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映画「スズさん~昭和の家事と家族の物語~ 」を観る [映画(さ行)]

今年初めて田端のChupkiさんで観た映画です。
スズさん.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。

東京郊外の一角に、終戦後に建てられた小さな民家。
この家で主婦として家族の暮らしを支え続けた小泉スズさんは、
1910年に横浜で生まれ、関東大震災で母を亡くした後、1932年に結婚する。
育児や家事に奮闘する一方で、建物疎開など戦争の影響は小泉家にも及び、
1945年5月29日に横浜大空襲に遭う。
戦禍を生き延びた一家は横浜から東京・大田区に移り、スズさんの夫が設計した
住宅で暮らし始める。



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懐かしい昭和の風景に思わずじわり。(:_;)

スズさんの人生を紹介(長女の和子さんが語るのがまた味わいあり)し、
後半は、スズさんの昭和の家事を和子さんが協力者と共にフィルムにおさめた様子を
一部ですが紹介しています。

横浜生まれのスズさん、20歳で徳川慶喜の甥の家に奉公に行き
(こういう奉公は、箔づけと花嫁修業が目的だったそうですが、
 スズさんは、この方をお殿様と呼んでいたそうです)
お針子として勤めた後、お見合い結婚、子供を産み育て、関東大震災、横浜大空襲、
その後、昭和26年、下丸子に建てられた文化住宅で暮らす
(どちらも当時の光景が映し出されますが、あまりに酷くて衝撃でした)
和子さんが「昭和の専業主婦」と呼ぶスズさん、朝早く起きて朝ごはんを作り、
日中は大量の洗濯(手洗いしてから干す)、掃除が一段落したら、
着物の繕いなどの針仕事、夕方に買い物にいって家族の夕食を作り、食後片づけたら
編み物や翌日の準備、これを毎日繰り返すスズさん。
同じ時代の専業主婦はこういう人が多かったのだと思いますが
家電が普及する前は特に労力が大きい作業を休みなく行う、スズさん自身はそれに
ついて愚痴や文句を言うことがなかったと和子さんが映画の中で語っていますが、
スズさんは家族のために家を守り、そのことで家族が幸せに思う、さらにスズさんも
幸せに思えたのではないかな、と映画を見ながら思いました。

私の母(婆1号)は和子さんと同じくらいの年齢なので、私のおばあちゃんが
こういう暮らしの中で家事を行っていたのかなと想像しました。
(父方の祖母は私が生まれる前に亡くなっていますが)

私の実家は(父方の祖父母が早逝したので)私が小さい頃から核家族状態、
父母、兄、私の4人で東京郊外に造成された団地に建てた家で暮らしましたが、
母の作る朝ごはん、夕飯、お弁当、小さい頃に縫ってくれた洋服や和服、
(不器用な私と違って母はとても器用な人です)
あたりまえに思っていたというか改めて感謝、みたいなことがなかったのですが、
この年になってから老いた母(こういうとき婆1号と呼びづらい)を観ると、
感謝の念が足りない己に気づいたのですが、今作のスズさんを見ていると、
その気持ちがもっと強くなってしまい、観ながら母の姿が浮かんでしまい、
途中からウルウルしながら見ておりました。(;_:)

和子さんが3年かけて撮影したスズさんの家事の一部として紹介されたのが、
洗濯、着物の洗い替え、こしあんづくりなどですが、どれも手のかかることを
丁寧に(でも効率よく)行う姿に、自分が生まれたころも(昭和40年代)
まだこういう家事が行われていたのかな、と、生まれた時に住んでいた
新宿の木造家屋(庭に柿の木とか井戸があった)で行われていた様子を
想像しました。

上映終了後、この日は特別イベントとして、スズさんが住んでいた家、
現在は、「昭和のくらし博物館」として公開されているところを
水口マネージャーがオンライン中継してくれました。

(博物館ホームページ)http://www.showanokurashi.com/
(イベントの様子) https://twitter.com/cinemachupki/status/1480098413379489801?s=20


水口マネージャー、私もChupkiさんで知ったのですが、
あまちゃんの頃からのんを応援している男性で、彼女の出演作品を紹介するイラストを
描いていらっしゃる方で、あまちゃんのマネージャーの役柄名からこの名前で
活動されているそうです。
私も以前、この作品上映時に水口マネージャーの描いたはがきをいただきましたが、
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今回、水口マネージャーが登場したのは、
この世界の片隅に [DVD]

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この映画で主役の声を担当されたのんさんが訪れた博物館、
というか、この映画もすずさん、で、下丸子のスズさんの人生(家事)を
参考に描かれているそうで、のんさんも博物館やスズさんの映像で
役作りされたそうです。未見なのでこれは観ねば。

私が生まれた時代よりも前のこととはいえ、私にも多少記憶のある昭和、
(新宿区に住んでいたころは練炭ごたつだったのは今でも覚えてる)
今の時代は技術の進歩で便利で効率よく家事を行えますが、
昭和のどこか温かい空気(ご近所さんなども含めた人間関係も)が
薄れてしまったようにも思えたりして、よくも悪くも、なのかなと思いつつ、
スズさんの映像によって昭和という時代が記憶(記録)として繋がっていけば
いいなと思った「スズさん~昭和の家事と家族の物語~」でありました。


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