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映画「ハウス・オブ・グッチ」を観る [映画(は行)]

YouTubeの広告で頻繁に予告編が流れていて、完全に刷り込まれた状態で
映画館で鑑賞しました。
(The Blondieの”Heart of Glass”とEurythmicsの”Sweet Dreams”が
 今でも頭の中をぐるぐるしています(笑))
House of Gucci.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

貧しい家庭出身の野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、
とあるパーティーで世界的ファッションブランド「グッチ」創業者の孫である
マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライヴァー)と出会う。
互いに惹(ひ)かれ合うようになった二人は、周囲の反対を押し切って結婚。
やがて、セレブとしての暮らしを満喫する彼女は一族間の確執をあおり、
グッチ家での自分の地位を高めブランドを支配しようとする。
そんなパトリツィアに嫌気が差したマウリツィオが離婚を決意したことで、
危機感を抱いた彼女はある計画を立てる。
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お金持ちって大変。(´Д`)

イタリア人同士の会話がイタリア語訛りの英語というのは仕方ないとして。(笑)
実際のパトリツィアがインタビューで話す英語とガガちゃんの演技が
シンクロする感じで凄いなと思ったのですが、キャストにイタリア語を
話させるのもなあ、と思うと英語なんででしょうね。
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この作品でもちょっとだけフランス語、あとは全部英語、というのも
ウィレム・デフォーが演じていたからだと思ったのと同じ感じ。
と、いきなり全編英語というひっかかりについて書いてしまいましたが、
2時間40分という長尺の割には後半若干間延びした感じもありつつ、
さほど時間の長さを感じさせない作品でした。

冒頭で、史実にインスパイアされて作られた作品と表示されるので、
実際と違う部分も多いんだろうなと思いながら見た後、ググってみたら
細かいところでは違う部分もあるようです。
(とはいえ、それが作品の出来を左右するとは思いませんが)

映画では、最初は純愛でマウリツィオがグッチ家を捨ててでもパトリツィアと
一緒になりたいという場面が印象的でしたが、
マウリツィオの父には認められなかったものの、伯父アルドに気に入られ
グッチという大きな名前(富)を手に入れたいという野望がどんどん大きく
なっていったのかと思います。

(詳しいことはこの記事で)https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/vismoglie/2022/01/post-33.php

マウリツィオをグッチの社長につかせるために、伯父アルド、息子で従弟のパオロを
陥れる、その後はマウリツィオとの溝が深まっていくばかりという、
映画ではそのあたりの描き方がいまいち物足りない感じもしたのですが、
マウリツィオに三行半を突き付けられて離婚、養育費も約束より減額されて、
マウリツィオは離婚前から付き合っていた女性と再婚、更に、マウリツィオの戦略で
会社は経営が傾いていき、もっていた株式(全体の50%)をアラブの投資家に売却し、
グッチ夫人でなくなった上に元夫がグッチの名前はあるものの会社とは無関係になる、
精神的におかしくなっていって殺害を依頼するわけですが、その中で唯一信頼している
占い師のピーニャ(サルマハエックそっくりさんだと思ったら本人でビックリ)に
占ってもらい(というか終盤は相談みたいな感じになっていた)彼女の言うことを
信じて行動するようになる、占い大好きなところは乙女っぽいのですが、
ピーニャの知り合いを雇ってマウリツィオを殺害して2年後逮捕され、有罪で服役、
現在は出所して70代になったパトリツィアはイタリアで暮らしているそうですが、
なんともまあ激しい人生だな、と映画でのガガちゃんも実際もエリザベス・テイラーに
似ている風貌で気の強さ(成り上がり感全開)を感じました。

今回、キャストが豪華で、存在感たっぷりのガガちゃん(パトリツィア)、
作品ごとに印象が変わるアダム・ドライバー(マウリツィオ)、
一瞬だれだかわからなかったジャレッド・レト(従弟のパオロ)、の他に、
グッチ2代目社長を演じたアル・パチーノが弟でマウリツィオ父の
ロドルフォに会うときに「コンニチワー!」と思いきり日本語で挨拶する場面、
何かと思ったらその後NYの店舗にやってくる日本人たちに同じように挨拶し、
ああ、この時代ってドルが変動相場制に移行して、高度経済成長期にあった日本人が、
海外に渡航してブランド品を買い漁るようになった頃なんだなあと思いつつ、
この描き方が日本人としては見ていて複雑な気持ちになりました。
とはいえ、おじいちゃんの風貌のアル・パチーノ、ある意味貫禄が出ていて、
なりきり感があってよかったです。

あとは、グッチの執事というかマウリツィオの右腕ドメニコを演じていた
ジャック・ヒューストン、結果的にはマウリツィオを会社から追い出す、
非常に頭のいい役柄なのですが(マウリツィオを追い出した後株式公開し、
社長に就任して会社を立て直す人なので悪い人ではないと思う(笑))
マウリツィオに従順に仕えてパトリツィアに冷淡な態度をとることもありつつ、
会社の行く末を考えて(同族経営では破綻すると思ったんでしょうね)
行動する役を地味ながら好演されていました。

予告編に流れていたBloindieやEurythmicsが印象的だったのですが、
本作の中でも冒頭からドナサマー、中盤でのボウイ様(Ashes to Ashes)、
リアルタイムに聴いていた世代にはこのあたりもツボポイントかもしれません。

冒頭でマウリツィオがカフェでエスプレッソをのんでから自転車で会社に向かう姿が
映し出され、それと同じものが終盤にも映し出されて、え??という展開になる、
リドリー・スコット監督の演出で一番印象的だったのですが、
俳優のみなさんが楽しんで演じられている雰囲気を感じながら楽しめた
「ハウス・オブ・グッチ」でありました。


(エンドロールのこの曲も印象的でした)
オペラ(グッチ)とフォーク(パトリツィア)の組合せも暗示しているのかな、
と思いましたが、オリジナルでなくパヴォロッティとの共演を選曲したのも
監督の意向なのかな。




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