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映画「デッドマン・ウォーキング」を観る [映画(た行)]

呑み記事の次は映画記事。


 

ずっと観ようと思っていながら、
ショーン・ペンがあんまり得意でないので避けていた作品です。

デッドマン・ウォーキング [DVD]

デッドマン・ウォーキング [DVD]

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • メディア: DVD

あらすじはAmazonさんより。

仲間や若いカップルを惨殺した罪で死刑を宣告されている囚人マシュー(ショーン・ペン)と、
彼を救うべく特赦査問会を要請する尼僧ヘレン(スーザン・サランドン)。
やがて嘆願が却下され、死刑執行の日が迫るなか、マシューの頑なな心は開かれていく…。





ティム・ロビンスが監督、当時交際していたスーザン・サランドンが主演し、
アカデミー賞主演女優賞を受賞した作品で、もっと早くみればよかったな、と思いました。 


ヘレン(スーザン・サランドン)がカトリックの尼僧という設定なので、
(ただし宗派なのか尼僧服ではなく普通の服装をしていました)
キリスト教に絡めての演出という感じが否めませんで、
そういう点では無宗教みたいな私が見るとどうかな、という感じも多少はありました。

殺人の共犯の男が終身刑で自分が死刑というのが理解できない、
自分は見ていただけだ、と言い張るマシュー(ショーン・ペン)、
もし、2人とも死刑判決ならそういうことを言わなかったのかな、とも思いましたが、
ヘレンとの対話を重ねているうちに、本当は見ていただけではなく薬でハイになったマシューも
若いカップルを惨殺したことを告白し、死刑執行が直前に迫った最後の最後に詫びているようにも
見えました。

こういう作品を観て思うのですが、
被害者家族の目線で描かれていればそちら側についてみるでしょうし、
死刑囚の側から描いた作品だと、贖罪、という観点もあったりして、
やっぱり死刑執行してしまうのはどうかな、なんて思ったりもします。

死刑囚の最後の瞬間 (角川文庫)

死刑囚の最後の瞬間 (角川文庫)

  • 作者: 大塚 公子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫



死刑執行人の苦悩 (角川文庫)

死刑執行人の苦悩 (角川文庫)

  • 作者: 大塚 公子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1993/07
  • メディア: 文庫

この作者の著書を以前読んだときに、
死刑といっても執行人の存在を考えると安易に語ってはいけないような気もしましたし、
勿論、罪を犯したことに対してはきちんと裁くべきだと思うのですが、
薬物注射での死刑を執行する医師の気持も映画では描かれていて、
医療をこういうことに使うべきではないのでは、と思ったりもしました。

また、死刑囚の家族というだけで世間から嫌がらせを受ける家族や親戚、
自分たちは善良といいながらそういうことが平気で出来る人たちもいるわけで、
刑事罰を受けるようなことをしていなくても十分酷いことをしている人も世の中には沢山いるのかな、
なんて見ながら思ったり。。。。。

多分、この作品は死刑制度について意見が分かれるのでないかな、と思いますが、
死刑執行間近の男と、尼僧との心のふれあい、という作品としては心を打たれました。

死刑執行間近に出会ったヘレンとの話し合い、裁判を通して、
マシューが人間として再生を図ろうとする、最後は威厳を持ちながら刑を執行される、
スーザン・サランドンとショーン・ペンだからこそ演じられた作品だと思います。

ちょっと重たいのですが、死刑制度の在り方についても考えさせられる作品です。
(絶対こうすべき、という考えがあってもなくても)

できるだけ多くの人に見てほしい良作「デッドマン・ウォーキング」でありました。





 



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