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映画「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」を観る [映画(は行)]

イギリス映画、結構好きなのですがあらすじを読んで面白そうに思えて
映画館で鑑賞しました。
ハロルド.jpg
あらすじは映画.comさんより。

イギリスの作家レイチェル・ジョイスによる小説「ハロルド・フライの思いもよらない
巡礼の旅」を、「アイリス」のオスカー俳優ジム・ブロードベント主演で映画化。
定年退職し妻モーリーンと平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライのもとに、
北の果てから思いがけない手紙が届く。
差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の
彼女の命はもうすぐ尽きるという。
近所のポストから返事を出そうと家を出るハロルドだったが、途中で考えを変え、
800キロ離れた場所にいるクイーニーのもとを目指してそのまま手ぶらで歩き始める。
ハロルドには、クイーニーにどうしても会って伝えたい、ある思いがあった。
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人の優しさと背中合わせにむごさもあるような、そんな気持ちで観終わりました。

おじいちゃんがイギリス長距離をある目的のために移動する、というのは、


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大好きなティモシー・スポール主演の映画でも体験しているので
最初から既視感があったのですが、
旅程.JPGこの時は北から南下
90歳のおじいちゃんが亡くなったおくさんとの思い出の場所を訪れるために
バスを乗り継いで移動する。(休まず歩いたら268時間かかる距離)

今回は定年退職したおじいちゃんが元同僚女性のクイ―二―が末期がんと知り、
過去に彼女に対して申し訳ないことをしたことから会いに行こうとする、
キャプチャ.JPG今作は南からひたすら北上
寝ずに歩き続けたら167時間の距離、これを歩いていこうとする映画です。

思い出をたどるバス旅映画と違い、今作は過去に申し訳ないことをしたという
お詫びの気持ちもあり、彼女に会って話したい、という気持ちからハロルドが
手紙を投函しようとしながらなかなかできず、ポストを何個も通過しているうちに
手紙ではなく歩いて彼女に会って気持ちを伝えたい、とつい歩き始めてしまう、、
奥さんにはポストに行くといったまま帰ってこないので当然心配されますが、
時折公衆電話から電話して事情を伝え、日常生活の服装(デッキシューズ)で
歩いていきます。

今の時代だからきっとそうかな、途中で起きそうな事件、想像していた通り、
バス旅と同じく、写真を撮られて(よかれと思ってハロルドがOKしたら)
メディアに紹介されSNSで広がり、ハロルドを応援しようとする人たちが
大勢ハロルドにくっついて一緒に歩いて移動する、ハロルド自身は拒めず
彼らがついてくるがままにしていますが応援していたはずの人たちがだらけて
距離が稼げなくなっていしまいグループ化した中のリーダー的存在に
1人で先に行くように勧められ(この人はいい人でした)再び一人で彼女が
いる場所を目指します。

原題は"The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry"というだけあって
(ハロルド・フライのありそうもない巡礼)
巡礼者のようにも見えてくるのですが、途中、彼女が入院するホスピスに
電話すると2度目の電話でメディア紹介で彼女が意識が戻ったと聞いて喜ぶ
ハロルドが北上していくうちに足が酷い状態になった時に出会う医師、
(といっても東欧から移住してきたら医師の仕事はなく掃除の仕事しかない現実)
彼女の存在と、時折電話で話す奥さんの存在はとても大きかったと思います。

毎日歩きながらクイ―二―のこと、奥さんのこと、そして、若くして薬物におぼれ
亡くなった息子のデビッドのこと、自分のこれまでについてフラッシュバックを
繰り返すのですが、そのことで自分の気持ちを落ち着けていくような展開で、
電車や飛行機で行けばあっと言う間の距離であってもそれを長時間かけて歩くことで
自分の人生を振り返りながら辛かったこと、息子を守ってあげられなかったこと、
過去を覆すことはできませんが、そのことと向きあって心を調えていくように
みえました。

クイ―二―に会ったとき、ホスピスの人がハロルドに嘘をついていたことを
知るのですが、だからといって怒ることもなく、意識のないクイ―二―と会ったことで
ハロルドは勇気を出して一歩を踏み出したことが正しかったと思ったように見えました。

今作でハロルドを演じていたジム・ブロードベント、
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ホグワーツのスラグホーン先生だったりで、嬉しかったのですが、
年齢に応じた演技、やはりイギリス人俳優ってすごい、と思いました。

ハロルドがゴールしたところに現れた奥さんのモーリーン、最初は反対していたのが
途中から応援、息子デビッドが亡くなってから冷え切っていたハロルドとの関係から
ゴールした最後にはかつて愛していたハロルドのことを思い出したように明るい表情、
これからハロルドと会話の多い生活を送っていくのだろうな、と思ったのですが、
自分自身も過去に何かひっかかっていることがあれば動けるうちに気持ちの整理を
つけたい(あるのかこれから思い出します)と思った
「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」でありました。











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