映画「インサイド・ジョブ」を観る [映画(あ行)]
ぼんやりと知っているものの実際なぜ?というのが知りたくて借りてみました。
あらすじはYahoo映画さんより、
2008年9月、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、
世界中を巻き込んだ金融危機が発生する。
アメリカはその前から住宅ローンの焦げ付きによるサブプライムローン問題なども抱えており、
一気に未曾有の経済恐慌に陥ってしまう。
そこには1980年代以来、狂乱の時代にあったアメリカ金融界に巣食う恐ろしい落とし穴があった。
腐れ過ぎ。
もうねぇ、、、アメリカの金融業界、、腐れ過ぎです。
冒頭でアイスランドが登場するので「あれ?」って思ったのですが、
金融自由化で国家破綻となった姿を描いた後に、本題のリーマンショック、というか、
実は1980年代からの金融業界の歴史をなぞると、その頃からの取り組みが引き起こしたもの、
という流れが描かれていきます。
2008年のリーマンショックで世界中が金融危機に陥り、世界経済は一気に減速、
私が長年勤めていた会社もそんな流れに呑みこまれ大変だったのですが、
(大変じゃない会社の方が少なかったでしょうし)
その流れの大きな原因がサブプライムローンだったというのは分かるのですが、
それがどう問題として膨張していったのか、なんてことを関係者のインタビューを基に
構成されている実に淡々と描かれている作品でした。
アメリカ、、旅行にも行くので嫌いと言い切れないのですが、
そうかなと思いながら読みはじめて、ああやっぱりねぇ、、なんて思うと
本当にこの国って何なんだろうなって思ったりします。
戦争が起きるぼろ儲けする民間企業が多いとか、消費者目線でない儲け主義の食品業界とか、
この本でなくても色々映画やら違うところからも知りえる部分はありますが、
サブプライムローンのような金融商品作っていつか破たんするのが目に見えていながら、
己の給料を上げるために売りまくる、、、金融業界って頭おかしいんじゃないのかな、って
今作を観て口アングリしっぱなしでした。
金融危機を引き起こした責任を問われたら困る人たちは一切インタビューに応じていないのですが、
それが、グリーンスパンだったりバーナンキだったり、、、このオジサンたちも何なんだったんだ、
ってFRBのトップ=公明正大で世界の金融を牽引する存在って思っていた私には衝撃的で。
アメリカって企業のトップや役員って法外な報酬を当然のようにもらっていますが、
金融業界の幹部やセールスもハイリスク商品を売りまくってぼろ儲けしていた人だらけ、
自分の販売した商品で破綻が起きてもその時自分はもうその会社にいないから知ーらない、
そんな無責任な人たちが束になって起こした不況が世界中に波及したのを考えると、
なんなんだよ、アメリカ(人)って思います。
もちろん、あれだけたくさん人口のいる国ですから、
その中のごく一部の強欲な人達と利権構造が引き起こしたこと、、、認識はしていますが。
金融業界の強欲さに加えて、政治家や有名な学者などが己の欲の為に悪に加担し、
(格付け会社も本当に酷いしね) 世界全体に負をもたらしたこと、
その元凶となった一部の人が、オバマ政権でも要職についている事実、
内容は専門用語も入っていて私などの素人には難しいものはありますが、
要所要所で図解されているのも理解するための助けとなりました。
ナレーションがマット・デイモンというのもなかなかよく、2時間という長さを感じずに観られました。
喉元過ぎれば、、、またこういう問題がアメリカから引き起こされるのではという懸念もありますが、
日本の金融業界には反面教師としてほしいですし、できるだけ多くの人に見てもらいたいと思った
「インサイド・ジョブ」でありました。