映画「あんのこと」を観る [映画(あ行)]
今年初めにはまりまくったTBSの宮藤官九郎脚本のドラマ、
不適切にもほどがある! Blu-ray BOX [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2024/08/28
- メディア: Blu-ray
「不適切にもほどがある!」でヤンキー高校生を演じていた河合優実さん主演と知り、
映画館まで観に行った映画です。
あらすじは映画.comさんより。
「SR サイタマノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督・脚本を手がけ、
ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮りあげた人間ドラマ。
売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で
暮らしている。
子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、
12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。
人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、
多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や
住まいを探し始める。
しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。
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過酷すぎる杏(あん)の人生。
もがき苦しんで自分のために生きようとするのにそれが妨げられてしまう。
妨げるのは終息が見えなかったコロナ禍の長期化、杏を自分の意のままに操ろうと
する毒親、コロナは外的要因で多くの人に負の影響をもたらしましたが、
毒親については本当に観ていてムカつくだけで、自分が生んだんだからお前(杏)は
私のものだと言って自分の言うことを聞かせて体を売って金を稼いで来いという、
家を出た杏を探し出しておばあちゃんがコロナで大変だから、と明らかに嘘だと
分かっていながら祖母が大好きな杏は自宅に帰り毒親に再び酷い目に遭わされる。
実際にコロナ禍で起きた事件を元に作られた映画だそうですが、
冒頭から薬に売春でボロボロ状態の杏が映し出され、観ている私は驚くしかなく
ここからどうなるのか、と思っていると逮捕された時に出会った刑事、多々羅の
お陰で多くの優しい人達と出会い、仕事、住まい、自分が再生するための環境を
築いていき、ホッとしながらも観ていて不安になったというか、これがいつまでも
続けばいいけれど大丈夫なんだろうか、と思っていたら、多々羅のある事件が
きっかけで今度は歯車が狂って負の方向に加速していきます。
真面目に働けば、正直に生きれば報われる、私もそう思いたいのですが、
現実はそうもいかないことが多い、正直に生きて狡猾な人に騙されたり、
現実は性善説ではなく性悪説なのかなと思うことも私自身よくあります。
この映画の中の杏も自分の環境を変えたいもののきっかけがなかなかつかめず、
多々羅のお陰できっかけをつかんでからは漢字があまり書けない杏が、
外国人生徒と一緒に日本語の夜間学習に参加して自分に起きたことを日記に
綴っていくようになり、本人にとっても穏やかで日々を大切に思えるように
なったのにそれがどうして、とホッとする気持ちと不安な気持ちが入りまじり。
杏自身になりきっているようにみえた河合優実さんの演技が素晴らしくて
フィクションなのに感情移入していた私、その後の展開に理不尽さともどかしさと
何とも言えないモヤモヤ感が残りました。
杏の毒親(河合青葉さんの演技もムカつくくらい素晴らしかった)が原因で、
杏が学校にもいけず薬漬けにされて売春させられる現状から抜け出せずにいましたが、
映画後半で、杏に小さい子供を無理矢理預ける若い母もある意味毒親に見えました。
男とでかけるために自分の子供を預ける、こういう人は現実でもいそうですが、
突然のことに困惑する杏が自分が親にしてほしかったと思っていたこと(多分)を
子供にしてあげる様子、杏の部屋の中におもちゃがどんどん増えていく様子を見ると、
コロナ禍で仕事も休まされて収入がないのに、預金を切り崩して子供のために使う、
杏が母性を感じて子供を温かく包むのを観てコロナ禍でも悪いことばかりではない、
ホッとしていたところに杏の毒親が登場し、子供は児童相談所に引き取られ、
その後、杏は空に向かって飛び立っていく(自ら命を絶つという悲しい展開です)、
なんでこんな一生懸命真面目に生きようとする杏がそうならなければいけないのか、
画面に向かって怒りと哀しみでウルウルする自分がおりました。
杏に子供を無理矢理押し付けた毒親が最後に登場して良い親のようなふりをして
偉そうなことを言うので「お前が何いってんだよ」とムカついてしまったのですが
(フィクションですが思わず感情移入してしまいました)
今作、とにかく杏を演じていた河合優実さんが素晴らしくて没入して観られました。
映画館まで観に行った映画です。
あらすじは映画.comさんより。
「SR サイタマノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督・脚本を手がけ、
ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮りあげた人間ドラマ。
売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で
暮らしている。
子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、
