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映画「クーリエ:最高機密の運び屋」を観る [映画(か行)]

YouTubeでこの映画の予告編を頻繁に観てしまい、
刷り込まれたように映画館へ観に行きました。
ちなみに、昨日アップした純烈ジャーの3時間後に観ました。(笑)
クーリエ.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

1962年10月。
ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることが明るみになり、
対立状態にあったアメリカとソ連は衝突寸前に陥る。
このキューバ危機を回避するために、アメリカ中央情報局CIAとイギリス情報局秘密情報部
MI6はスパイの経験など皆無だったイギリス人セールスマンのグレヴィル・ウィンに
ある諜報(ちょうほう)活動を依頼する。
それはモスクワに飛びソ連軍参謀本部情報総局GRUの高官と接触を重ね、
彼から得た機密情報を西側に持ち帰るというものだった。
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ベネディト・カンバーバッチの演技に思わず涙。(;_;)

あまり好きな役者さんではなかったのですが、
彼の演技だったからこそ入り込めたと思います。

予告編はよくできていますね。そのイメージで行ったので後半驚きました。
史実に基づく話で、キューバ危機を救った一人のイギリス人セールスマン。
リスクがないと言われて始めたクーリエ、リスクがないと言われても
当時のソ連に行ってビジネスという名目とはいえGRU幹部と接触する、
1回だけならリスクは少ないかもしれませんが、何回も、しかも頻繁に、
となれば、リスクはどんどん大きくなっていくわけで、最初にリスクなしと
いったCIAのヘレン、母国(米国)を守るための使命感もあったと思いますが
素人を巻き込むのって傲慢ではないかと思ってしまいました。
カンバーバッチ演じるグレヴィルの活躍でCIAにソ連の情報が集まるようになり
ヘレン(CIAではエミリーと名乗るのでグレヴィルには偽名を伝えていた?)は
自らの評価が上がって行くのを嬉しく思っていたと思いますが、
グレヴィルにもうクーリエはしなくてよいといった時点でグラヴィル自身は
やめられない精神状態になっていた、そこまでヘレンは推測できなかったのかと、
彼女自身の傲慢さでグレヴィルが辛い境遇に置かれたのでは、と思いました。
結果的にはキューバ危機を救ったとはいえ、市井の人をヘレンが軽く考えていた、
自分の考えに自信があったとはいえ今作の中で彼女の判断や行動については
最後まで傲慢さしか感じられず終始観ていて苛ついてしまいました。
(自分がソ連でつかっても外交特権で助かるという発言などまさに自己中心的)

という苛つきポイントはありましたが(かなり大きかったけれど)
グレヴィルと彼に情報を渡すソ連のペンコウスキーのやり取りを観ていると
互いへの信頼が生まれていく様子、互いの家族を紹介する場面、
そこから生まれる友情、捕まって刑務所に入れられた2人が再会する場面、
そこでグレヴィルから自分の行動が無ではなかったこと、世界を変えることができた、
と知って喜ぶペンコウスキーの表情を観て、思わずダダ泣きしてしまいました。

ソ連の当時の書記長(フルシチョフ)の演説を聴いて疑問に思って、
ペンコウスキーが危険を覚悟の上で行動したことからグレヴィルと出会い、
西側へ情報を渡すことによって危機的状況を回避した史実ですが、
クーリエ役のグレヴィルが軍人でも諜報部員でもなく
ただの普通の人だったというのがよかったのかもしれませんね。
(それでもCIAのヘレン自身には怒りしかないのですが)

獄中生活の様子が中盤から後半にかけてずっと続きますが、
劣悪な環境の中でやせ衰えていくグレヴィル、それでも精神的に破綻せずに
無事母国に帰れた姿(エンドロールで実際のグラヴィルの様子も映ります)に
カンバーバッチの役に対する真摯な姿勢を感じました。

ペンコウスキーのことを心配しながらイギリスの家に帰るという気持ちだけで
生き抜くグラヴィルの精神力にはただただ感服、頻繁なソ連行き、しかも筋トレばかり
している夫に浮気を疑っていた妻(大好きなジェシーバックリーが演じていた)も
夫を疑っていたことをわびて夫婦の絆が強くなる場面にもジワリ。

描かれている時代、まだ生まれていませんが、私が小さい頃でも米ソ対立が
まだ激しかった記憶、それより前にもっと危機的状況にあった両国の関係を
変えた背景にこの実話があったことを知ることができてよかったと思えた、
「クーリエ:最高機密の運び屋」でありました。
この2人のおかげで米ソの冷戦

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