映画「こどもかいぎ」を観る [映画(か行)]
久しぶりにシネスイッチ銀座まで行ってみた映画です。
あらすじはYahoo!映画さんより。
保育園に通う子供たちが「こどもかいぎ」を開き、あらゆるテーマで意見を交換する。
「どうして生まれてきたんだろう?」「話し合えばいいのに、どうして戦争するの?」
などのテーマなどが次々と飛び出す中、彼らは一生懸命自分の言葉で話そうとする。
意見の食い違いからときにはけんかしながらも、子供たちは対話によって多くのことを
学んでいく。
あらすじはYahoo!映画さんより。
保育園に通う子供たちが「こどもかいぎ」を開き、あらゆるテーマで意見を交換する。
「どうして生まれてきたんだろう?」「話し合えばいいのに、どうして戦争するの?」
などのテーマなどが次々と飛び出す中、彼らは一生懸命自分の言葉で話そうとする。
意見の食い違いからときにはけんかしながらも、子供たちは対話によって多くのことを
学んでいく。
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素直な気持ちで話し合うことが大事。
小さい時は思ったことははっきり言っていたのに大きくなるにつれて
遠慮したり忖度したり、はっきり言わずに物事をやりすごそうとする、
特に政治家、古い体質の会社、私も意外とそんな感じかもしれないし、
大人もこの映画を観て対話することの大切さを改めて感じるべきと思いました。
撮影に登場する保育園、様々な場面で様々な事件が起きます。
お昼ごはん中、ふざけていてお味噌汁をこぼしてアクロバティックに転ぶ男子、
(トッキ―という名前が表示されてましたがお茶目で面白い子でした)
突然の出来事に泣き叫ぶのですが、保育士はすぐ手を差し伸べず、
トッキ―と一緒にこぼれた食器などをどうするか考えてトッキーが自発的に
行動するよう促します。
外の庭で三輪車を貸してくれないと怒る女子、そんなときも保育士の先生は
貸してくれるよう他の子に話しかけるわけではなく、怒る女子と一緒に座って
誰か貸してくれないかなあ、とつぶやくのみ、と、貸してくれる子がいて
ずっと待っていた女子も嬉しそうに三輪車を漕いで庭をぐるぐる回るのですが、
何週かすると待っている子に貸してあげます。
(自分が待ち続ける子の気持ちが分かるので)
段ボールで作った秘密基地で遊ぶ男子を他の男子がおもちゃの剣でたたく場面、
なぜそうなるのか分からず、保育士が2人をピーステーブル(対話させる場)に
連れていくと、秘密基地が壊れる心配をして乱暴になってしまったことが分かり、
互いを理解します。
このピーステーブル、解決させるためにあるのではなく、互いの意見や気持ちを
聞くために使われますが、完ぺきな解決に至らずとも座って対面して対話する、
小さいころから対話することを学ぶよい機会になっていると思います。
映画のタイトルにもなっているこどもかいぎ、保育士の先生がファシリテーターと
なって色々なテーマで話し合うのですが、円になって座っていることがまず大変、
集中力が続かない子供たち、自分が話しているのに遮られたり聞いてもらえないと
泣いてしまう男子もいたりするのですが(この子の話が又長い(笑))
さやかちゃんという女子が最初ファシリテーターのかっきー先生に話しかけられても
答えることができずもじもじしていたのが、定期的に開かれるこどもかいぎを通じて
他の子どもたちやかっきー先生への信頼が増えていくにつれ心を開いて自ら話すように
なっていくのを見て、まるでおばあちゃんの気分でうるっとしたのは私です。
かっきー先生も子供の時に突拍子もない発想も基本的には受け入れて他の子供たちに
意見を聞く、交通整理をスムーズに行いながら子供たちが自由に発言する場を作る、
子供だからと思っていても意外と色々考えていること(仲間内の問題など)、
遠い遠い昔の自分の幼いころはどうだったんだろう、、、そんな気持ちで画面越しに
子供たちの発言、対話を時に笑い時にウルルしながら見ていました。
上映後、監督の豪田トモさんが舞台挨拶される幸運に恵まれましたが、
海外に行くときちんとしっかり自分の意見が言える、対話することになれている、
それに反して日本人は苦手なのは国民性なのだろうと思っていたら、
カナダ、スウェーデン、フィンランドなどの学校で生徒たちが対話しているのを見て
場数の問題なんだと気づいたそうです。
そこで子供の対話について映画を作ろうと企画し、撮影に協力してくれる保育園を
探すのに1年、半年間保育園に通って一緒に遊んだりしながら信頼を得るようにして
撮影して編集もほぼ完成、劇場公開、と思ったところでコロナ禍で映画館休業。
このままお蔵入りさせるか(家1軒分くらいの製作費を使ったそうです)
と思っていたところで、小学校6年生の長女が分散登校でオンラインで昼食を
とっている風景を見て子供の方が大人の言うことを聞いて優秀ではないか、
色々なイベントが中止になり、黙食も言われた通りに行っている、
でも、この子供たち、本当は言いたいことが絶対あるはずで、それを大人はきちんと
聞けているのか、こんな今だからこそ赤字でもいいから映画を上映しよう、と
クラウドファンディングを行い劇場公開にこぎつけたそうです。
子供の発言力や対話力を伸ばす大事なことは3つ。
多様性、共感性、自己肯定感、これらで子供の可能性を伸ばしていくことができる、
今抱える問題を解決する力やSOSを発信する力、未来を作る力がはぐくまれていく、
という説明に、私も小さい頃、こういう場があれば、もっといいたいことをきちんと
相手に伝えることができたのではないかと、過去のコミュニケーション力不足で
揉めたり喧嘩したりしたことを思い出しました。
子供の言ったことだから、と上から目線で見るのではなく、
同じ目線で聞いたり共感することも大事なんでしょうね。
エンドロールで撮影から4年経ったこどもかいぎメンバーの現在が映し出されますが、
どの子たちも活き活きとした表情で自分の気持ちを語っているのを見て、
日本もこういう取り組み(政府にも監督を含めたメンバーで働きかけているそうです)で
はっきり答えずもやもやしたことばかりいう政治家がいなくなっていくのでは、
そんな期待も抱いた「こどもかいぎ」でありました。