映画「アンコール!!」を観る [映画(あ行)]
久しぶりに日比谷のシャンテシネに行って観た映画です。
この邦題、、あらすじと連動していなかったというかなんというか、
もうちょっとつけ方なかったのかな、と思ったのですが、
原題は“Song for MARION”
マリオン(妻)に捧げる歌って感じかな。
あらすじはYahoo!映画さんより。
寡黙でとっつきにくい性格が災いし、周囲から筋金入りの頑固おじさんとして扱われ、
息子とも溝ができてしまっているアーサー(テレンス・スタンプ)。
そんな彼が愛してやまない、性格の明るい妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の
ガンが再発してしまう。
そんな中、彼女が在籍するロックやポップスの名曲を歌う合唱団「年金ズ」が
国際コンクールの選考大会に出場することに。
治療などで練習に参加できないマリオンの代理で「年金ズ」のメンバーになるアーサーだが、
個性豊かなメンバーや慣れない合唱に面食らってしまう。
外出先で時間調整しようと思ってチケットを買ったので予習もなしで見た映画ですが、
この映画を見られてラッキーだと思えるほど素敵な映画でした。
テレンス・スタンプ演じるアーサーが本当に偏屈で頑固なジイサンで、
愛する妻のマリオンの看病をしながら彼女を合唱団の練習へ送り迎えするものの、
なんでそんなに歌うのがいいのか、理解できずにいます。
合唱団がコンクールに出ることになって予選でソロパートを任されたマリオンを
素直に応援することもできないアーサー。
本選出場が決まった後、マリオンが亡くなり、それを受け容れられないアーサーが
マリオンが好きだったものを理解しようと合唱団の指揮者エリザベスを訪ねて
練習に参加して本選にも出場して。。。その先は見てからのお楽しみですが。
老人、夫婦愛、家族愛、、、ここに息子との軋轢とか、可愛い孫娘、歌となれば、
まあアリがちといってしまえばアリがちな話ですが、観ると全然違います。
アーサーがマリオンと2人のときだけ心を許して見せる優しい表情から一転、
妻を亡くしてから一人で誰とも会話せずに暮らす寂しそうな表情に
何ともいえない気持ちになりつつ、歌うことでマリオンのすきなものを理解しようとする姿に
応援したい気持ちになりました。
合唱団、、オジイチャンオバアチャンの歌は、そんなにうまくなったりして(^_^.)
でも、一生懸命ヒップホップやヘビーメタルを合唱する姿が微笑ましく思えます。
作品でオジイチャンオバアチャンが歌う歌が、
こんな感じで過激な歌詞の歌だったりするのですが、一方で、
ガンが再発して合唱団の練習に来られないマリオンを励ますために、
合唱団のみんなが雨の中、マリオンの家の前で歌うこの曲や、
マリオンが予選のときにソロで歌うこの曲や、
アーサーが本選でソロで歌ったこの曲で、私の涙腺は決壊しておりました。。
周囲からもすすり泣く声多数。。。。。
この曲が、原題の“Song for MARION”なんだろうな、と思ったので邦題ひどい、と
思ったのですが、とにかくほんわかした気持ちになれます。
テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイプが本当に素敵な老夫婦を演じていて
そこに、合唱団を指導するエリザベス(ボンドガールもやっていたジェマ・アタートン)とか
合唱団のみなさん(イギリスらしく、インド系の人もいたりするんですよね)が、
アーサーと溝が出来ている息子や可愛い孫娘、、
登場人物が非常に微笑ましい感じに絡んで素敵な作品になっています。
ちょっと出来過ぎかなって思うところもありますが、それは映画ですし(笑)
それを差し引いても思わぬメッケモンとなった「アンコール!!」でありました。