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映画「ジョゼと虎と魚たち」を観る [映画(さ行)]

緊急事態宣言が期間延長されたころ、映画館が開いているし、
(終演20時までみたいな感じでしたが)
1人でマスクしたまま誰とも話さず観るんだし、と思ってみた映画です。

joze to.jpg


あらすじはYahoo!映画さんより。

幼いころから車椅子生活で一日のほとんどを家の中で過ごしているジョゼは、
ひょんなことから海洋生物学を専攻する大学生の鈴川恒夫と出会う。
卒業後に留学すべくアルバイトに精を出す恒夫は、
ジョゼの祖母からあるアルバイトを依頼される。
自分の話し相手となった恒夫にジョゼは毒舌をふるうが、
彼はひるむことなく率直に向き合い、やがて二人は心の距離を縮めていく。




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なんだかもう純愛過ぎて。(泣)

おばさん、不覚にも泣いてしまいました。
ジョゼの反抗的な態度は恒夫に甘えたい気持ちの裏返し、
そんな感じで見ていたのですが、「天気の子」や「君の名は。」などの
アニメと同じく深みは多少あるものの純愛だなあって感じがしました。

原作は未読、実写版も未見の状態で今作を鑑賞したので、
素直に純愛に引き込まれて泣いた私ですが、
田辺聖子の原作もこんなに純愛?と思って、鑑賞後原作を読んでみました。


ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/01/08
  • メディア: Kindle版
20ぺージくらいの短編なのですぐ読めましたが、かなり雰囲気は違うかな。
原作は時代がもっと昔で身体に障害のある人にはもっと暮らしづらい頃だった、
(世間の目もそうですし、生活する環境自体も)
そんな中で、人間の本能(性)についても描かれていて、
この先2人は明るい未来なのかどうなのか、どこか悲観的なこの先、、が
見えるような終わり方だったので、そのままアニメに展開させるのは難しい、
今作が純愛に仕立てられ、きれいに描かれているのもアニメだからなのかな、
と思いました。

ジョゼと虎と魚たち [DVD]

ジョゼと虎と魚たち [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: DVD
実写版の方が(レビューなどを観ると)原作に近いような印象なので、
いずれ鑑賞してみようと思いますが、アニメならではの世界観みたいなものが
あるような気がしますし、あまり悲観的に深堀りせずに描く方がよいのかもしれませんね。
実際、私も、ジョゼと恒夫が海に行く場面や、ジョゼが図書館で自分の書いた絵本を
子供たちに聞かせる場面など、ちりばめられた泣きポイントにきちんとはまって
素直に泣きながら見たわけですから、今作についてはよく作られていたと思います。
実生活が汚れていればいるほど素直に泣ける作品なのかもしれません。(笑)

障碍を持つ方は実際もっと日常生活でご苦労も多いだろうと思います。
冒頭で見知らぬ人に坂道で車いすを押されてしまう、そのあたりしか描いていませんが、
障碍を持つ方への理解不足、逆に反感を持つ人というのは意外に多いのではないか、
そんな社会で障碍を持つ方が性的なものを含めて様々な被害に遭われているという事実も
あるわけで、そこをアニメでは深堀りするのは難しいのだろうなと思うと、
キラキラときれいな世界観に終始した今作はあくまでもきれいな作品として見るのが
よいのだろうと思いました。

以前鑑賞した「37セカンズ」のような映画が実情をリアルに描いているのだと思いますが
たまにはこういうアニメのキラキラで心を洗うのもよいのかな、と思った、
「ジョゼと虎と魚たち」でありました。







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