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映画「家族を想うとき」を観る [映画(か行)]

ケン・ローンチ作品ということで映画館で鑑賞しました。

家族を想う時.jpg

あらすじはYahoo!映画さんより。

マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、
フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。
母のアビーは、介護士として働いていた。
夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、
高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。
ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。




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理不尽な世の中です。(V)o¥o(V)


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この作品と同じ監督(ケン・ローンチ)で、今回も世の中の理不尽さを感じ続けて
え?という終わり方で終わってしまった映画でした。

イギリスに限らず世界の先進諸国ではこのような善良な市井の人たちが
ちょっとした躓き(今回は使っていた銀行破たんがきっかけで人生転落)で
転落してしまうと、そこから元には戻れない、働けども働けども生活は楽にならず、
歯車がどんどん狂っていってしまう。

真面目に働きながら自分の家で平穏に過ごしたいだけなのに、
誰も悪いわけではないのに(悪いのは銀行)、
家族を守りたいだけなのに、家族が疲れきって互いに怒り合う負の連鎖。

お金がなければ何もできない、苦しさから這い上がれない、
お金がすべてではないものの、確かに先立つものはお金、
お金があれば気持ちに余裕もできますが、
今作の家族はお金のために仕事に振り回され、それでも報われず生活も楽にならず、
子どもたちも親の愛情が得られず不満を募らせて親に迷惑をかけてしまう、
どこかに這い上がっていくきっかけがあるのかもしれませんが、
そのきっかけに気づけないほど疲弊しているのか、観ていて切なさだけが
最後まで続きました。

私自身も仕事はありますが、お給料が増えないのに社会保険料は増えていて
本当に老後大丈夫かな、なんて不安を抱えているわけですが、
今作の家族は銀行破たんで奪われたマイホームの夢を求めて働くものの
それでも全く生活は楽にならず、重傷を負ったぼろぼろの体でも
働きに出ていかなければならない、その姿をローンチ監督は描くことで、
世界のあちこちで現実としてそういう状況があることを提起し、
観る人それぞれに考えてほしいと思って衝撃的なエンディングを見せたのか、
そんなことを考えながら、贅沢は望まなくとも平穏に過ごせることの幸せを
感じた「家族を想うとき」でありました。






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