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映画「アイアンクロー」を観る [映画(あ行)]

中学・高校生の頃、なぜかプロレスにはまっていた私ですが、
日比谷のシャンテの上映スケジュールを調べていて、
タイトルを観ただけで心が震えてしまい、即観に行った作品です。
アイアンクロー.jpg

あらすじは映画.comさんより。

1980年代初頭、元AWA世界ヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリックに
育てられたケビン、デビッド、ケリー、マイクの兄弟は、父の教えに従い
プロレスラーとしてデビューし、プロレス界の頂点を目指していた。
しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けた三男のデビッドが、
日本でのプロレスツアー中に急死したことを皮切りに、フォン・エリック家は
次々と悲劇に見舞われ、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになっていく。
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ザック・エフロンがマッチョ過ぎる( ゚Д゚)

そこがメインの見どころじゃないんですが(いや、見どころかもしれない)
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この甘酸っぱい感じのミュージカルで踊り歌う青年がマッチョムキムキ、
体作りから実際のプロレスシーンまで入り込んで演じているのに
時の流れを感じました。(デニーロ様のようで尊敬)

と、冒頭に登場する(ザック・エフロン演じる)ケヴィン・フォン・エリックの
ムキムキぶりが大画面に映し出されてそれだけで一気に引き込まれましたが、
実際の時系列と異なる部分などもあるとはいえ、呪われた一家と言われ続けた
フォン・エリック家のことがちょっとだけでもわかったような気がしました。

この映画は、6人兄弟の次男(長男は小さい頃感電死)であるケヴィンの目線で
描かれているので私もその感覚でお父さんフリッツとその息子たちについて
傍観している感覚で鑑賞しました。
お父さんが厳しくて、、というのはどこのスポーツ界でもよく聞きますが、
自分が叶えられなかった夢(フォン・エリック家は世界チャンピオンのベルト)を
息子たちに託す、夢を叶えるまで息子たちに厳しく当たり続ける、
その情熱、というより執念が凄まじかったのがお父さんのフリッツ。

息子たちはそんな父フリッツに逆らうことも出来ずいうことを聞くわけですが、
それが災いするというか、息子たちが次々と不運に見舞われます。

プロレスラーとして先に活動していたケヴィン(不器用な性格)よりも
インタビューやマイクでのパフォーマンスがうまい三男デヴィッドは
父フリッツに見込まれて世界チャンピオン戦の対戦相手に選ばれてベルトを奪取、
が、その後日本遠征中に内臓疾患で急死。

陸上競技選手としてオリンピック出場を目指していたのがモスクワオリンピックの
米国ボイコットでその夢を断たれた四男のケリーもその後世界チャンピオンのベルトを
獲得したもののバイク事故で足を切断、リハビリとトレーニングで復帰するものの、
その後ピストルで自殺。

歌が好きで優しい性格の五男マイクも父の指示でプロレスラーで活躍するように
なったものの試合中に肩を負傷、治療中に高熱が続いたことで毒素性ショック症候群に
なってしまいその後精神安定剤を手放せないようになった後、服薬自殺。

六男のクリスについては映画の中では描かれていなかったのが残念ですが
(映画の尺に収まらないという理由でカットされたのか、、不明です)
彼も他の兄弟と比べて体格が小柄だったことからステロイドを多用してたそうですが
喘息持ちだったクリスもピストルで自殺。

ということから呪われた一家と言われたのですが、クリスについても描くべきでは
なかったのかな、というのが個人的には映画としてどこか物足りない部分でした。

ケヴィンは自分の子供たちにフォン・エリック(おばあさんの苗字)ではなく、
本名のアドキッソンを名乗らせたのも呪われたくなかったのかもしれませんが、
結果的には彼の息子2人もプロレスラーなんですね。(今回調べて知りました)

ケヴィン自身は父から譲り受けたプロレス団体を売却し、引退後は家族とともに
ハワイに移住しているそうですが、WWE(アメリカのプロレス団体)の殿堂入りも
果たしたというのも今回の映画のエンドロールで知りました。

今回、自分の叶わなかった夢を息子たちに叶えさそうとする父フリッツと
息子たちを優しく見守るお母さんの存在があったらこそ荒れまくることがなかったのか、
と思ってみていたのですが、お母さん役、どこかで見たことあるんだけど、、
観終わった後クレジットを観て思い出しました。
医師を目指しながら学費が払えず看護師としてERで働くアビーを演じていた人だ!
と気づきました。
ERも全てのシリーズをみていた訳ではありませんが、アビーの役柄は好きだったので、
演じていたモーラ・ティアニーを今作で再び観ることができたのはちょっとした驚き、
というか嬉しい気持ちになれました。

また、エンドロールで元プロレスラーのチャボ・ゲレロ・ジュニアの名前があって
驚いたのですが、コーチ兼ファイトコーディネーターのクレジット、そうかそうか、
こういう人がサポートすることによってザック・エフロン演じるケヴィンを
はじめとした兄弟や、ブロディなどのプロレスラーの動きも違和感なく観られたのか、
懐かしい名前を見つけながら全編通しての納得感のあるプロレスシーン、
エンドロールを観るのが好きなのですがこういう発見も嬉しく楽しいものです。(^-^)

中学・高校生の当時、主に全日本プロレスを好んでみていましたが、
印象的だったのはリングシューズを履かずにたたかっていたケヴィンで
(お父さんのフリッツも試合をテレビで見た記憶はぼんやりあります)
フリッツの必殺技のアイアンクロー(鉄の爪)で勝利するというのが
観ていてグッときたのを思い出しました。

そんな気持ちを思い出しながら盛り上がれたのは、闘うレスラーたちの
再現度が非常に高かったからで、ブルーザー・ブロディ、ハリー・レイス、
リック・フレアーなど、本人と違うのは観てすぐ分かるのですが、
話し方や動きや技、当時を懐かしく思い出すような再現度にびっくりして
昔のプロレスのDVDを引っ張り出して見直した私です。(笑)

と思い入れのある私は当然楽しめる作品ですが、今作でプロデューサーを
つとめたケヴィン自身が家族のことを描きたかったのかな、と想像するに
プロレス好きでない方にもある家族の物語として見てほしい、と思った
「アイアンクロー」でありました。


(かつてのフォン・エリック兄弟の戦いぶりです)ケヴィン、靴履いててびっくり。 


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