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映画「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」を観る [映画(は行)]

ビーチボーイズは知っているもののファンということもなく、
でも曲は結構知っているから、という理由で映画館で観ました。
ブライアンウィルソン.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

1962年にデビューアルバム「サーフィン・サファリ」をリリースした、ビーチ・ボーイズ。
その創設メンバーであるブライアン・ウィルソンは、コンポーザーとして
「カリフォルニア・ガールズ」「リトル・ガール」といった人気ナンバー、
「ペット・サウンズ」などのアルバムを生み出す。
だが、薬物依存症を発症したことでツアーから離脱し、メンバーともすれ違うようになる。
さらに精神科医ユージン・ランディ氏によって洗脳まがいの治療を施された上に、
弟デニスを亡くしてしまう。


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ビーチ・ボーイズファンというほどでもない私も楽しめました。(^-^)

小学生の頃、人生最初にはまった洋楽がクイーンだったせいか、
ビーチ・ボーイズ走っているけれど陽気なサーフィンミュージック、
勝手ないイメージのまま、気づけば五十路になっていた私です。

映画を観た後、Spotifyで検索して聴きながら帰途についたのですが、
意外とたくさん彼らの曲を知っていたということに気づきました。
彼らの曲を知っていたけれど、メロディを口ずさめるけれど、
メンバーにブライアン・ウィルソンがいることを知っているくらいで、
それも、彼の娘が結成したウィルソン・フィリップスの曲で知った、
(調べたらそれも1990年とずいぶん昔の話でした(^-^;)
ビーチ・ボーイズといってもその程度の知識だったので、今作を見て、
ブライアン・ウィルソンが天才であること、それが故に様々な苦悩を抱えて
アルコールやドラッグにどっぷりつかったりしたこと、
陽気に聴こえていた音楽の背景にある彼の才能と繊細さと苦労を垣間見た、
そんな気持ちになりました。

私が陽気だと思っていたのは私が生まれる前あたりの作品(サーフィンUSAとか)、
ビートルズのラバーソウルに影響を受けて発表したアルバムが、
ペット・サウンズ(MONO & STEREO)+1(SHM-CD)

ペット・サウンズ(MONO & STEREO)+1(SHM-CD)

  • アーティスト: ザ・ビーチ・ボーイズ
  • 出版社/メーカー: Universal Music
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: CD
"God only knows"、聴けば知っている曲ですが、この曲、確かにビートルズの影響を
受けたのも分かります。ただ、このアルバムがこれまでのサウンドとかけ離れていて
商業的には思ったほどではなく、レコード会社からも敬遠されてしまい、
その後のアルバム制作中にブライアン・ウィルソンは精神を病んでアルコールやドラッグに
どっぷりつかってしまい(暴力的だった父親も精神的に負に作用したように見えた)
メンバーで弟だったデニスをなくし、更に、あくどい精神科医の拘束(9年間も)もあって、
と、波乱の人生だったことを今作で知りました。

長年ブライアン・ウィルソンと親交のあるローリングストーン紙の記者の
ジェイソン・ファインと一緒にドライブしながら思い出の場所をたどっていくのが
中心になっていますが、心を開いて話せる相手とドライブしながらだったからこそ、
ブライアン・ウィルソンも過去の辛い話ができたのではないかと思います。
(一緒に話して音楽を聴いているときの彼の姿が時につらそうでしたが、
 楽しそうにしている様子は見ていてほほえましかった)
20歳そこそこで大ヒットを飛ばし、3年間でアルバム10枚を作るという、
(儲けようとするレコード会社にいいように使われていたようにも見えました)
その精神力と才能は素晴らしいという言葉では表現しきれないですね。

エルトン・ジョンや、ブルース・スプリングスティーン(久しぶりに観た)、
今年初めに亡くなったテイラー・ホーキンスなどのミュージシャンが登場し、
ブライアン・ウィルソンについて語る中で、エルトン・ジョンが彼の家に
行った話、エルトン・ジョンだけでなく、スライ・ストーンや、
パパス&ママス(ウィルソン・フィリップス誕生ってここなのね、と納得)も
訪れたという話に時代を感じつつ、当時のミュージシャンたちが集う様子を
想像しました。

今作を観なければ私にとってのビーチ・ボーイズは陽気なままでしたが、
ブライアン・ウィルソンの姿と人生を少しでも知ることが出来たことで、
彼の成長とともに変化していった楽曲も理解して改めて聴きたいと思った、
「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」でありました。



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