映画「アルバート氏の人生」を観る [映画(あ行)]
以前から気になっていた作品、やっと借りて観ました。
あらすじはYahoo!映画より。
19世紀のアイルランド、
アルバート(グレン・クローズ)はダブリンにあるホテルでウエイターとして働いていた。
だが、人付き合いが苦手で、もの静かなアルバートには誰にも明かすことのできない
大きな秘密があった。
ある日、アルバートはホテルの改装工事にやって来た陽気で端正な容ぼうの
塗装業者ヒューバート(ジャネット・マクティア)と出会い……。
とても悲しい結末ではありましたが、とてもいい映画でした。
今作の監督、ロドリゴ・ガルシアといえば、
「美しい人(原題:Nine Lives)」や「愛する人(原題:Mother & Child)」の監督というだけあって
女性の描き方が素晴らしい作品。
主人公のロバート、ロバートが心を通じ合わせて友人になるヒューバート(男装の女性)、
妊娠した途端男に捨てられるヘレン、強欲で傲慢なホテルの女主人などなど、
女主人は見ていていらつくばかりでしたが(特に最後の場面など)
他の女性たちはそれぞれに背負うものも異なり、共感しながら観られました。
当時の時代は今よりずっと女性が一人で生きていくことが難しいかったと思いますが、
今でも女性が一人で生きるのは大変な時がありますもんね。(それは自分で感じてる)
また、当時の階級社会も映画の中で描かれていますが、
アルバートが勤めるホテルで贅沢三昧の金持ち(観ていてイラつくくらい態度が悪い)、
そんな嫌な奴にもきちんと給仕していくアルバート、その対比が見ていて切ないというか、
日本でも昔は同じように階級の違いとか今よりも大きく存在していたことを考えると
アルバートが(実在の人ではないとしても)身寄りなく使用人として働き続けるしかない中で、
なんとか自分の生活をしようとこつこつお金をため準備している姿を見て、
それが叶わなかった結末にはどこか理不尽さを感じてしまいました。
アルバートがヒューバートに背中を押されるようにドレスを着て海辺を走る姿、
色々なものから解放されて素直に楽しい表情を浮かべているのがホントに素敵でした。
人生は何が起きるか分からない、そんな中で一生懸命生きようとすることの大切さを
教えてもらった気持になった「アルバート氏の人生」でありました。