ぷー日記~その後編⑥~ [ぷー日記]
週末に書き上げた退職願を持って出社した月曜日。
普通は「一身上の都合」と書くと思うのですが、そんな書き方じゃなあ、と思った私、
「帰属意識が芽生えなかったこと」「長くここで働く自分の姿を想像できなかったこと」
という2つを退職したい理由に書きました。
この2つは本当に思ったことですし、退職するとなると働くのはあと1週間、
悪魔に嫌味として書いてみたかった自分もいたので。(^_^.)
ただ、この退職願をいつ出すか、タイミングがなかなか見つからず、
チャリンコのお使いから戻った夕方、悪魔からのメモが机の上に。
「うつぼさん、そろそろ研修期間が終わる頃ですから今後についてお話しましょう。
○○時頃、上のフロアにきてください」
って書いてあったのですが、入社してから魔女と話すのは電話ばかり、
ばったり姿を見かけたのがそれまでに2回、ちゃんと顔見て話すのは初めて、
面接であれだけ色々話してくれたのに、入社したら全然だったんだよねぇ、、、と思いながら
焦って悪魔の部屋(ドアがついてる小部屋で中が見えない)の入口に退職願を置きました。
置いて席に戻った途端に悪魔から電話。
「うつぼさん!ビックリしちゃったわぁ!
どうしてなのかしら?本当にビックリよぉ!」
このオバサン、鈍い。 (V)o¥o(V)
あれこれやっていることを報告していたのに何にも気づかなかったのかな。
「申し訳ありません。色々考えまして。。。」
隣で生き字引が聞き耳を立てているので小さい声でぼそぼそ答えると、
「じゃあ、しょうがないわねぇ、、お話するのも中止にしましょうねぇ。。。」と悪魔。
あっさり受理されました。 もうちょっと引き留められるかなと思っていたので拍子抜け。(笑)
そして翌日の朝、生き字引に「ちょっとこっちにきて」と呼ばれてオフィスの外へ。
「うつぼさん、退職するって聞きました。残念だわ。」 と生き字引。
そりゃそうでしょう、早番がやらなければいけない雑用の数々、私がずっと一人でやっていたけれど、
やる人いなくなったら今度は生き字引がやらないといけないもんね。(^_^.)
で、生き字引が悪魔から指示された通り、退職までにやることを伝えてきたのですが、
「退職することは他の人に言わないように。最終日も普通に帰るように。」と言われて、
「ああやっぱりこの会社ってヘンだ」と思いました。
そのまた翌日、、唯一優しくてまともだと思っていたオバサンが退職手続をしてくれるから、と、
朝出勤してきたところをつかまえると、「うつぼさん、辞めちゃうのね、残念だわ」とオバサン。
「すみません、色々考えたんですが、区切りのいいところで、と思いまして」と答えた途端、
「うつぼさん、辞めるの正解よ!」
と、オバサンが(グッジョブみたいな感じで)親指を立ててにっこり笑って言いました。
ああ、そうなんだ辞めるの正解なんだ私。。。
喉に引っかかっていた魚の小骨がすっととれたような気分です。
「たぶん、○○さん(女帝)と年代が近くてお互いやりづらかったのもありますが」と言ったら、
「○○さんと合う人なんてこの世にいないから気にしないでいいわよ!」とオバサン。
ああそうなんだ、みんな女帝のこと嫌いなんだ、、
以前、生き字引もぶつぶつ女帝の横暴さについて独り言つぶやいてたもんね。。
このオバサンとの会話のお陰で退職日までは清々しい気持ちで働けました。
退職日(土曜日も出勤だった)までは、引き継いだもののまた前任のムーミンにお返しせねば、と
アポなし外回りの仕事のデータ、報告書一式をムーミンにお返しし(辞めることは一応伝えた)、
私がいなくなってからでも業務内容が分かりやすいように引き継ぎ書を生き字引宛に作ったり、
色々な人のお仕事を積極的にお手伝いしたり、、、、、ふつうに過ごして最終日。
当日休んでいた生き字引宛の手紙をPCに挟み(まあお世話にはなってましたんで)、
隣の芳恵さんには直接挨拶できずにやっぱり手紙をそっと机の端に置いて、
そっとタイムカードを押してそっとオフィスをでました。。。
オッチャンへ毎日書き続けた日報には簡単にお世話になりました、と書きましたが、
退職願を出してから一切何も言ってこなくなった女帝には特にメッセージも残さず、
悪魔にも簡単にメッセージを書いて置いて帰宅の途に着きました。
記事には書きませんでしたが、内勤の時はフリーダイヤル対応なんて仕事もあって、
DMを送ってくるなと怒る電話が頻発するシーズンだったのでひたすら謝り続けの一日、とか、
会社のサービス内容についてやたらしつこく聞いてくる人への答えに窮したり、
そのたびに隣の生き字引に怒られたり、、なんてこともございました。
今こうやって記事を書きながら思い出してみると、
時間も経ってますので怒りというより苦笑してしまうのですが、
2か月という期間限定であれば、ある意味「色んな世界があるもんだな」と思えるような
良い経験だったかもしれません。
と、いったいあの職場はなんだった、、、と思いながら退職した翌日、
メガネヒヨコさんと一緒に富士宮へ蔵開きに行ってグビグビしたり、
一人でシンガポールに旅行したり、、、てな感じでリフレッシュしたのですが、
さすがにいつまでもそんなことは続けてられませんので、再び転職活動を始めました。
(つづく)