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男女平等 [いろいろ②]

一昨日アップしたファイアフライ通りで感じたことや
昨日アップした昔の日記に書いてあったことも併せて、
先月ニュースになっていた「男女平等」というキーワードについて、
五十路を過ぎた私なりに考えてみました。

オリンピックに女性が出場できるようになったのもそんなに長い歴史ではなく、
女性の参政権も戦後のこと、そうなるまでに活動された方々のおかげで、
完全に平等とは言えないものの、私は現代の世界で生きることができるわけです。

私が社会人になったころはバブル真っ盛りのころ、
男女雇用機会均等法が施行されてましたが、入社時の資格は同じ四大卒でも
女性はひとつ下の資格からスタートするという説明を入社後に聞きました。
入社前、総合職を希望したものの、うちは総合職の女性社員はいないから、
と言われて一般職で入社したんですよね。
同期の男性(文系)は複数年浪人した人ばかり(酷いと2浪1留とか)、
それでも売り手市場だったので内定をもらってから研修と称して旅行に
連れていかれたり宴会でもてなされたり。(V)o¥o(V)
同期で仕事ができる人もいましたが、なんでこいつが?と疑問符のつく人も
いましたから、なぜ男だからとか、女だからとか、そんな線引きでしか
考えられないんだろう、って腑に落ちなかったんですよね。

男性は、同期をまとめて定期的に昇格させていきますが(管理職になる手前まで)、
女性はバブルが弾けた後は特に昇格凍結とかよくわからない理由をつけては
昇格させてもらえず(評価そんなに悪くなかったんだけど)
私の5期下の女性から、男女同じ資格からスタート、と条件が変更となったので、
5歳下の女性社員と同じ資格でほぼ同じタイミングで上がっていく、という、
自分の5年間の働いたことへの評価はなんだろうと、テンションが下がって
この頃から古い体質の会社から転職しようという気持ちが芽生えていきました。
(実際転職できたのはその20年くらい後ですけどね(笑))

総合職への変更を希望した時も、小論文と面接の試験があって
(男性社員だと最初から総合職で入社しているので小論文を書く事もなく)
よほど女性を総合職にしたくないんだろうなと思った、ということが
日記に書いてあってそうだったんだよなあと思い出しました。
(日記は既にシュレッダーばさみでじょきじょきしちゃったから
 こうやってblogに備忘録で書いたりする訳です(笑))

また、入社当時は、女性社員によるお茶出しも当然と思われていて、
更に、役員の入る会議がお昼にかかると出前をとって食事を出す、
それが当然女性社員の仕事、とばかりに指示されては対応していたのですが、
一般社員が食べていた仕出し弁当を出せばよいのに、役員の選民意識が強い、
というか、役員にゴマするオッサンが多く、そんなまずい弁当を出したら
自分の評価に傷がつくとでも思っていたのかもしれませんね。
頻度が多い時は週に何度も食事&お茶出し、なんてこともありました。
違うビルに会社が引っ越して社食ができてから会議時の食事出しもなくなり、
社員(たとえ部長でも)はお茶は社員各自で淹れるようにと、
当時の社長から指示が出てからお役御免になったのですが、
そんな中で役員にはお茶を出せと言われて渋々やっていました。( 一一)

入社した頃には既に産休の制度はありましたが、制度を使おうとすると、
「よほど能力がある人なら産後に復帰してもらいたいが、
 そういう人でなければ退職してもらいたい」
って、普通に人事が暗に辞めろという感じで言っていたんですよね。
それでも制度利用を希望した人には、
「辞めないなら復帰の時、元の部署に戻さないから」って
労基に訴えたらアウトだろうってことを普通に言うような会社でした。

私が退職した平成時代の後半は、産休制度を複数回利用する女性社員も増えていて
(産休取得時、一時期欠員になるのを補充しない会社なので同じ部署の人たちが
 業務を手分けするのが大変だという話は聞いています)
労基でアウトになったらいけないからという目線で取得させているみたいで、
取得する社員や、その社員と同じ部署の社員たちのことを考えているようには見えない。

と、社会人になってから30年くらい経って環境が変化していて当然なのですが
(変化していなかったら逆に怖いし)
私が20年以上勤めた会社を辞めた原因の一つが元上司(男性)の言葉でした。

「うちは製造業だから女は出世できない」

そんな言葉です。言われたのは四半世紀前くらいなので私もまだ20代でした。
当の本人は既に言ったことさえ覚えていないと思いますが、
「製造業でも社内には様々な業務があり、それぞれの業務に適正のある人を
 選べばいいだけで、性別で分けるものではない。」
と私は反発して答えたのですが、そうやって答えるから女性は感情的でダメだ
って言われたんですよね。

その10年くらい後、女性の技術職が1人、営業職が1人、新卒で入社すると
これからは女性も男性と同じように活躍してもらう、と総合職で採用し、
いや、それはいいことだけれど、年長の女性社員達にも目を向けろよ、と
この上司の矛盾に疑問が増幅していきました。
結局、この女性社員2人は私と同じタイミングで早期退職で辞めたのですが、
2人と話す機会があって聞いてみたら、結構プレッシャーが強くて
大変だったんだなあ、って逆に気の毒に思えました。

女性を総合職で採用する、ということが元上司のような人たちには
会社として世の中の流れに合わせて前進している、
自分グッジョブ的に思っていたのかもしれませんが、
それに併せて年長女性社員達も引き上げていこうという考えがなく、
若い女性総合職にばかり期待していたことがそれがプレッシャーになる、
そんなことは微塵も考えていなかったんでしょうね。

