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映画「サンザシの樹の下で」を観る [映画(さ行)]

久しぶりに中国映画を借りました。


サンザシの樹の下で [DVD]

サンザシの樹の下で [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2012/01/10
  • メディア: DVD

あらすじはYahoo!映画より。

文化大革命下の中国。都会育ちの女子高生ジンチュウ(チョウ・ドンユイ)は、
再教育のために送られた農村でスン(ショーン・ドウ)という青年に出会う。
エリートでありながら明るく誠実な彼に惹(ひ)かれるジンチュウだったが、
それは身分違いの許されない愛だった。その後、2人は愛を交わし合う関係にまで至るが……。





じわじわ~っと心に沁みるお話でした。


ジンチュウ、演じているのはチョウ・ドンュイという女優さんですが、
美人という訳でもなくどこか素朴な顔立ち、私にはこけしでよくみかけるようなイメージでしたが、
その顔立ちが精悍な顔つきのスン(どこか原田泰造にも似ていたような気がしないでもないのですが)と
よく合っていて、どこか親しみを感じながらみられました。

話自体は、時代に引き裂かれた悲恋、というのかな、ある意味、鉄板的な話なのですが、
農村の長閑な風景と、2人が共に過ごす時間の描き方がじわじわきます。

自転車に2人乗りしながら坂を下りる場面とか、川(池?)で2人で水遊びする場面とか
(ジンチュウのハニカミ具合がまたほのぼのした気持になります)
後半で、2人が写真館で写真を撮る場面とか(それが最後の最後に出てきて泣けちゃうんだな)
アラフィフの自分にはもう眩しすぎるくらいでした。

結局2人は悲しく別れることになる訳ですが(スンが病気で死んでしまう)
2人の思い出のサンザシの樹の下に埋葬されたスンをジンチュウがお参りし、
そこで咲いた花が白かったことが説明されるのですが、
抗日戦争で沢山の人が命を失い、その血でこのサンザシは赤い花が咲く、といわれていたのが、
咲いた花が白いという事実。そしてその樹はダムがつくられて水の中に沈んでいくという説明で
話が終わります。


思想犯で捕えられたジンチュウの父親や、同じ理由で共産党員から酷い目に遭う母親、
スンの病気(急性白血病)も地質調査という業務(テントで隠されていて分からないのですが)、
スンとジンチュウが結ばれない理由、どれもが国家にあったのではないかな、なんて
観ながら思いました。


お互いの気持ちは通じているのに、当時の時代背景というか国家によって引き裂かれた2人。
生き残ったジンチュウもサンザシの樹が水の底に沈んだ後はアメリカに留学したそうですが

Under the Hawthorn Tree. AI Mi

Under the Hawthorn Tree. AI Mi

  • 作者: Mi Ai
  • 出版社/メーカー: Virago Press (UK)
  • 発売日: 2012/01/01
  • メディア: ペーパーバック


実話に基づいて書かれた原作というのを知って、
ジンチュウはその後アメリカから中国に戻ることなく結婚したのかな、
どういう人生を送っていったのかな、などということを観終わったあとも考えてしまったのですが、
ジンチュウにとっては悲しくても素晴らしい経験になったのかもしれないと思った
「サンザシの樹の下で」でありました。



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