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映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」を観る [映画(007)]

公開が度重なる延期、となっていた作品、やっと公開で観られました!
公開初日の昨日の鑑賞、後手にならぬうちに記事をアップします。(^_^)
notimetodie.jpg
あらすじは映画.comさんより。

現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、
CIA出身の旧友フィネアスリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、
平穏な日常は終わりを告げる。
誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、
その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を
追うことになるが……。


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ダニエル・クレイグの花道!

序盤から危機一髪の連続、時折しっとり、そして悪と戦う終盤、
おばさん(私)3時間近い作品、ずっと目頭熱く観ておりました。
そして、最後にダダ泣き。(;_;)

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今作の予習として前作のスペクターを観てから鑑賞したのですが、
観ていないよりは観ていたほうがより作品に入り込めると思います。
今作の冒頭、幼い頃のマドレーヌに起きた事件、それがきっかけで
マドレーヌが銃をボンドから渡されても自衛のために持とうとしない、
そんな場面がスペクターの中で出てくるので
(2人が列車の食堂車で語るベレッタの話)
ああ、そういうことだったのか、幼い頃の経験がそうさせたのか、
と冒頭から納得できました。その話を今作の中でボンドにするのかどうか、
気にしながら観ていましたが結局話さなかった(話せなかった)
過去の記憶を冒頭で消そうとしながらできなかった、マドレーヌの心の葛藤、
そういうものも垣間見えた今作です。

これまでの007というとガンバレルに続いてオープニングですが、
今作はガンバレル(というか悪を倒す)の後、マドレーヌとの別れ、
そこからビリー・アイリッシュの主題歌とともにオープニング、
つかみはオッケー的に私は製作側の演出に素直に丸め込められました。(笑)

ただ、序盤で、
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この主題歌がインストゥルメンタルで流れるのでなぜ昔の作品の主題歌?と
思いながら観ていたのですがああそういう展開でその演出ーと思って涙。
(エンドロールではルイ・アームストロングの歌が流れました)
このあたりはネタバレになるので書きませんが、ダニエル・クレイグの
最後の出演作品としての演出なのかと思いました。
また、前作スペクターからの流れとしては、「家族」がキーワードになって
いると思いますが、このテーマも女王陛下の007にもつながるのではないかと
思います。このあたりはちょっと意外でしたが、個人的にはツボでした。

60年近く続くシリーズ、時代背景も大きく変わり(米ソの冷戦は昔の話)、
メディア王、麻薬王、みたいな国家ではない巨大組織が出てきたりして
いましたが、ダニエル・クレイグのボンドになってからは
悪の組織スペクターと対峙するボンド、出演した5作品がつながっていく、
そんな楽しさも感じられました。

ボンドの後任の007が女性だったりするのもダイバーシティと言われる昨今に
配慮した演出かと思いましたが、ボンドと2人で悪の組織に向かう姿は
なかなか面白く観られました。

前半で登場するCIAのエージェント、パロマを演じていたアナ・デ・アルマス、
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この作品でダニエル・クレイグと共演していた看護師役のお姉さんですが、
今作でのロングドレスを身にまといながらアクション満載で戦う姿が
そうそう、007ってこうでなくちゃ!という場面でしたが、20分くらいで
敵をやっつけて出番終了、というのがちょっと残念でした。
これまでの007であれば、この後も一緒に行動してOh,James〜となりそうですが
前作、今作とボンドのお相手役、メインのボンドガールはレア・セドゥ演じる
マドレーヌなので、残念ながらカラッと明るい演出のみとなったのですが、
彼女は次回作でも登場してくれると盛り上がりそうな、そんな気がしました。

本筋と全然関係ないところで軽くツボに入ったのが、
CIAのフェリックス・ライターが引退したボンドと再会したときに
一緒にいたCIAのアッシュという若めの男性、ボンドが今のCIAってああなの?
とアッシュを指してライターに聞くのですが、実際ボンドがアッシュのことを
`Book of Mormon`と呼んでいて、ただ若いというだけでなく、
世界中いろいろなところで布教活動を行うモルモン教のエルダーの意味で
ブロードウェイ・ミュージカルのヒット作品のタイトルで皮肉に言っていたところ。
おそらく、若いというだけでなくちょっと風変わり、CIAのイメージに見えずに
そうやって聞いたのかと思ったのですが、
字幕(戸田奈津子と冒頭に出てがっかり、字幕監修という人もいましたが)が
日本では通じないと判断したのか凡庸な感じの和訳になっていたのが個人的には
とても残念でした。(このミュージカル、大好きなだけに)

って、戸田奈津子、もう字幕やらなくていいような気がする。(-.-;)

字幕残念の他に、海外映画で観る不思議日本みたいなところがあったのも
少々気になりました。ラミ・マレック演じる悪のサフィンが細菌兵器をつくる基地、
ここに石庭の砂紋、とか、畳敷きの大きな部屋とか、そこに飾られているのが盆栽、とか
サフィンが着ているのが柔道着の生地で作ったような作務衣みたいなものとか、
(畳なのでボンドが正座してサフィンに謝る場面でもボンドがそんなこと!とびっくり)
まあ、亀が忍者になっているわけではないので目くじら立てることもありませんが、
どうせやるなら、
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このくらい弾けてくれれば違和感よりも笑えたのですが。
(って007でそんな笑いは許されないんだろうな)

これまでのボンド作品を色々回収しながら、世界のいろいろなところで悪と戦い、
(サフィンの基地が北方領土にあるっぽい設定)
ソニーピクチャー時代にVAIOやOMEGAをこれみよがしに映し出していたのと違い、
アストンマーチンから繰り広げられる仕掛け、万能な腕時計(今回何度も活躍)、
2人乗りグライダーなど、007はこうでなくっちゃ!(2回目)なQ作品も
観ていて楽しく、いつも以上に弾薬使ってる感じも花道を飾る大盛りな仕掛け?
と思いながら観ましたが、もうこれでダニエル・クレイグの新作ボンドは
観られないのだなあと思うと、15年間で刻まれた皺さえも愛おしくて、
予想していなかった展開と合わせて結局泣いて観終わりました。

エンドロールで、ボンドは戻ってくるって書いてあったけれど、
それはダニエル・クレイグではないのだなあって思うと。(;_;)

と時間の長さを感じずに没入しながら楽しく観終わりましたが、
歴代の007の中で一番人間臭く、泥臭く、静かに、でも熱く、真の愛をもった男、
そんなボンドを演じたダニエル・クレイグの最後の出演作品として
監督が温かく送り出しているようにも思えた
「007 ノー・タイム・トゥー・ダイ」でありました。
(あと2回は観ます!)





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