映画「PLAN 75」を観る [映画(は行)]
YouTubeの広告で頻繁に予告編が流れてきたので
他人事ではなさそうな、、という気持で映画館に観に行きました。
あらすじはYahoo!映画さんより。
超高齢化社会を迎えた日本では、
75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。
それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が
高齢者たちの間に広がっていた。
78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら
一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、
「プラン75」の申請を考える。
他人事ではなさそうな、、という気持で映画館に観に行きました。
あらすじはYahoo!映画さんより。
超高齢化社会を迎えた日本では、
75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。
それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が
高齢者たちの間に広がっていた。
78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら
一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、
「プラン75」の申請を考える。
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フィクションなのにフィクションと言い切れないような、
自分の身にも当てはめて考えてしまうような映画でした。
冒頭で国会で可決されたプラン75という説明があって、
「可決した国会議員たちは自分たちは別、一般国民が承諾すればいいとか
思ってるんじゃないの?」とフィクションなのに現実の国会議員の世間ずれぶりと
なんだか重なってしまいそこでイラっとしてしまった私です。
(映画の大事なツボポイントはそこではないはず(笑))
映画館の中は想像していた通り私くらいの年代からそれ以上が半分以上で、
身近に感じられる話題だからなんだろうな、と思ったのですが、
若い人も観るのが苦痛(不快感)かもしれませんが見てほしいと思いました。
私の年代、それ以上も観ていて楽しいわけではなく、実際高齢化が進んで
年金を含めて社会保障が昭和の高度経済成長で描いた計画が破綻しているのは
理解していて、年金をそこそこもらっている婆1号の世代はまだいいものの、
私の世代、本当に年金貰えるのかどうなのか、という疑問がずっと渦巻いています。
所得倍増って言ったのはダレですか?
現実見てから物言えよ、自分たちは安全な場所にいて一般国民を見下ろしながら
選挙の時に綺麗ごと(⇐実現できない)ばっかり言って忘れちゃうのかよ。
って、最近そう思います。(V)o¥o(V)
すみません、つい、映画じゃないところに怒りを向けてしまいました。
ここのところ、政府やメディアの矛盾について考えることが増えたのですが、
60以上の人が交通事故を起こすと「高齢者がー」という枕をつけて
高齢者は運転すべきではないと声高に報道する一方で、
(高齢者全員が事故を起こすわけではないのに高齢者=危険の印象付け)
60を過ぎても若いから企業は定年を引き上げろ、という政府に連動するメディア、
政府にしてみれば年金払えないから(払いたくないから)支給年齢を引き上げるわけで
60過ぎても働け働けーと煽っているように見えます。
今作でも78歳で働くミチ(倍賞千恵子)を中心に高齢化社会を描いていますが、
これまでの人生楽しかったと思いながら進んで応募する人と、
これまでの人生散々だったと苦渋の思いで応募する人が描かれていたように見えました。
このプラン75の手続きなどを行う窓口業務を行う岡部は応募してくる人達に対しての
感情も殆どみられず淡々と業務を行うキャラクターに見えたのですが、
それは他人だから、自分は指示されたことを粛々とこなすことが大事だという気持で
日々対応しているように見えたものの(説明会場で嫌がらせされる場面もありましたが)
会場で偶然みかけた叔父さんと数十年ぶりに再会すると自分の父のお葬式にもこなかったと
嫌っていたはずが叔父さんの話を聞いているうちに悪い人ではないと思って行く心の変化、
最後の場面では、岡部が叔父さんの人としての尊厳を守ってあげたいと思ったが故の行動、
に見えました。(その後、岡部は大変なことになりそうでしたが)
ちなみに、岡部を演じていた磯村勇斗さん、全然気づかなかったのですが、
このジルベールだった人だと知り驚きました。
振れ幅大きい役柄を演じるすごい俳優さんですね。
後半、ミチがプランに応募して施設に連れていかれるのですが、
プラン75を執行する施設の描き方があまりにも杜撰で(セキュリティ面が特に)
人手も足りなさそうでこれじゃあ問題起きるだろうとツッコミを入れたくなりましたが
だからこそのミチの行動、彼女もその後どうなるんだろうとあれこれ想像しましたが、
プランの対象になる75歳以上にも、その予備軍(私も)にも、
もっと若い(この先長い)人たちにも年代世代なりの不安を抱かせる作品だと思います。
唯一救いだったのはコールセンターの成宮。
彼女はミチの気持ちを理解してくれた数少ない人物ですが、
でも、業務上はスクリプト通りの対応しかできないことに悲しさを感じる姿に
後半叔父さんのために動いた岡部もそうですが、人間らしい一面を見てホッとしました。
岡部の上司は多くの人に応募させて自分の成績にしたいようなえげつない人物でしたが、
こういうプランの背景には闇があって(利権絡みの汚い世界)、現在の国会議員でも
汚職収賄で捕まる人がいるのと同様だなと思いました。
また、フィリピンからの出稼ぎ労働者がこのプランの闇の部分で働く様子も
フィクションとはいえフィクションと言い切れない部分を描いているようにも見えました。
誰の立場から見ても悲しく心が痛いことであり、こういうプランが現実にならずに
老後に不安がない社会を作っていく、そのために本気で取り組んでくれる政治家って
いるんだろうか、選挙で投票に行く、自分で考えて投票する、国民目線で考えられず
綺麗ごとを公約に並べて実行しないような人は選ばない、自分が出来ることって
そんなところから始めるしかないのかな、あとは、お金や自分の健康について自分自身が
真剣に考えて取り組むしかないのかな、悶々としながら答えが出ぬまま観終わってしまった
ものの、観てよかったと思った「PLAN 75」でありました。