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映画「マダムのおかしな晩餐会」を観る [映画(ま行)]

予告編を見て面白そうだったので日比谷シャンテシネまで観に行きました。

Madame.jpg酷い邦題ですが原題は’Madame’

あらすじはYahoo!映画さんより。

パリに引っ越してきた裕福なアメリカ人夫婦のボブ(ハーヴェイ・カイテル)と
アン(トニ・コレット)は、セレブの友人たちを招いて晩餐会を開こうとするが、
招待客の数が不吉な13人になる。
急きょスペイン人のメイドのマリア(ロッシ・デ・パルマ)を神秘的な女性に仕立て上げ
晩餐会に同席させるが、彼女が酒を飲み過ぎて下劣なジョークを言ってしまう。


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面白かったりモヤモヤしたり。


予告編を見ていると、13という不吉な数字を回避したいという、
アンのわがままに振り回されたマリアが英国紳士と出会って、、
ハッピーエンドかな、って思ったら、最後がどうなったか分からず、
観ている人の想像におまかせします、って感じだったのがモヤモヤ。

はっきり描かないのがフランス映画ぽいのかもしれません。
結末が分かった方がいいのか、わからない方がいいのか、
自分の期待(想像)と同じなら結末みて良かったと思うし、
そうでなければみなければよかったと思う、要は自己中なわけですが、

私自身は、描かれなかった結末については、
メイドを辞めたマリアが普通の女性になって幸せになってくれると願っています。
(最後、颯爽と歩いていく姿がとても綺麗だったのが印象的でした)

今作で描かれているのは富裕層の特権階級とメイドなどの底辺層の労働階級、
その差なのですが、アンが鼻持ちならないカスみたいなおばさんで、
金持ちの資産家を略奪して結婚、子供も生まれてパリに引っ越して贅沢三昧、
そのせいで、ダンナ(今回は弱弱しい感じを演じるハーヴェイ・カイテル)が
銀行からの取り立てから逃げながら金策に走り、カラヴァッジョの最後の晩餐を
売却しようとする一方、奥さんはセレブを招いて豪華に晩餐会。

そこで突然現れたダンナの前妻の息子が晩餐会に増えたので数が13。
不吉だと騒ぎだして、嫌がるメイドのマリアに客のフリしろと無茶ぶり。
ダンナがフランス語会話の先生(若くてきれい)と楽しそうに会話しているのを
見て嫉妬する一方で、自分も他の男と浮気(しているように見えた)。
自分の思う通りにならないとすぐヒステリー、ダンナとはセックスレスのストレス、
マリアが晩餐会にきていた英国紳士(ダンナが売却する絵画の鑑定士)に好かれ、
デートにでかけるのに嫉妬、メイドの分際で生意気、くらいの勢いで嫉妬しまくる、
スペイン人の出稼ぎ、フィリピン人(のメイドもいる)のくせに、
とにかく自分が上で労働階級を見下しまくりの狭量な性格ブス、それがアン。

一方のマリアは周りへの気遣いがある一方で、素直に話す性格、
晩餐会に駆り出されたときにワインの勢いで話したお下品トークに
映画館大爆笑で私も当然笑いました。

女性のオッパイには3つの段階がある、って話で盛り上がり、
男性のチン珍には3つの段階があるって続いて話して盛り上がり、
チョリソーには、、、って話しかけたところでダンナが話を止めるのですが、
その続き、聞きたかった人、多かったと思う。(笑)

アンの贅沢三昧でお金に困っていることにもアンは気づかず、
セレブと豪華に食事することで自尊心を保っていたのかと思いますが、
そんなアンよりフランス語の先生に好かれていくダンナの気持ちも分かるし、
ダンナを振り向かせようと行動に出るアンがあまりにも痛すぎて、
マリアの正体を英国紳士にばらしてしまう残念行動は、自分にも跳ね返って
くるのかな、と思わせるような描き方になっていたと思います。

お金はあった方がいいけれど、あればあるで、見栄を張りたくなったり、
人にバカにされたくないと無理をするとか、相手を思いやる気持ちが
希薄になってしまう人もいるんだろうな、と思いつつ、
マリアのように人を思いやり、人を愛せるような人になりたいな、と思った
「マダムのおかしな晩餐会」でありました。

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