映画「トゥルー・ロマンス」を観る [映画(た行)]
以前、タランティーノ作品「レザボア・ドッグス」の記事を書いたのですが、
この作品を製作する資金を集めるためにタランティーノが止む無く売った脚本を
トニースコット監督で作られた作品をやっと鑑賞しました。
あらすじはYahoo!映画さんより。
ビデオショップに働く青年クラレンスは、
ある日の誕生日、店長の差し向けたコールガール、アラバマと出会う。
互いに一目で恋に落ちた二人はさっそく結婚。
彼女の元ヒモの所に出向いたクラレンスだが、そこでヒモの男に殺されかけ、逆に男を殺害。
しかも彼女の衣装ケースと思って奪ってきたカバンには大量のコカインが……。
この映画、タランティーノ監督作品として見たかったなあ、と思いました。
IMDBのトリビアを観ても脚本をだいぶ変更しているみたいですし、
(トリビア)→ http://www.imdb.com/title/tt0108399/trivia
結末も変えちゃったそうで、そんなトリビアを読んでしまうと、
タランティーノが自分で書いた脚本通りに映像にしたらどうだったかしら、、、と
期待してしまうのは仕方ないかもしれません。
とはいえ、原案がタランティーノと考えれば、確かにこういう感じの話になるだろうな、
と思えたりして、まあ納得かな、という作品でした。
それにしても思ったのはゼイタクな出演者達。
◎ゲイリー・オールドマン(アラバマのヒモ)
ドレッドヘアで一瞬誰か分かりませんでしたが、殺され方が可哀相なくらい気の毒で。(笑)
◎サミュエル・L・ジャクソン(チンピラ)
ちょっと映ったと思ったら瞬殺されてました。。
◎ジェームズ・ガンドルフィーニ(マフィアの手下)
アラバマをいたぶる様がとても怖くてドキドキしましが、結局殺されちゃいます。
◎ブラッド・ピット(クラランスの友達の同居人)
テルマ&ルイーズのチョイ役の数年後の出演ですが、
薬でラりってカウチに座ってテレビをぼけーっとみている役で、
大事な情報をべらべら敵方にばらしてしまう、という意味では重要な役割。
こういう役がこの人は本当に似合う、、と改めて実感。(器用な俳優さんという意味です)
◎クリス・ペン(警察)
レザボア・ドッグスにも出ていた俳優さんですが、最後の銃撃戦での活躍は必見。
◎ヴァル・キルマー(エルビスっぽい歌手の役)
変装していたのでヴァル・キルマーだと気付かず。(笑)
主役のクリスチャン・スレイターは別にどうでもいいというか(笑)
元々そんなに好きでも嫌いでも、、で、今作でもあんまり存在感を感じられず。
アラバマ役のパトリシア・アークエットの好きな男の為なら一筋的な役柄を好演する姿に
最後の最後まで魅入ってしまいましたが、主役の2人とその他錚々たる出演者の中で、
一番私の中でツボにはまったのは、
◎マフィアの顧問を演じるクリストファー・ウォーケン様
と
◎クラランスの父親を演じるデニス・ホッパー様 の お二方。
怪演です。 素晴らし過ぎる競演。
クラランスが久しぶりに父親を訪ね、去っていった後、そこに追いかけてきたのがマフィアの顧問。
父親に息子が盗んだコカインがどこにあるのか問い詰めるシーンが中盤であるのですが、
私の中ではこのシーンが一番のお気に入りとなりました。
バイオレンスぶりやら、デニス・ホッパー様の長台詞などはタランティーノだなあ、と思いましたが、
シシリア人について長々語るホッパー様が後半でアドリブの台詞を言ったところで、
ウォーケン様が一瞬戸惑っているように見えつつ、見事な切り替えしをする、という場面で、
ここでしか2人は出てこないのですが(ホッパー様は撃たれて死んじゃうし)
ものすごい存在感でしたねぇ。。。。
結末については、wikipediaに書いてあったのですが、
トニー・スコット監督がハッピーエンドにしたいと言った為に
タランティーノが脚本の権利を返してほしいと揉めたらしいのですが、
ハッピーエンドにすることなかったような気がしたので、最後の最後にちょとがっかり。
また、脚本はタランティーノらしく時系列になっていない構成だったそうですが、
(見続けていると最初に観た場面はここなのね、と納得するような作り)
監督が時系列に直したり、登場人物を違う人物に語らせて登場させなかったり、、、
やっぱり色々と手を加えてしまったことが後から調べて分かってやっぱりね、、と思いました。
話自体は非常に面白いので、やっぱり監督によって毛色が変わってしまうのかな。
そう思うとやっぱりタランティーノ監督で観たかったなあ、、、と思ってしまった
「トゥルー・ロマンス」でありました。