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映画「戦場のメリークリスマス」を観る [映画(さ行)]

高校生の頃に見た映画(40年くらい前!)、
4K修復版が公開されていると知りヒューマントラストシネマで鑑賞しました。

戦メリ.jpg派手なポスター
こんなのだったっけ、と思って調べたら、
戦メリ2.jpg当時はこんなポスターでした

あらすじはYahoo!映画さんより。

第二次世界大戦下のジャワ山中の日本軍捕虜収容所を舞台に、
極限状態におかれた男たちの心の交流を描いた人間ドラマ。
「愛のコリーダ」の大島渚監督が、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、
坂本龍一といった異色のキャストで撮り上げた話題作。
1942年。ジャワ山中の日本軍捕虜収容所。
そこには単純で粗暴な軍曹ハラと日本語が流暢な英国軍中佐ロレンス、
そして収容所長のヨイノ大尉がいた。
そこへある日、英国軍少佐セリアズが連れてこられた……。



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( ノД`)(;_:)

違う年代で観るとあれ?こんな映画だったっけ?と思うことがありますが、
この作品は高校生に見たときと変わらず、というか、むしろ深い思いで観られました。

男性しか出てこない(戦地の俘虜収容所)中での同性愛を漂わせる展開ですが、
ボウイ様の美しさを大画面で見る萌え感は高校生の頃より強かったと(笑)と思います。
第二次世界大戦の頃の話ですが、戦闘シーンはなく収容所が舞台、とはいえ、
日本軍と俘虜(敵軍)なので、力関係はあるわけで(日本軍がとにかく上)、
その描き方も非人道的、でも、そんな中で、日本軍(教授&たけし)が、
敵国の俘虜(ボウイ様&トム・コンティ)と心を通わせていく様子は、
もうウルルルル、涙腺緩みっぱなしでした。

戦争だから出会った彼らですが、戦争でない時代に敵味方関係なく出会っていたら、
今のような時代に出会っていれば、教授とボウイ様はどうなっていただろうか、
妄想が広がる私でした。(^-^;

当時、ボウイ様が、
レッツ・ダンス <2018リマスター>

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ナイル・ロジャースと組んだこのアルバムで、
それまでの中性的なイメージからすっかり変化したのが私には驚きでしたが、
ボウイ様のこのアルバムやMVでのお姿にすっかり魅入っていた私は、
「愛のコリーダ」とか「バカヤロー!」のイメージしかなかった大島渚の
作品にボウイ様が出演されるから、それだけでこの映画を見に行きました。
その時も人間同士のふれあいというか交流みたいなものは感じたのですが、
ボウイ様がヨノイ大尉にキスする場面、塩の中に埋められたボウイ様の悲しいお姿と、
い・け・な・い ルージュマジック

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清志郎様と一緒に歌っていたこの作品の教授のメイクというか、
高校生の頃見たときは、日本軍でそれはないだろうって感じでしたが、
これも大島渚ワールドで描かれるヨノイ大尉、これはこれでありなんだろうな、
と色々なことに鈍くなっている五十路のおばさんは素直に受け入れました。(笑)

こうやって時間が経ってから見てみると、
他にも結構豪華な俳優が出ているのに気づきました。
ロケンローラー内田裕也、ジョニー大倉、内藤剛志、室田日出夫に戸浦六宏、
金田龍之介、三上寛、こんなに知っている人が出ていたことを思い出しました。

多くの小さい国(日本)のことを殆ど知らない俘虜(イギリスやオランダなど)たち、
武道の稽古であげる声を聴いて驚いたり怖がったり、切腹に蛮行だと思ったり、
文化の違いを感じながらもお互い人間であると思って相手を理解しようとする、
一部、野蛮な日本人など、と日本軍を見下す態度で指示に従わない俘虜もいますが、
二・二六事件の時、満州にいて参加できなかったことに悔いを感じるヨノイ大尉(教授)、
自分のプライドの為に弟に心の傷を負わせてしまったことを悔いるセリアズ(ボウイ様)、
どこか似ている2人だったのね、ということも今回より深く感じたことでした。

あと、当時は特に気に留めなかったのですが、
ヨノイ大尉の執務室に掲げられた額に書いてあった「八紘一宇」。
世界は一家、人類皆兄弟的な意味かと思っていましたが、
戦時中は、日本軍がアジア侵略を正当化するためのスローガンとして
使われていたことを知りました。
今はどこぞの大国がこんな感じですが、侵略、植民地化して世界は一家、
というのは良いことではないなと改めて思いました。

映画の最後、戦後に戦犯として翌日処刑されるハラ(たけし)に会いに来るのが、
ローレンス(トム・コンティ)ですが、立場が逆転しても2人が笑顔で話し合う、
ローレンスが帰るときにハラが大写しになって、メリー・クリスマス!と叫ぶ、
そして、教授のあの曲が流れる。 もうダダ泣きです。

観客の大半が同年代のおじさんだらけで、ガサガサ動いたりゲホゲホしたり、
落ち着きのない人が多かったのだけが鑑賞時のマイナスポイントでしたが(笑)
結構涙を拭っているっぽいおじさんたちも多かったのでやはりリアルタイムに見て
今回五十路、六十路のおじさんたちが改めてみて涙する、やはり良い作品は
月日を経ても良い作品なのだな、今回映画館で観られてよかったと思った、
「戦場のメリークリスマス」でありました。



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