SSブログ

映画「陸軍中野学校」を観る [映画(や・ら・わ行)]

Amazonプライムでおススメに出てきた映画です。
陸軍中野学校 修復版 [Blu-ray]

陸軍中野学校 修復版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: Blu-ray
あらすじは映画.comさんより。

時代劇スターの市川雷蔵を主演に迎え、かつて日本に実在したスパイ養成所を題材に
描いた「陸軍中野学校」シリーズの第1作。
昭和13年。士官学校を卒業し陸軍に入隊した三好次郎は、自分と同じ幹部候補生らと
共に都内のとある場所に集められる。
そこは後に「中野学校」と呼ばれる日本初のスパイ養成所で、次郎らはその第1期生と
して選ばれたのだった。
彼らは名前を変え、外部との連絡も一切絶ち、過酷な訓練を受ける。
一方、次郎の恋人・雪子は音信不通となった次郎の行方を捜す手がかりを求め、
参謀本部のタイピストとして働き始める。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

市川雷蔵って凄い。(◎_◎;)

陸軍中野学校というのは実在する学校だそうですが(知りませんで)
スパイ養成所として機能し、そこに選ばれた市川雷蔵演じる三好たち、
自分たちがスパイとなることに困惑し、耐えきれず自ら命を絶つもの、
反抗したことから命を絶たれてしまったもの、入所した仲間の数が減るのと
比例?反比例して三好の表情は冷酷に変わっていきます。

スパイというと、
007/カジノ・ロワイヤル [Blu-ray]

007/カジノ・ロワイヤル [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2020/11/11
  • メディア: Blu-ray
私にとってはやっぱりMI6のジェームズ・ボンドな訳ですが、
カジノ・ロワイヤルでスパイになるための最終試験が描かれる、
スパイにとって非情という言葉は言ってはいけないのか、と思うほど強烈な印象を
受ける冒頭の場面でしたが、日本でも同じようなことが行われていたということに
驚きつつ、でも、国を強く保つためには必要な存在であったのだろう、
(今の時代、他国はスパイがいますが日本にはいないのかもしれないと思っています)
理解しようとする頭とその冷酷な行動が求められる職務であることへの理解が難しいこと
矛盾した気持ちが交錯する状態で結局最後までみている自分がおりました。

後半で登場するE・H エリックに「この人絶対悪い人」というツッコミ場面もありましたが
(実際、戦時中に日本にいた外国人は疑うべき存在だったのだと思いました)
今作で登場する三好の婚約者を演じていたのが小川真由美、私が物心ついたころには
既におばちゃんになっていて、ちょっと変わった役を演じていた印象だったのですが、
今作では若いタイピストが突然消えた婚約者を一生懸命探し出そうとして、
自分も外国のスパイにされてしまい、やっと会えた三好との再会を喜ぶことも続かず
三好に殺されてしまうという悲しい結末で映画は終わりました。

国のために使命を果たすためには愛する人も時に殺さなければいけないのか、
平和ボケした頭の私には冷酷すぎると思ってしまったのですが、
007でもカジノ・ロワイヤルで愛するヴェスパーが実は敵対する組織のスパイで
(親を人質にとられた上での行動で国のため、ということではなかったのですが)
悲しい別れとなってしまいますが、その時の苦悶の表情と異なり、今作での三好は
まったく表情を変えず、スパイ養成所での訓練で人は根っこから変わってしまうのか、
ついつい007と比較して人間らしさも失ってしまった三好の姿に驚くばかりでした。

スパイになった時点で、元々生きてきた三好次郎という人間は死んだんだ、と
名前も変わった状態で生きていかなければいけなくなるとそう思わざるを得ないのかも
しれませんが、優秀だったが故に時代に翻弄された一人の人間について、実際にあった
ことなのだろうと思いながら自分の生まれる前の日本について一端を知ることができた
「陸軍中野学校」でありました。






nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:映画