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映画「コーダ あいのうた」を観る [映画(か行)]

リメイク作品というので観るのをためらっていたのですが
(もともとの作品を観ているので比較してしまいそうで)
YouTubeの広告に頻繁に出てくるので結局映画館へ観に行きました。
(最近すっかりGoogleの思うツボの私です(^-^;)
CODA.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

とある海辺の町。
耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる女子高生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、
幼少期からさまざまな場面で家族のコミュニケーションを手助けし、
家業の漁業も毎日手伝っていた。
新学期、彼女はひそかに憧れる同級生のマイルズと同じ合唱クラブに入り、
顧問の教師から歌の才能を見いだされる。
名門音楽大学の受験を勧められるルビーだったが、
彼女の歌声が聞こえない両親から反対されてしまう。
ルビーは夢を追うよりも家族を支えることを決めるが、あるとき父が思いがけず
娘の才能に気付く。
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オリジナルよりよかったかも。(^-^)

エール! [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: Blu-ray
(元の作品はフランス映画)https://utsubohan.blog.ss-blog.jp/2016-06-05-10

フランス映画をハリウッドがリメイク、それだけであまりいい印象がないのですが、
(個人的に変な先入観が出来てしまっています(笑))
今作は例外というか、リメイク版の方がより深く描かれているように思えました。
(スラングというかお下劣な感じの表現が多いのもオリジナルと同じ)

オリジナルは歌を学びたい主人公に対して、コミュニケーションがとれないと
困惑し子離れできない両親に感情移入しづらかったのですが、
今作は同じように子供がいなくなったら困るという設定は同じながら、
いつまでも引き留める感じということではなく、途中からは前向きに考える、
そういう風に見えました。

おそらく、オリジナルが主人公の弟だったのが、リメイクは兄、
兄が耳が聞こえないことでどこか妹に対して引け目があったのが、
妹を応援したい気持ちで「兄ちゃんにまかせな!」的な態度に変わる、
その場面が特に説得力があったように思えました。

音が聞こえない人の生活とはどういうものなのか、
ところどころで描かれているのですが、主人公ルビーが歌う喉に触れて
振動を感じるお父さん、その姿はどちらもグッときました。

リメイク版のタイトル「Coda」っててっきり音楽の関連用語かと思ったら、
Coda

Coda

  • アーティスト: Led Zeppelin
  • 出版社/メーカー: Atlantic
  • 発売日: 2015/07/31
  • メディア: CD
これを思い出す世代です。(^-^)

Children of Deaf Adults=「耳の聴こえない両親に育てられた子ども」の意。なんですね。
鑑賞後にネットで調べたら、ルビー役以外の3人、みなさん耳の不自由な俳優さん、
特に、お母さん役ハマーリー・マトリン、
リアルタイムに映画館で観て感動した映画の主演でアカデミー賞を受賞された方ですが、
中盤まであれこれ文句をルビーに言うだけかと思ったものの、最後にはお母さんとして、
ルビーを送り出す気持ちを好演されていました。

リメイク版の方がより好みだと思えたのは作品の中で流れる音楽も理由かと思いますが、
ボウイ様の「スターマン」、ジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」など、
聴きながらより作品に入っていけたような気がしました。
(私と同じような世代にはツボにはまりやすい選曲かもしれません)

思春期で色々なことに興味を持ちたいけれど家族のことを支えないといけない、と
責任感が強く、でも自分のやりたいこととの間で揺れながら葛藤するルビー、
家族とぶつかり合う姿、手話って手の使い方の強弱や顔の表情で表現する、
普通に話をするより喜怒哀楽が分かりやすいんだな、と思いながら見ましたが、
ハッピーエンドと分かっていながら(オリジナルも見ているし)、
健常者の立場から見ても障碍者の立場(健常者との間のギャップ)から見ても、
互いが抱える悩みと現実の厳しさの中でみんながハッピーになっていこうとする、
(といってもそういう展開はほぼほぼ最後)
その姿に、五十路のおばさんはもらい泣きしてしまいました。( ノД`)

リメイクというとどうしても比較してしまうのですが、フランスとアメリカ、
文化も違うのでそれぞれ良い点を探してみるのがいいのかと、
オリジナルを再び見たくなった「コーダ あいのうた」でありました。













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