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映画「氷上の王、ジョン・カリー」を観る [映画(は行)]

予告編を観て気になっていた作品です。

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あらすじはヤフー映画さんより。

イギリス・バーミンガム出身のフィギュアスケート選手ジョン・カリーは、
演技にバレエのメソッドを導入する。
そして1976年に、インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングル部門で
見事金メダルを手にする。
だがマスコミが関心を寄せたのは、彼のスケートに対する評価ではなく、
当時まだ公には差別されていたゲイであることだった。




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丁寧にジョン・カリーの生涯を紡いだ映画です。

私自身、フィギュアスケートは小さい頃から見ておりますが、
渡部絵美のあたりから真剣に見るようになったので、
ジョン・カリーはインスブルックオリンピックで金メダルをとった人、
という程度で、そこまで知っている人ではありませんでした。

イギリスというと、その後に出てきたロビン・カズンスが記憶に強い、
そんな世代ですが、今回ジョン・カリーの姿を見て、
それまでフィギュアでも男性は男性らしく、と思われていた中で、
氷上のバレエを芸術的に作り上げた彼の功績は非常に大きかったんだな、と
改めて思いました。

作中で語りの一人がジョニー・ウィアーですが、
彼もジョニー・ウィアーがいたからこそああいう芸術的なスケートを作り上げて
私を含めた人たちを楽しませてくれたんだなと思うと、ジョン・カリーの存在は
非常に大きなものだったんだな、と思いました。

同性愛を悪だと思うような時代、
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フレディと時代が重なるので、このあたりは観ていてそうだよなあ、と
思ったのですが、父親との確執、メディアの同性愛ばかりを報じる姿勢、
そんなことから自由なアメリカ(NY)で過ごす彼の姿は
自分らしく生きられる場所だったのかと思いました。
ただ、ゲイコミュニティでの生活で精神を病んでしまうのも、
見ていて切ない気持ちになりました。

彼が求めた芸術性の高いアイスショーは
イギリスやアメリカの伝統的なホールや劇場で高い評価を得るものの、
高い評価が興行として成り立たず、赤字を積み上げていく中で、
精神的につらかったのに来日して行ったショーの場面、
見ていて、日本人として失礼というか恥ずかしいなと思いました。
当時の興行を支援してテレビで放送していたのはフジテレビだと思いますが、
当時の画面を見ても、あまりに失礼な演出、スポンサー広告を下品なくらい
スケートリンクの周囲に並べていることで彼が精神的に更に不安定になっていった、
そんなことが映画に出てきて申し訳ない気分になりました。

と思いながらも彼がスケートの世界に芸術性の高さをもたらしたことは
今のスケート界でも大きな影響を与えているのは明白で、
(とはいえ、今はスコアを上げるための構成というのが残念ですが)
見ていて感動するような演技を大きなスクリーンで見ながら、
ジョン・カリーという一人のスケーターの人生を少しでも理解することができた
「氷上の王、ジョン・カリー」でありました。


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