映画「スタンリーのお弁当箱」を観る [映画(さ行)]
予告編で楽しそうだなと思って借りた作品です。
あらすじはYahoo!映画さんより。
いつも周囲を笑わせているクラスの人気者スタンリー(パルソー)は、
家庭の事情によりお弁当が用意されることはなかった。
昼食の間は一人で過ごし、水道水で空腹を満たしている彼を見かねたクラスメートたちは、
自分のお弁当を少しずつ分けていた。
しかし、その様子を見た先生の言葉に傷ついたスタンリーは、学校に行かなくなってしまい……。
お弁当のカレーが美味しそう!
なのですが。
もうねぇ、、スタンリーや他の子供たちの笑顔がとてもいいのに、
弁当にたかる教師が最悪で、、、ずーっとずーっと見ていて不快でした。
(映画のテーマが後で分かりますが、ここまでひどくする必要はなかったかなと思います)
インド映画ですが、いきなり歌ったり踊ったり、、そういうことは一切なく、
それを期待されていると、残念感漂うかもしれません。
作品の殆どの時間、不快なまま見続けていたのですが、
どうしてスタンリーがお弁当を持ってくることができないのか、
その理由が分かったあたりから、気持がガラッと変わってみられました。
この映画、何を描きたかったというと、児童の労働問題、働かされる子供が多いことを
訴えたかったのだと思います。
親戚のところで暮らすスタンリーが昼間は学校に行くのですが、
帰ると夜遅くまでレストランで働かされる、そんな事情が最後の方で映し出され、
ああ、そういうことだったのか、、と思います。
日本では労働する児童はゼロではないにしても少ないと思いますが、
世界の他の国々では働いて学校にいけない子供が多いでしょう。
スタンリーは学校に行けるだけでもいいとして、でも、お弁当はもっていけず、
それでも明るい性格で(お弁当をもってこれないことでウソをついたりしますが)
周りの子供たちにお弁当をわけてもらい、楽しく遊び学校での時間を有意義に
過ごしているように見えました。
この映画、子供たちが映画撮影とは知らずに、ワークショップの形式で撮影されたそうで、
演じている子供たちが実に自然な表情でイキイキとしているのが印象的です。
また、スタンリーの実の父親が監督であり、
しょうもなく意地悪な教師を演じていた男性ということを知り、
お父さんと演じることがスタンリー役の男の子はああいう設定でも楽しかったのかな、
そんな風にも思ったり。。。
冒頭からの不快感が耐えられない人には最後まで観るのは難しいと思いますが、
スタンリーや子供たちの笑顔を観ていると、労働を強要される子供たちがいなくなりますように、
と思った「スタンリーのお弁当箱」でありました。