映画「おとなのけんか」を観る [映画(あ行)]
劇場で見そびれた作品です。(最近そんな作品ばっかり)
あらすじはAmazonさんより。
ニューヨーク、ブルックリン。
11歳の子供同士の喧嘩の後、話し合いのため集まった2組の夫婦、
リベラルな知識層であるロングストリート夫妻(ジョディ・フォスター/ジョン・C・ライリー)と
カウアン夫妻(ケイト・ウィンスレット/クリストフ・ヴァルツ)。
冷静に平和的に始まったはずの話し合いは、次第に強烈なテンションで不協和音を響かせ、
お互いの本性がむき出しになっていき、やがては夫婦間の問題までもが露わになっていく。
原題は“Carnage”で殺戮みたいな意味で物々しいですが、
今回は邦題はよくできているような気がします。
いつもこんな感じで邦題つけてくれればいいんだけどね。(笑)
元々が舞台のお芝居だからなんでしょうね、部屋の中でずっと話が展開していくつくりで
舞台っぽく見えました。
(途中ちょっとトイレに移動したりはしますが基本的には部屋で展開します)
2組の夫婦が会ったのは、双方の子供が喧嘩して、片方の子供が怪我をしたから、で、
最初は大人らしく、喧嘩の内容を双方合意の上で文書にまとめて終わり、かと思ったら、
じゃ、コーヒーでも、ってなって引き留めたところから話がぐじゃぐじゃになっていきます。
被害者、加害者の親、という立場から、被害者が悪いといいだした加害者の親、
仕事でかかってくる電話にかかりきりの加害者の父(クリストフ・ヴァルツ)、
それを不快に思う妻にもう一方の夫婦、
その内、互いに愛想よくふるまっていたはずが、互いの夫婦を罵り合う、
今度は夫婦同士で言い合いになったりして、やがて互いの夫婦の罵り合いに戻ったり、、
という展開がいかにも舞台っぽい感じでした。
最近アカデミー賞助演男優賞を受賞したクリストフ・ヴァルツが製薬会社の顧問弁護士役で
やたらとかかってくる携帯電話に出ている仕事中毒みたいな人なのですが、
しまいに奥さん(ケイト・ウィンスレット)に携帯を取り上げられ、花瓶の水の中に捨てられてしまい。
奥さんがイライラする気持ちも分かるというか、わたしも見ていて
「そんなにしょっちゅう電話に出てるんじゃないよ!」とイラットしました。(笑)
で、花瓶の中に水没した携帯をドライヤーで乾かしてあげるのが被害者の父(ジョン・C・ライリー)。
どこか冴えないけど性格は良い人、みたいな役柄がぴったり。
で、そんな人の良いところを見て怒りまくるのが神経質な奥さん。(ジョディ・フォスター)
四者四様というか、四人がうまく絡み合って面白い作品になっていました。
ちなみに、舞台がNYのブルックリンなのに、撮影がパリで行われたのが、
監督のロマン・ポランスキーが色々過去にあったりしてアメリカに入国できないから、だったらしく、
そんなトリビアも含めてみるとちょっと面白かったりして。
上映時間が1時間半くらいで短めなので、あはは、大人がなにしてんだよ、ばっかじゃねー、
なんて感じで見ているとあっという間に観終わります。
作品の最後に、親が捨てたハムスターが元気に生きている様子、と、
水没した携帯が乾かしたお陰でまた作動する様子、が映されて、ぷっと笑ったところで、
喧嘩した子供同士が仲良く遊んでいる様子が遠目に映るのですが、
親同士が関与しなくても子供同士で解決できるってことなのかと思いました。
こういう作品が楽しめるのも中年の特権でしょうし、お子さんがいらっしゃる方なら、
登場する4人の内だれかに自分を重ね合わせることができるかもしれないだろうな、
なんて思った「おとなのけんか」でありました。