12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。
人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、
多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や
住まいを探し始める。
しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。
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過酷すぎる杏(あん)の人生。
もがき苦しんで自分のために生きようとするのにそれが妨げられてしまう。
妨げるのは終息が見えなかったコロナ禍の長期化、杏を自分の意のままに操ろうと
する毒親、コロナは外的要因で多くの人に負の影響をもたらしましたが、
毒親については本当に観ていてムカつくだけで、自分が生んだんだからお前(杏)は
私のものだと言って自分の言うことを聞かせて体を売って金を稼いで来いという、
家を出た杏を探し出しておばあちゃんがコロナで大変だから、と明らかに嘘だと
分かっていながら祖母が大好きな杏は自宅に帰り毒親に再び酷い目に遭わされる。
実際にコロナ禍で起きた事件を元に作られた映画だそうですが、
冒頭から薬に売春でボロボロ状態の杏が映し出され、観ている私は驚くしかなく
ここからどうなるのか、と思っていると逮捕された時に出会った刑事、多々羅の
お陰で多くの優しい人達と出会い、仕事、住まい、自分が再生するための環境を
築いていき、ホッとしながらも観ていて不安になったというか、これがいつまでも
続けばいいけれど大丈夫なんだろうか、と思っていたら、多々羅のある事件が
きっかけで今度は歯車が狂って負の方向に加速していきます。
真面目に働けば、正直に生きれば報われる、私もそう思いたいのですが、
現実はそうもいかないことが多い、正直に生きて狡猾な人に騙されたり、
現実は性善説ではなく性悪説なのかなと思うことも私自身よくあります。
この映画の中の杏も自分の環境を変えたいもののきっかけがなかなかつかめず、
多々羅のお陰できっかけをつかんでからは漢字があまり書けない杏が、
外国人生徒と一緒に日本語の夜間学習に参加して自分に起きたことを日記に
綴っていくようになり、本人にとっても穏やかで日々を大切に思えるように
なったのにそれがどうして、とホッとする気持ちと不安な気持ちが入りまじり。
杏自身になりきっているようにみえた河合優実さんの演技が素晴らしくて
フィクションなのに感情移入していた私、その後の展開に理不尽さともどかしさと
何とも言えないモヤモヤ感が残りました。
杏の毒親(河合青葉さんの演技もムカつくくらい素晴らしかった)が原因で、
杏が学校にもいけず薬漬けにされて売春させられる現状から抜け出せずにいましたが、
映画後半で、杏に小さい子供を無理矢理預ける若い母もある意味毒親に見えました。
男とでかけるために自分の子供を預ける、こういう人は現実でもいそうですが、
突然のことに困惑する杏が自分が親にしてほしかったと思っていたこと(多分)を
子供にしてあげる様子、杏の部屋の中におもちゃがどんどん増えていく様子を見ると、
コロナ禍で仕事も休まされて収入がないのに、預金を切り崩して子供のために使う、
杏が母性を感じて子供を温かく包むのを観てコロナ禍でも悪いことばかりではない、
ホッとしていたところに杏の毒親が登場し、子供は児童相談所に引き取られ、
その後、杏は空に向かって飛び立っていく(自ら命を絶つという悲しい展開です)、
なんでこんな一生懸命真面目に生きようとする杏がそうならなければいけないのか、
画面に向かって怒りと哀しみでウルウルする自分がおりました。
杏に子供を無理矢理押し付けた毒親が最後に登場して良い親のようなふりをして
偉そうなことを言うので「お前が何いってんだよ」とムカついてしまったのですが
(フィクションですが思わず感情移入してしまいました)
今作、とにかく杏を演じていた河合優実さんが素晴らしくて没入して観られました。
この映画で高齢者(倍賞千恵子)からかかってきた電話の対応するコールセンターの
女性を演じていた時、と、不適切にもほどがある、でのヤンキー女子高生と、
今作での杏、同じ俳優さんと思えないくらいの演技力というか、その役柄になりきる、
まだお若い方ですが今後も楽しみな俳優さんです。
刑事の多々羅を演じていたのが佐藤二朗さんで最初は笑いも起きるような雰囲気ながら、
この人が演じているなら実は、、、という展開かなと想像できていしまうあたりは、
違う人が演じていてもよかったような気がしたのと、メディアの記者を演じていた
稲垣吾郎さんもいいようないまいちのような、ちょっともやッとした気持ちでしたが、
(この役柄も人を不幸にさせてて楽しい?と聞きたくなるような嫌な気持ちになりました)
河合優実さんと毒親を演じた河合青葉さんの演技の素晴らしさのお陰で、
ハッピーエンドとは真逆な終わり方だったものの心揺さぶられるとはこういうことかな
と思えた映画「あんのこと」でありました。
女性を演じていた時、と、不適切にもほどがある、でのヤンキー女子高生と、
今作での杏、同じ俳優さんと思えないくらいの演技力というか、その役柄になりきる、
まだお若い方ですが今後も楽しみな俳優さんです。
刑事の多々羅を演じていたのが佐藤二朗さんで最初は笑いも起きるような雰囲気ながら、
この人が演じているなら実は、、、という展開かなと想像できていしまうあたりは、
違う人が演じていてもよかったような気がしたのと、メディアの記者を演じていた
稲垣吾郎さんもいいようないまいちのような、ちょっともやッとした気持ちでしたが、
(この役柄も人を不幸にさせてて楽しい?と聞きたくなるような嫌な気持ちになりました)
河合優実さんと毒親を演じた河合青葉さんの演技の素晴らしさのお陰で、
ハッピーエンドとは真逆な終わり方だったものの心揺さぶられるとはこういうことかな
と思えた映画「あんのこと」でありました。