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映画「セイント・フランシス」を観る [映画(さ行)]

予告編を観て気になっていた作品です。
セイントフランシス.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

大学を中退し、ウェイトレスとして働きながらぱっとしない日々を送る
34歳の独身女性ブリジット(ケリー・オサリヴァン)。
ある日、知人から夏限定のナニー(子守)の仕事を紹介された彼女は、
同性カップルの両親(チャリン・アルバレス、リリー・モジェク)に代わり、
6歳の少女フランシス(ラモナ・エディス=ウィリアムズ)の面倒を見ることになる。
当初は軽い気持ちで仕事をするブリジットだったが、
フランシスや彼女の両親をはじめ、皆それぞれに葛藤を抱えて生きていることに気付き、
気持ちが変化し始める。


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ジョーン・ジェット。

久しぶりに聞いた名前にあのアイラインの濃いお顔が浮かびました。
THE RUNAWAYS

THE RUNAWAYS

  • アーティスト: THE RUNAWAYS
  • 出版社/メーカー: CHERRY RED
  • 発売日: 2015/07/05
  • メディア: CD
このジャケットに写っているのはボーカルのシェリー・カリーですが、
「チェリー・ボンブ」のシングル盤、実家にまだあると思います。(うつぼ兄所有)

主人公は34歳で大学中退、バイト暮らしのブリジット、
パーティで知り合った年下男性ジェイスとは体の付き合い、で、妊娠、
(この人もバイト暮らしでちょっと頼りないが血を見ても怖がらないのはいい人)
同性カップル(マヤと兄―)の娘フランシス(6歳)の子守を請け負いながら
躊躇することなく中絶(薬で行うみたいでした)したら、
その後、体調が思わしくなくなります(やたらと出血してしまう)。

ブリジットとフランシス、この2人を軸に話が展開していくのですが、
フランシスも最初は可愛げが無くてブリジットもバイトがちょっと手抜き(に見えた)、
かみ合わない中で色々なエピソードを通じて2人が心を通わせていく、
その中のエピソードにジョーン・ジェットの名前が登場し、
更に、同じ名前の女性(態度悪い)が出てきてフランシスがジョーン・ジェットと
同じ名前ね、という場面がどこか印象的でリアルタイムで聞いていた私には
ちょっと懐かしい気持ちになりました。

今までありそうでなかったような題材(生理、妊娠、中絶+同性愛)を
リアル生活にありそうな演出で描いているので、血をみるのに慣れていないような
男性にはちょっとというかかなり引いてしまいそうな気がしたのですが、
私自身はきれいにさらっと描くのではなく結構リアルに描いているのが興味深く
観ていました。

また、細かいことは分からないのですが、宗教(カソリック)に関することも
盛り込まれているような(マヤが敬虔なカソリック教徒)感じでした。
このあたりは自分に知識があったらもっと深く見ることが出来たかもしれません。

子供が生まれる前の同性カップルは将来ある子供を授かったことで明るいのですが、
出産した女性(マヤ)は常に疲れていて、パートナー(仕事継を続するアニー)は、
外出している間にマヤが浮気しているのではと疑って関係がぎくしゃくしていく、
そこにブリジットの存在がほどよく絡んでいくのが私には心地よく感じられました。
(途中までは浮気を疑うアニーにイラついてしまいましたが(^-^;)

アニーもただ神経質なのではなく、出血したブリジットが中絶したことを聞き、
それ自体ではなく病院に行かないことを責めてブリジットの体を心から心配する、
その優しさが垣間見える場面(後半)にホッとしながら、マヤとアニーが互いを
理解し尊重する流れにブリジットがさりげなく存在していたこともいい終わり方に
なっていたと思います。

高齢出産と言われる35歳まであと1年、焦りつつも愛していない人の子供は中絶、
離れて暮らす母親に結婚、出産のプレッシャーをかけられつつも、
自分を育ていたときの母のイライラ(子供を痛めつける妄想場面は結構怖い)を
聞き子供を産み育てることの大変さを感じる、私自身はそういう機会に恵まれず
気づけば五十路になっていましたが、未婚の30代、こんな感じだろうな、
共感しながら見られました。

主役を演じたケリー・オサリヴァン自身の体験も盛り込みつつの脚本らしく、
少々盛り込みすぎな感じもなくはなくはなかったのですが、
ブリジットが最後の場面でフランシスに語る言葉にジワって観終わりましたが、
(I'm smart, I'm brave, I'm the coolest!)
大学中退から社会的にはバイト暮らしから脱出できず
(同級生でセレブな生活を送る嫌な奴が対比するため登場する演出も(笑))
なんとか這い上がりたい、脱出したいと思うブリジットがフランシスとの
出会いで成長?変化していく様子はほほえましく、難点を挙げると、
しょうもないギター教室の講師はエピソードとしても不快で要らなかった、
という感想ですが、それ以外は34歳と6歳の成長記といった感じで
フィクションながら共感出来て応援したい気持ちで見られた
「セイント・フランシス」でありました。


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