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映画「土を喰らう十二ヵ月」を観る [映画(た行)]

予告編を観て気になっていたものの映画館で観ようか迷っていたら
鑑賞されたlovin姐さんの記事を読んでやっぱり映画館で、と鑑賞した作品です。
土を喰らう.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

作家のツトム(沢田研二)は、長野の山荘で一人の暮らしを楽しんでいた。
彼は山で採れる実やきのこを集め、畑で育てた野菜を自ら料理して味わい、
四季折々の自然を感じながら原稿を執筆。
担当編集者で恋人の真知子(松たか子)がときどき東京から訪れ、
二人で旬の食材を料理して食べる時間は格別だったが、
その一方でツトムは13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいた。


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いい具合に歳を重ねたジュリーの姿を拝みながら楽しめました。

雪深い山里から始まる映画、雪室で保存している野菜をとりだして料理する姿で
自然と共存しながら暮らしていく姿を垣間見られた心持になりました。

土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―(新潮文庫)

土を喰う日々―わが精進十二ヵ月―(新潮文庫)

  • 作者: 水上 勉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: Kindle版
水上勉さんの経験をもとに書かれた著書の映画化ですが、
9歳で口減らしのために京都の伯父のところに行き、
10歳から禅寺(相国寺の塔頭の瑞春院)で奉公していたことから学んだ精進料理、
四季折々の山の恵み、筍や山菜、きのこ、柿などなど、義理の母からもらう自家製味噌と
かまどで炊くごはん、手間と時間がかかっても自然の恵みに感謝して美味しくいただく、
楽しそうに描かれていますが、一方では厳しい冬の寒さなどのご苦労も多いと思われ、
映画を観ただけで田舎暮らしって楽しそう!とは思えないというか、思ってはいけない
というか、そんな生活をジュリーが演じているというのがどこか楽しくもあり
どこか悲哀も感じてしまいました。
悲哀といっても、いい意味で素敵に歳を重ねてきたと思える演技、
若い時のセクシーさはありませんが、中年体型で丁寧に食と向き合う姿は素敵でした。
(個人的には他の俳優さんではなくジュリーだったから楽しく観られた感じです)

と、ジュリー演じるツトムには温かい気持ちで共感しながら見たのですが、
若干引っかかったのは松たか子が演じる編集者の真知子でした。
先妻を亡くしたツトムより二回りくらい若いのでツトムの考えとかみ合わない場面が
多いのも仕方ないのかもしれませんが、少々我がままな感じ、あとは、美味しいことを
表現するための演出なのか、手づかみで食べる場面に個人的にはテンション下がり気味で、
特に筍を手づかみで食べるのはちょっと違和感がありました。。。
最後に他の人と結婚すると言い放って(当然ながらツトムの編集担当も外れ)
ツトムのもとを去っていく、結婚したいのにずっと煮え切らないツトムに見切りを
つけている感じが映画(フィクション)とはいえ寂しく思えていしまいました。

と個人的に残念ポイントがありましたが、大根、里芋、胡麻豆腐にお焦げのある
炊き立てご飯などなど、観ていてお腹が空いちゃったりして(^-^;
私ももうちょっとまめに自炊しなければという気持になりました。

昭和の頃のジュリーを知らない世代の方だと、え、誰?かもしれませんが、
私はジュリーの今の姿を拝みながら自然の恵みをありがたくいただくことの
大切さを感じることができた「土を喰らう十二ヵ月」でありました。










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