私に女性の出世は無理といった元上司はぐんぐん出世して、
おじさん社員達は皆陰では文句や悪口を言いまくるものの、
本人の前ではイエスマンだらけ、この人たち本当に管理職?状態で、
部下に指示する時も「〇〇さん(元上司)が言ってるから」という、
自分で責任とらないんでしょ、って言い方する人ばかりでした。
まあ、サラリーマンだから自分の身が一番大事なんでしょうが、
それでよく管理職とか役員でいられるな、恥ずかしくないのかな、って
思います。(V)o¥o(V)

私には別に自分が出世したいというガツガツした気持ちとか、
守るべき家族もいないので(婆1号は経済的には自立してるので)、
元上司の言うことに疑問があれば、それは本人にとっても会社にとっても
良いことではないからと、臆することなく疑問を呈していたのですが、
自分の意見に反論する態度が感情的な女が言うことだから、
その程度しか思われていなかったみたいです。
おまけに、自分の意見に間違いなし、と、変に揺るぎない姿勢で
他人の意見に耳を傾ける気持ちがなかったんですよね。
この元上司、私の上司としての期間が結構長かったのですが、
その長さの分だけ、いやそれ以上に男尊女卑な態度が受け入れられなかった。
きっとこの人は死ぬまで態度を変えることはないだろうな、と思ったこと、
そんな環境で定年まで働くことが自分にとってよいこととは思えなかったこと、
自分の人生をずっとこんな調子で渋々過ごすことへの疑問が湧いた、
それが会社を辞める決断につながっていったんだろうな、と思います。

今の会社ではお仕事柄、コーポ―トガバナンスコードにも関わることがあって、
上場企業として多様性を重んじないといけない、ということも理解しています。
(そんな基準とか言われてやる前に、前向きに取り組まないといけないんですけど)
昨今は女性の管理職、役員の比率を上げろという動きが強くなっていますが、
先月の森さん女性蔑視発言からのオリンピック要職を女性で固める、
みたいな流れは良いのかよくないんだか、なんとも言えない気持ちになりました。

昔の勤め先も、現在女性管理職が(相変わらず)ゼロ、という中、
(過去に1人いましたが退職してしまったのでその後ずっとゼロ)
社外取締役に女性を一人いれることでコーポレートガバナンスコードは守ってます、
というアピールをしているのが開示資料でも分かるのですが、
お世話になった女性の先輩や後輩もバリバリ仕事ができても引き上げられず
一方、東証や機関投資家から突っ込まれないように社外取締役に女性を入れる、
そのやり方がなんだかセコク見えたりします。
今後女性の管理職も増やせ、と罰則付きの規定として言われたら
慌てて目につく女性社員を管理職に仕立てるんだろうなって。(笑)
なんかそういう光景が未だに目に浮かぶような会社です。

ちなみに、今の勤め先は女性の管理職はそこそいますが役員はゼロ。
今後どうするんだろうと思いますが、役員の人たちも頭が柔らか系が多いので
役員に引き上げたいと思う女性管理職について検討はしているのではないかと。

国会での女性議員を観ていると、女性を女性を!と叫ぶだけみたいに見えて、
あれじゃあなあって思います。
個人的に好きではないのが「女性ならではの」を枕につけて話す人。
他にも「女子力」とか「女性らしい」というのも好きではありません。
そうすれば、女性がんばれ!と思って投票する人もいるのでしょうが、
ヤジとか足を引っ張ることばかり言って具体的に前向きな発言をしているように
見えない女性には共感しづらいですね。

と、だらだら書いていてまとまりがなくなってきたのですが(笑)
今の時代、男性だから、とか、女性だから、とか区別するのもどうなんだろう、
そう思うことが増えました。
LGBTという考え方もあるわけで、性別に関係なく適材適所であればよいわけで、
女性だから無理、と考える元上司みたいな人もその内消えていくでしょうし、
急速に変化していくことは難しくても、私自身は社会人になってから30年くらいの
世の中の変化を見ていると確実に流れは変わっていることは感じています。

大坂なおみさんの有言実行なお姿を観ていると、感情的にならず伝えるべきことを
行動を伴って伝えることができる、年齢じゃないんだなって思いますが、
(年取ってるだけで人生の先輩的に上から目線になる人も見習ってほしい)
私もまったく規模感は違うとはいえ自分の思うことを行動として示すことも
できるのではないかな、と思うようになりました。
昔の勤め先を飛び出したことで、自分の考えを曲げない人たちから離れて
女性だからと差別されるイライラもなくなったことで精神が安定するように
なりました。
それもこれも早期退職で割増がもらえたことで自分のローンのことやら
自分の老後の人生も含めて先々の計画を立てることができたからですが、
そういう点では昔の勤務先には感謝しています。
(それ以外はいまだに思い出すとイラッとすることが多いです(笑))

完全に平等というのはおそらく不可能なのかなと思っています。
また、性別だけでなく人種や社会での階層、あらゆるところで差別が生まれ、
平等にといってもその実現には多くの困難を伴うものなのかもしれません。
男性だから、女性だから、ではなく、自分が一人の人間として何が出来るのか、
仕事でもプライベートでも、自分の存在意義を考えながら、
できることは実行に移していきたい、と思います。


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