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映画「ラストナイト・イン・ソーホー」を観る [映画(や・ら・わ行)]

YouTubeを見ていたらこの予告編がたくさん流れていて
気になって観に行きました。(配給会社の策略にちゃんとはまりました(笑))
ラストナイトインソーホー.jpg
あらすじはYahoo!映画さんより。
ファッションデザイナー志望のエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、
ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学するが、
寮生活に向かず一人暮らしをすることに。
新しいアパートで暮らし始めた彼女は、1960年代のソーホーにいる夢を見る。
エロイーズは夢の中で、歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と出会い、
肉体的にも感覚的にも彼女と次第にシンクロしていく。


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もー、ハラハラしっぱなし。

怖い映画が苦手で自らは観に行かないことは何度か書いておりますが、
この映画もホラーというにはマイルドなんだと思いつつ(サスペンス?)
かなり残虐(妄想というか幽霊というか現実ではないんですが)な場面が
中盤以降は畳みかけてくるのでゾワゾワしながら見ておりました。(;_:)

60年代の流行(音楽やファッション)が好きなエロイーズがタイムスリップして
60年代のソーホーを疑似体験するという流れ、映画館に掲げられている看板が
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この007作品なので公開された1965年ごろのソーホーというのを観客に印象付けて
物語が展開していきます。
コーンウォール(イングランドの南西端にあるのどかな場所)からロンドンで
ファッションの勉強が出来ると前向きな気持ちでやってきたエロイーズが
学校の寮で同室になったジョカスタと合わず(というかイマドキの若者はみんな
こんな感じなのかと驚いたのは私だけでしょうか)下宿先を見つけて引っ越して、
部屋で観た幻覚(というか妄想というか)の中で出会ったのが1960年代に生きる
サンディ、そのファッションと行動力に魅入られて彼女とそっくりになろうと
髪を染めたりサンディのドレスを実際作ろうとしたり、楽しい様子が見ていて
ほほえましいと思って見続けて、いや、でもこんな楽しい時が続いてばかりじゃ
映画として成り立たないだろうと(起承転結がないと、ですし)見ていると、
サンディの夢が無残に打ち砕かれていく様子がこれでもと描かれていく、
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この映画は現代ですが、今も昔も男の身勝手な女に対する考え方、
それによって悲しい思いをする女性、の姿と重なって見えました。
今作はそれに加えて夢を打ち砕かれたサンディが搾取されていく、
芸能界の闇の構造みたいなものも描かれて(胴元の男がクズ過ぎる)
いたように思えましたが、劇中のサンディの立場がどんどんつらくなっていくと
それを時代を超えてみているエロイーズの精神状態もおかしくなっていく、
コーンウォールからはるばる電車でロンドンにやってきたときの
希望に満ちたエロイーズの表情がどんどん病んでいく様子を見るのは見ていて
切なく悲しく、早くこの状況が一転してほしいと思いながら見ておりました。

終盤の種明かし、バーに出入りする謎の老人と大家さんの正体ですが、
老人はテレンス・スタンプが演じているのでそれなりに意味深いキャラクターだろう、
サンディと接点があるあの男性かな?と目星をつけていたとおり、
大家さんもおそらくそうだろうな、と思っていたとおりの正体だったので
個人的にはそのあたりの予想外れた的なドキドキ感はなかったのですが、
(サンディがつらい思いをする場面がとにかく私にはショック)
大家のおばあさんを演じていたのが、
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ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた時のボンドガールだったダイアナ・リグ、
ボンドが結婚する相手を演じた方ですが、鑑賞後に当時の彼女の写真を見て、
監督が彼女を大家(コリンズさん)にキャスティングしたかったのか、納得。
(ちなみに、今作が彼女の遺作となったそうです)

監督のエドガー・ライト作品といえば、
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田舎に左遷されたお巡りさんの話とか、
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町中ゾンビだらけになってパブに駆け込むおっさんの話とか、
どちらもサイモン・ペッグ、ニック・フロストの大好きなコンビ、
この作品のイメージが強すぎたので(ベイビードライバー未見というのも理由かも)
今作が全く毛色の違う話で驚いたのですが、監督の振れ幅の広さみたいなものを
感じました。

冒頭で新聞紙で作ったドレスを聞きながら踊るエロイーズ、
鏡越しにサンディとエロイーズが映し出される場面、効果的に60年代の音楽が
流れますが、今作で知ったのが、
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実はこれまで知らなかったCilla Black。
1960年代後半生まれの私ですが、当時の音楽、意外と知らないので
これを機に聞いてみたくなりました。(^-^)

エロイーズの彼氏役がいまいち冴えない感じだったのと、
(主人公が男子の場合、彼女は大体綺麗なお姉さんなのに、
 今回は女子が主人公で彼氏がイケメンでないのはなぜだ、と疑問に)
イマドキの若者の乱れ振り(あんなに酒浸りだったりドラッグやるの?)には
共感できないまま見終わりましたが、サンディとエロイーズが時代を超えて
シンクロする姿(CGでなく意外とアナログに撮影したそうですね)や
60年代ファッションや音楽に観ている私もワクワクしながら、
怖かったり驚いたり、後味はそんなにいい終わり方ではないものの、
新しい感覚で観ることが出来た「ラストナイト・イン・ソーホー」でありました。

(サンディを演じたアニャ・テイラー=ジョイのこの歌、ゾクゾクします)

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