映画「あの子を探して」を観る [映画(あ行)]
借りた理由がわからないのですが、まとめて借りたら
入っていた作品。
あらすじはYahoo!映画さんより。
舞台は中国の小学校。1ヵ月間学校を離れることになったカオ先生の代わりに、
村長から代用教員に指名された少女ウェイ。
可愛いけれど、やんちゃで生意気な28人の生徒たち。
“生徒が一人もやめなかったら褒賞金をあげる”というカオ先生の言葉を信じて、
子供たちを懸命に見張り続けるが、ある日、いつもウェイを困らせていた少年チャンが
都会へ出稼ぎに出てしまった……。
(画像はこちらで)→ https://www.youtube.com/watch?v=SXavYxovq8M
出演者が素人なのか、、演技力については言及しないという前提で。
何を描きたかったのかと考えながらみたのですが、
現在の中国、豊かな都市部と貧しい農村部の格差を描きながら、
貧しい農村部で学校に通えず家族の為に出稼ぎする子供が多いことへの
問題提起の映画なんだなと思いました。
チャン・イーモウ監督作品だしね。
エンドロールで学校にいけない子の現状の説明があるのですが、
学校を辞めざるを得なかった子供が毎年100万人、
そのうち復学できるのは15%程度、残りは復学できないということは
学ぶ機会を得られない子供がとても多いということ。
同じ国(広いからこその問題だろうけど)で、勉強できる子、
学校に通いたくてもできない子、格差があまりにも多すぎます。
前半は、一人も生徒が学校を辞めなければお金をもらえるといわれたウェイが
ろくに授業もしないくせに、ホエクーが出稼ぎにいったのを知った途端、
自分がもらえる筈のお金がもらえない、とそれだけの理由で、他の生徒からバス代を集めて
都市部まで行ってみるものの、どうやって探せばよいのか途方に暮れる。。。
ウェイの身勝手な態度に見ていてイライラしっぱなしで、
途中でギブアップしそうになるのですが、都市部まで行ってどうしてよいか、
そんな光景になってくると、逆に見つかればいいんだけれど、、と思ったり。
出稼ぎに行ったホエクーも辛い思いをする場面が描かれたりしつつ、
最後はテレビ局の協力のお陰で(これも運がよかったからだろうし)
ホエクーが見つかり、村の貧しい学校に文房具が寄付されて、
とりあえずめでたしめでたしなエンディングとなりましたが、
これがすべての解決にいたるわけではないし、
根本的に貧困の格差が解決されなければ、学校にいけない子はいるし、
いつまで経っても解決されないのではないかな、と思いながら見終わりました。
登場する人はみな自己中心的で強欲な人ばかりですが、
そんな中で、唯一、優しさと思いやりがある人物として描かれているのが、
ウェイがホエクーをテレビ番組で探そうとして訪れるテレビ局の局長さん。
大きな組織で権力のある人がやさしさを見せる、そこにどこか救いを感じましたが、
その他の人物はすべて思いやりのかけらもない人ばかり。(中国ぽいのかも)
日本でも一億総中流といわれた時代から貧富の差が広がっているのが
よく報じられていますが、この作品で描かれている中国はそれどころでなく、
チョーク一本さえ大切に使わないといけないような貧しさの農村、
少しでもこういう子供たちが学校に苦労せず通えるようになってほしい、
と思った「あの子を探して」でありました。