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映画「ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill」を観る [映画(は行)]

大好きなオードラ・マクドナルド様が主演のミュージカルの映画化と知り
銀座の東劇まで観に行きました。
ビリーホリデイ.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

1900年代前半のアメリカ・ニューヨーク。
ビリー・ホリデイ(オードラ・マクドナルド)は豪華なナイトクラブで歌う日を夢見ていた。
悲惨な日常から逃れるように麻薬やアルコールに溺れていくが、音楽仲間やファンに
支えられ、ジャズシンガーとして成功する。
しかし、長年のアルコールへの依存は彼女の体をむしばんでいた。
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切ない。(:_;)

ビリー・ホリデイが活躍されたころは私が生まれる前なのでリアルタイムでないせいか、
名前は知っていた&ドラックとアルコール依存症だった歌手、という程度の知識で、
(同年代のエラ・フィッツジェラルドは長生きされたので私も知っている)
殆ど知らない状態で鑑賞したのですが、黒人差別の時代の中で翻弄されながら
歌い続けた人、という印象を受けました。

ビリー・ホリデイがこの世を去る4か月前、
フィラデルフィアのEmerson's Bar & Grillで開催されたライブの再現、
オードラ・マクドナルドが演じた舞台(2014年みたいです)を記録した映画で、
実際のライブを見ていないので再現度については分かりませんが、
冒頭で軽快に歌っていたのが途中からお酒を呑み始め、精神が不安定な状態で
自身について語り、歌い、見ていてとにかく切なくなる姿、でも惹かれてしまうのは
演じていたオードラ・マクドナルドの素晴らしい演技と歌によるものなのでしょうね。

黒人差別が激しいアメリカ南部のフィラデルフィアの貧しい家で生まれ、
(曾祖母が働いていた農園の主人(アイルランド系)に犯されて生まれたのが祖母)
母の強要で若い頃には売春させられ、そこから脱出しようと受けたオーディションで
歌手としてのキャリアを始めるのですが、ツアーでも黒人差別を受け
(レストランでも倍の値段を払って蒸し暑い厨房で食事をするのがやっとで、
 お手洗いも使わせてもらえない屈辱を受けた話もライブで披露していました)
父は急病でも黒人を診察してくれる病院がなくこの世を去るという悲しい経験も。

歌手としては着実にキャリアを積んでジャズ歌手として成功しますが、
トロンボーン奏者で麻薬の売人でもあるジミー・モンローとの出会いによって
麻薬とアルコールに依存するようになります。
wikiにはもう一人ジョー・ガイと出会いヘロインにもおぼれていくと
 書いてありましたが、映画の中ではこの話は出てこず)

大麻所持で逮捕され刑務所で服役している間に、NYでのキャバレーでの労働許可証が
失効し(映画では”盗られた”と言っていましたが実際は失効したみたい)、
出所後、NYのキャバレーで歌うことができなかったこと、その後はアルコールと麻薬、
依存して更には精神も壊れていった、映画を見ていても、その後wikiを読んでも
とにかく切ない気持ちにしかなれない己がおりました。

映画を観ていて思い浮かんだのが、
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エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画だったのですが、
純粋に歌が好きで歌いたいだけなのに、クズ男との出会いによって
薬とアルコール漬けになって(それでもクズ男のことを愛している)
この世を去ってしまう、時代が違うとはいえ、どこか重なってしまいました。

映画で映し出されるライブの中で衝撃を受けた歌が「奇妙な果実」。
映画を観るまで知らなかったのですが、「南部の木には変わった実がなる」、
なんの木だろうと聞いていたらアメリカ南部での黒人リンチの歌だと分かります。
(肉の焼けたにおい、という歌詞を聞いてゾッとしました)
wikiによれば、この曲でビリー・ホリデイの名声が確立されたというので、
最初に歌うことに躊躇った彼女が覚悟を決めて歌うことによって人の心に
響いたというこおtなんだろうなと思いました。

今回の舞台、実際見た人はもっと感激したのだろうなと思いながら、
大画面に映るオードラ・マクドナルド様を拝んで感激して観終わりましたが、
折角いただいた機会、ビリー・ホリデイの歌をたくさん聞いてみたいという気持に
なれた「ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill」でありました。



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