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映画「RRR」を観る [映画(あ行)]

1週間くらい書くと言っていた映画記事、1週間を超えてしまったので、
この作品で一旦打ち止めにします。

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昨年のうちに観たかったものの観られず年明けにやっと観られた作品です。
RRR.jpg
あらすじは映画.comさんより。

1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、
大義のため英国政府の警察となったラーマ。
それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、
互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。

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あっという間の3時間。痛快大満足!

インド映画=長い、という意識がすっかり刷り込まれているので
鑑賞前に洗手間に行ってすっきりしてから臨みましたが(笑)
途中まったくダレることなく駆け抜けるように観られた作品でした。

映画レビューで「満漢全席」と呼んでいた人がいたのに共感してしまったのですが、、
ハリポタ2部作×2本が3時間に詰め込まれたくらいの盛り込みようで、
お腹いっぱいすぎるのに観終わった後は、ものすごい爽快感に満たされる、
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未見なのですがこの作品と同じS・S・ラージャマウリ監督で、
ファン待望の作品でおそらく期待を超える内容だったのではないかと思います。

因みに「RRR」の意味について、
英語版だとRise(蜂起)、Roar(咆哮)、Revolt(反乱)と書いてあったのですが、
英語じゃないとどうなの?と思ったら、監督(Rajamouli)のイニシャルと、
主演の2人(N.T. Rama Rao Jr.、と、Ram Charan Teja)のR3つを仮のタイトルに
したもの、というネット記事もありましたが、
作品では、「STORY」「FIRE」「WATER」のR3つが強調されていたものの
特に決まった意味がないのかな、というか自由な感じがしました。

Interval(Intermissionじゃなかった)が出るまでの2時間、
(日本の映画館では途中休憩なし)
2人が知り合って仲良くなって(一心同体レベル)行くのですが、
最初に紹介されるFIRE(火の神?)がラーマ。
1人対数万人、みたいな構図の中でありえない強さで上官の指示に従い
活動家をつかまえる姿が「ありえねー」のですが、何かにとりつかれたように
出世のためにどんなことでもやってしまうラーマの姿に驚いていると、
次に紹介されるWATER(水の神?)がビーム。
村の少女をとりかえすために(村の羊飼いと言われる存在らしいです)
仲間たちとインド総督が住まうデリ―に向かっていく中で、
オオカミを罠にかけるはずが虎が登場して虎と闘う、CGすげーの連発の中、
虎を退治するビームも「ありえねー」活躍ぶり。

事前に読んでいたあらすじのお陰で、この2人が惹かれ合い敵対しあう構図なのだ、
と2人の紹介の後の展開を想像しながら鑑賞しましたが自分の予想している展開とは
全く異なる形で展開していきました。

ビームが連れさられた村の少女が匿われているインド総督の屋敷に入る機会を得て
それをラーマ(毒蛇に噛まれて瀕死の状態をビームに救われる)に伝え出かける、
ラーマは自分の追いかけていた標的がビームだと知り衝撃を受けますが、
葛藤しながらも出世のためにビームをつかまえに追いかけて捕まえてしまう。

ここでInterval。

てっきり少女を救ってめでたしで終わりだとおもっていたのが、途中で失敗、
親友同士が敵対してラーマがビームを捕まえて(出世のため)しまう非情。

ここまでだとラーマなにやってんだよ、親友なんだからビームを救いなさいよ、
特別捜査官になれるからと出世欲でビームを英国軍に差し出すなんて非情過ぎて、
なんでこんな人にラーマって神様の名前がついているの?とスクリーンに向かって
モヤモヤしていたのですが、映画.comでみたあらすじに書いてあったラーマが
大義のために警察官になった、その理由の「大義」について後半明らかになります。

( ノД`)シクシク…

ラーマ、疑ってすみませんでした。m(__)m

村の少女を救うために命懸けで闘うビームも凄いのですが、
大義のために長年苦労していたラーマもなんということを。。

こうやってみると、インドがイギリスの植民地だったころ、
インド総督(奥さんの方がダンナよりえぐ過ぎて吐きそうなレベル)の様子を見ても
有色人種を見下して、彼らを殺すのに高い銃弾を使うなと指示するほどの差別、
(唯一ジェニーはいい人でイギリス人全部が悪いという表現ではなかったのが救い)
その中で家族を失ったラーマが大義のために時間をかけて準備する姿、
待ち続ける恋人シータ、大義のために親友を裏切ってしまったことに対して
苦悩しビームのために少女を救ったラーマ。
当然ラーマは捕まってしまい絞首刑執行まで独房に入れられる、そんななところで
なんという偶然なことが起きて、今度はビームが奮い立ってラーマを救いにいく。

ビームがラーマを肩車(友情合体と呼ぶらしいです(笑))した状態で、
英国軍と戦うのが凄すぎて「あえりえねー」の連続なのですが
特に怪我したラーマが急に元気になるその回復力は何故だ?となるものの(笑)
もうそんなことを考えている間もないくらいの勢いでたたみかけられて、
勧善懲悪的にめでたしめでたし、となってホッとしましたが、心地よい満腹状態で
観終わる、と思ったらエンドロールも楽しいものでした。


「Sholay」というタイトルのようで「炎」の意味ですが、
日本人でヒンディ語が堪能な真代さんという方のYouTubeで観た監督とのインタビューで
インドの英雄をとりあげている歌になぜガンジーが入っていないのか、
ガンジーは日本人も歴史の教科書で学んで知っているが、このエンドロールの英雄は
知らない人の方が多いのでは、という質問をされて、確かにそうだな、と思ったら、
みんなが知らないけれどインド独立のために戦った英雄が沢山いることを知ってほしくて
エンドロールで紹介していると監督が答えていたのが印象的でした。
インド独立のために戦い20代前半で亡くなった方もいるとのことで、この映画を観て
インドがイギリスから独立する、そのために多くの方が命を落としたことを知りました。

単なる娯楽作品ではなく実際の歴史の中で架空の人物ラーマとビームを描くことで
インド独立の歴史のほんの一端ながら知ることができたこと、ありえねー連発ながら
2人の友情に涙して最後に笑えた「RRR」でありました。

(なっとぅに聞こえてしまう歌 インド映画って本当に楽しい!)

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