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映画「ジャンゴ 繋がれざる者」を観る [映画(さ行)]

見たかったのに思いの外上映期間が短くて見そびれちゃった作品。

ジャンゴ 繋がれざる者 [DVD]

ジャンゴ 繋がれざる者 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


あらすじはAmazonさんより。

主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、
賞金稼ぎのシュルツと出会い、自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で
妻を買い戻そうと決意。
お尋ね者を追うアメリカ横断の旅の最終目的地は、妻が捕らわれているキャンディ・ランド。
そこは残忍な若き暴君カルビン・キャンディが君臨する農園だ。
ジャンゴとシュルツは奴隷商人を装いキャンディ・ランドに乗り込むが、
見かけは黒人、心は白人の老獪な奴隷頭スティーブンが二人の正体を見破り!
思いも寄らない一大死闘が展開する! !
最後に生き残るのは果たして―――?
 

 


 

痛快です。 

上映時間が165分と長いものの、全然長さを感じませんでした。

タランティーノ作品というと、

ありえねー!的なイメージですが、

この作品はそういうこともなく、いつものバカバカしさがちょっと控え目。
奴隷制度のことをテーマに作られているから、、、、なのかと思いましたが、
それでも面白く観られました。

とはいえ、タランティーノらしい、「別にどうでもいいけどなんか面白い場面」、ありました。

個人的にツボにはまったのが、手配者のブリトル兄弟を殺しに大きな農園に行って、
無事兄弟3人を殺すんですが、その後、農園のオーナーが白人の仲間と一緒に
ジャンゴを殺しにやってくる場面。

KKKばりに白い袋を頭からかぶって馬に乗ってジャンゴを殺しにいく、、、はずが、
白い袋に開けた目の部分が適当だったので、被って全員文句タレ。。。
結局「今回は被らず、次回からもっとちゃんとしたものを作って被ろう」ってことで落ち着く。。

些細なことで議論するけど内容がアホクサいのに皆真剣、、、ていう場面で
ま、本筋には全然関係ないんですが、妙にツボにはまりました。 

しかも、農園のオーナーを演じていたの、ドン・ジョンソンだし。(懐)マイアミ・バイス


いつも人が殺されるシーンなどはかなりグロいタランティーノ作品ですが、
今回は奴隷がひどい目に合うシーンがちょっと厳しかったかな。(-.-)
奴隷同士を片方が死ぬまで闘わせたり、とか、脱走した奴隷を犬のエサにしてしまったり、、
結構こういう場面はダメというか、見ていて、切なくなりました。
実際そうだったんでしょうし、それを敢えて描いているのでしょうが、
そういことを、上品にオホホと笑うような白人女性がそれを奴隷だから、と受け入れている、
そういうのにゾッとしたのも正直なところ。

ジャンゴの妻が買われた農園を脱走し、灼熱地獄と言われる鉄製の箱の中に入れられて
日差しの強いところにおきざりにされる、そいうこともごくごく普通にあったことなのでしょうか、
(とても残酷に見える場面でした)
同じ人間に対してそういうことをするという感覚、、特にアメリカ南部ではそうだったのでしょうか。

黒人でも奴隷だけでなく、シュルツに助けられ自由になったジャンゴのような存在もいたり、
その自由人ジャンゴが、賞金稼ぎで白人を殺すという設定がこの作品で面白いというか、ですが、
とにかく登場人物が個性的で飽きずに見られました。

ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、主役で一番大事な役柄なのですが、
それを霞ませるくらいの存在ばかり。

ジャンゴを自由にする歯医者(といいながら実は賞金稼ぎ)のシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)。

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これでもその存在感で沢山笑わせてもらいましたが、今作でも怪演。
ドイツからやってきているので、アメリカの奴隷制度に疑問を持ちながら、
ジャンゴに対等に接しながら、悪者には冷酷に対する、でも、物腰は紳士的なキャラクター。
ラスト30分、ってところで意外やあっさりサヨーナラー、、、で驚いたのですが、
とても存在感のあるキャラクターでした。

ジャンゴの妻を買い取った大農園のオーナー、キャンディを演じていたデカプリオ様も秀逸。
極悪な大農園主で、活き活きと楽しそうに演じていたのが印象的。
でも、彼もラスト30分であっさりとサヨーナラー。

あれ、こんなにビッグな2人が最後まで生きてないで話がどうなるのかと思ったのですが、
多分、今作で一番性格悪い極悪キャラクター、執事役のスティーブンがいたから
最後まで話がもったのかと思われます。

最初、見た時気づかなかったのですが、演じていたのがサミュエル・L・ジャクソン。
タランティーノ作品だと、

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この時のイメージが強いのですが、今作では全然違うよぼよぼ爺、でも性悪。

大農園主のキャンディに信頼されているので、
自分も黒人でありながら、奴隷の黒人たちを見下す、そういうイヤーな役柄ですが、
これでもかこれでもか、、ってくらい嫌な態度満開でした。

あとは、タランティーノ監督も最後にちょろっと出てきます。
ある意味「やっぱり本人出てきたよ」って感じで笑えました。。。

この監督作品は好き嫌いが別れると思いますが、
私は性に合うというか、今作も楽しく見られました。

奴隷制度について描かれた作品はこれまでも沢山あったと思いますが、
こういう切り口っていうのはやっぱりタランティーノならではかな、と思った
「ジャンゴ 繋がれざる者」でありました。

 


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