象的だったのは、記念式典の前日にノルマンディーのレストランで出会った
ドイツ人たち。第二次世界大戦では敵対する2つの国だったのが、
バーニーが今は敵もないだろうという真摯な態度を見せたことで、
ドイツ人の老人たちもそれに呼応します。
未だに戦争で日本は酷いことをしただろうと騒ぐどこかの国々の人たちも
こういう姿勢になれないのかな、ふとそんなことも考えてしまいました。

今作でバーニーを演じたマイケル・ケインは引退されるそうですが、
レネを演じてレンダ・ジャクソンも一旦政治家になった後、俳優業に復帰して、
マイケル・ケインとは50年ぶりくらいの共演となったもの昨年他界されて、
今作が遺作となったそうです。

体調が思わしくなくてよぼよぼなレネですが、頭はしっかりしていて
ノルマンディーに行くようにと、バーニーの背中を押す姿、
自分の体調が悪化したらもう会えないかもしれないのにそういう行動に
出られるレネ、思い切って船に乗るバーニー、70年もの長い間夫婦でいた、
その絆の強さを観て独り身なのに思わず涙ぐんだのは私です。(^-^;

バーニーはレネのお陰で長年の心のつかえがとれましたが、
自分も己の人生を振り返り、やり残していることはないか、自問自答しながら
悔いのないように過ごしていきたい、自分の年の取り方にあった自分との
向き合い方を考えていきたい、と思った「2度めのはなればなれ」でいありました。






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